日本電気(株)は11日、61インチプラズマディスプレー『PX-61XM1』を発表した。このサイズのプラズマディスプレーを製品化するのは、世界で初めてだという。7月23日に発売し、価格はオープンプライス(予想価格250万円前後)。
『PX-61XM1』 |
縦置きも可能 |
『PX-61XM1』は解像度1365×768ドットで画素ピッチ0.99mm、1677万色表示のプラズマディスプレー。輝度は最大600cd/m2で、コントラスト比は最大60:1(フィルター通過後は最大80:1)。消費電力は50インチの従来機では595Wだったが、画面の広さで1.5倍の『PX-61XM1』では660Wと、セルの構造と駆動方式の見直しによって大幅に低減したとしている。
また、国内メーカー(メーカー名は非公表)と共同開発したフィルター“Accucrimson(アキュクリムゾン)”によって、朱色と真紅の違いが明確に判別できるという。なお、『PX-61XM1』は縦置きも可能。
裏面の入力端子群 |
対応する映像信号はRGB、NTSC、PAL、PAL60、SECAM、HD、DVD、DTV(デジタルテレビ放送)で、ハイビジョンの1080インタレース信号にも対応する。ただし、1035/1080インタレースは、画素数(縦768ドット)に合わせて変換する。入力端子はアナログRGB、DVI、HD/DVD/DTV入力、ビデオ入力などとなっている。本体サイズは幅1480×奥行き119×高さ880mmで、重さは約61kg。
また、米NVIDEA社のグラフィックスチップ『GeForce3』(※1)を搭載したパソコンと接続した場合、解像度1360×768ドットで『GeForce3』に最適化した画面表示が行なえるという。
※1 『GeForce3』用のドライバーによるものだが、『GeForce2 GTS』など、GeForceシリーズならほぼ対応しているという。そのほかに、画面表示機能として2つの画面を等しいサイズや一方をサムネイル表示する機能、画面の一部にポインターを合わせ、その部分を最大9倍に拡大表示する機能などもある。
拡大表示機能。ポインタが虫眼鏡の形になり、面積で最大9倍に拡大できる |
画面分割表示。同じ大きさで表示することも、このように一方を小さくすることも可能 |
NECは、『PX-61XM1』をプロジェクターのようにプレゼンテーション用として、あるいは店舗の入り口に掲げる広告ボードとして提供していくという。
また、プラズマディスプレーの価格は、現在1インチあたり2万円を切るような状況になっており、NECでは、2003年ごろには1インチあたり1万円程度になると予想している。
生産はすべて鹿児島日本電気(株)で行なう。今年度の販売目標は、全世界で8000台となっている。