このページの本文へ

ソニー、動画メールも可能な動画配信サービスを開始

2001年06月14日 20時35分更新

文● 編集部 桑本美鈴

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ソニー(株)は14日、企業向け動画配信サービス“動画ホスティング・サービス”を7月1日に開始すると発表した。

動画ホスティング・サービスは、ホームページ上や電子メール上で動画コンテンツの配信を行なえるもので、クライアントにストリーミングサーバーを提供し、クライアントから提供された素材(動画コンテンツ)をエンコーディングして、ホスティングサーバーにアップし動画配信を行なう。配信方式にはReal、Windows Mediaのほか、同社が開発した新動画配信フォーマット“MotionViewer”を採用する。なお、Windows Mediaは8月開始予定。

メール動画配信
MotionViewerフォーマットを利用したメールによる動画配信のサンプル。メールを開封し、プレーヤーのボタンをクリックすると動画が配信され視聴できる。このサンプルメールで配信されている動画は本日の発表会の様子

ストリーミングサーバーは、複数のクライアントでサーバーを回線を共用する“サーバー共用タイプ”と、1クライアント専有でサーバーと10Mbps回線を利用できる“サーバー専用タイプ”の2種類を用意するという。7月1日のスタート当初は、サーバー共用タイプのみでサービス提供を行ない、サーバー専用タイプは後日提供予定という。

サービス概要
動画ホスティング・サービスの概要

MotionViewerはJavaアプレットを採用した動画配信フォーマット。MotionViewerを利用した動画配信は、ユーザーがホームページにアクセスしたり、電子メールを開封したりすると、動画再生ソフト(Javaアプレットのプレーヤーモジュール)『MotionViewerプレーヤー』がサーバーから送られ自動的に起動した後、ユーザーの接続帯域に合わせてコンテンツ配信が行なわれる。MotionViewerプレーヤーの容量は20~30KB。対応帯域は20~500kbps。

MotionViewerプレーヤーは、Real PlayerやWindows Media Playerのような再生ソフトを事前にダウンロード/インストールしておく必要がなく、設定も不要。バージョンアップの必要もない。HTTPプロトコルを利用しているため、プロキシ経由のネットワークでも閲覧が可能。また閲覧した動画はエンドユーザーのパソコンから自動消去されるためコピーができない。

メールで配信する場合も、メール自体に動画データを添付するのではなく、開封時にMotionViewerプレーヤーが自動ダウンロードされ動画配信が行なわれるため、メール自体の容量は大きくならない。また、MotionViewerプレーヤーにクライアントのロゴを入れるといったカスタマイズも可能。

メールでの動画配信については、メール配信事業者と連動してサービスを提供する。メール配信事業者がクライアントの提供した動画付きメールを配信し、エンドユーザーが開封すると動画送信要求がソニーのサーバーに送られ、サーバーから動画を配信する仕組みとなっている。現在のMotionViewer契約メール配信サービスは“まぐまぐ”と“Pubzine”。

MotionViewerはJava VMが動作する端末が対象で、現在WindowsマシンとMacintoshは動作検証済み。将来的には携帯電話やPDAなどにも対応したいとしているが、プレーヤー容量が20~30KB程度あるため、例えば既存の携帯電話503iシリーズなどでは、記憶容量が少なくコンテンツを再生できないという。

共用サーバータイプを利用した動画ホスティング・サービスの料金は、初期設定費が10万円。利用料は、短期契約(10日間契約)の場合、コンテンツ容量100MBで9万円、500MBで18万円、1GBで24万円、3GBで30万円。長期契約(1ヵ月契約/最低利用期間3ヵ月)の場合、100MBで月額15万円、500MBで月額30万円、1GBで月額40万円、3GBで月額50万円。Real Windows Media、MotionViewerとも料金は同じ。オプションのエンコーディングサービスは5000円より行なう。

現在、動画ホスティング・サービスの採用を予定している企業は、味の素(株)、イオナインターナショナル(株)、市光工業(株)、ウイルソンジャパン(株)、ウエラジャパン(株)、エキサイト(株)、オリックス倶楽部(株)、ジャガージャパン(株)、(株)デジタルアドベンチャー、トヨタ自動車(株)、(株)日経BP、日本航空(株)、野村不動産(株)、(株)ビックカメラ、(株)ビックピーカン、(株)まぐクリップ、ワーナーブラザーズ映画。

エキサイトはMotionViewerを使ったバナー広告“Streaming Movieバナー広告”を7月に開始するほか、音楽情報サイト“エキサイトミュージック”でMotionViewerを採用、さらに“エキサイトフリーメール”の動画付きメールサービスや、動画を活用したメールマガジンを予定しているという。

エキサイト動画バナー
新動画バナー広告“エキサイトストリーミングバナー”

日本航空は、現在同社ホームページ上で提供しているTVCMなどの映像コンテンツフォーマットとして7月よりMotionViewerを採用、計43の映像コンテンツを提供する。さらにJALマイレージバンク会員向けメールにMotionViewer映像を付け加える予定。

また、ソニーグループの各ウェブサイトでも、MotionViewerフォーマットを順次採用し、情報提供に活用するという。ソニーコミュニケーションネットワーク(株)は、スポーツ映像コンテンツにMotionViewerを採用、バレーボールVカップやPRIDE(総合格闘技)などの試合映像を配信するとしている。

本日都内で行なわれた発表会で、同社執行役員の鶴見道昭氏は、「ブロードバンドでは、動画などのリッチコンテンツが自由に流れるようになる。動画は情報として訴求力がある。ネット上でどのように動画を流すかがキーになるだろう。われわれは動画がうまく流れるような環境を整備し、企業のプロモーションのような短時間で訴求力のあるメッセージ映像を流せるインフラを構築する」としている。

ソニー鶴見氏
同社執行役員の鶴見氏

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン