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SSAグローバル テクノロジーズ、リーン生産方式対応ERPパッケージを発表

2001年06月18日 17時53分更新

文● 編集部 佐々木千之

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SSAグローバル テクノロジーズ ジャパン(※1)は18日、都内で記者発表会を開催し、財務会計、販売・物流、生産管理などの業務の統合管理を行なうERP(Enterprise Resource Planning)パッケージソフトウェア『BPCS(Business Plannning and Control System:ビーピクス)』のVersion 8を発表した。6月末に出荷予定で、価格は規模や内容により大きく異なるが、30ユーザーのシステムで導入費込みの場合5000万円くらいからとしている。

※1 SSAグローバル テクノロジーズ ジャパン:米イリノイ州シカゴに本社を置くSSAグローバル テクノロジーズ社が'89年に“SSAジャパン リミテッド”として設立した日本支社。2001年1月に現社名に社名変更した。本社は東京都中央区、代表取締役社長はアレキサンダー・ヴァン・アイク(Alexander D.Van Eyck)氏

SSAによると、BPCSは'81年に最初のバージョンをリリースしたERPパッケージで、製造業分野での評価が高い。今回の新バージョン『BPCS Version8』では、ERPパッケージとして初めて、リーン生産方式(Lean Manufacturing Process)システムに対応、合わせて販売資金管理(Trade Fund Management)に対応した点が特徴。

BPCSのこれまでの製品ロードマップ
BPCSのこれまでの製品ロードマップ

リーン生産方式は、トヨタ自動車が'50年代にトヨタ式生産方式として始め、'70~'80年代に発展したJIT(ジャスト・イン・タイム)生産方式を基に、'90年代に欧米化した生産システム。受注生産や受注購買を行なっている企業に適した生産方式で、無駄な業務を省いて生産効率を高め、迅速な製品出荷を目指すというもの。現在の製造業界で広く浸透している方式という。さらに、BPCS Version8ではキヤノン(株)や三洋電機(株)などが最近導入した“屋台型生産システム”にも対応したという。

販売資金管理の概要
販売資金管理機能の概要

販売資金管理は、製品/商品のマーケティング活動に関わるすべての経費の計画、管理、追跡を行なうもので、消費財製造業に適するとしている。例えば、新製品投入時期に行なうキャンペーンにおいて、広告費や販売促進費を扱うことができ、対費用効果をはっきりとさせることが可能としている。

SSAグローバル テクノロジーズの“Open eRP”コンセプト
SSAグローバル テクノロジーズの“Open eRP”コンセプト

SSAグローバル テクノロジーズでは、ERPパッケージにおいて、SCMやCRMなどの各分野に関しては、すべて1社で提供するのではなく、アダプターとなるプログラムを提供することで対応する“Open eRP”というコンセプトで開発を行なっているとしている。Version8に関して、今後各分野の製品とのインターオペラビリティーのためのアダプタープログラムを販売する予定。

SSAグローバル テクノロジーズ ジャパン副社長のDPサンローラ氏
SSAグローバル テクノロジーズ ジャパン副社長のDPサンローラ氏

SSAグローバル テクノロジーズ ジャパン副社長のDPサンローラ(DP Sangroulla)氏は「'97、'98年と製品の売上げは日本の製造業の状況を反映して非常に厳しいものであったが、'99年から回復し2000年度(2000年8月~2001年7月)は前年比で50%の伸びとなる見込みだ。BPCS Version8に関しては特に中小の製造業をターゲットに販売していきたい。販売パートナーもこれまでの10社から年内に30社まで増強する予定だ。また今後は、生産システムの進歩に遅れないよう毎年新バージョンを発表する」と述べ、製造業に強い同社のポジションを生かして、積極的な販売を行なう姿勢を見せた。

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