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MI-L1

MI-L1

2001年06月05日 22時59分更新

文● 佐久間

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MI-L1

シャープ

オープンプライス

5月15日に発表、5月21日に発売された“キーボード付きザウルス”の2代目「MI-L1」は、ビジネスユースに特化して動画&MP3再生機能を持たず、代わりに縦横表示切り換え可能なWebブラウザやMicrosoft Officeとの連携(DOCやXLSファイルの表示)など、ソフト面で多くの機能強化を図った製品だ。ここでは、「MI-E1」との違いを中心にMI-L1の使い勝手を報告する。

縦にして片手で持って使うスタイルを
さらに追求した「MI-L1」

 MI-L1はキーボード搭載&P-in Comp@ct対応(TypeIIのCFカードスロット内蔵)ザウルスの2代目となる。MI-E1との違いは5月15日のニュースで詳しく述べているが、マルチメディア機能以外を簡単にまとめると、

  • フロントライトを省略
  • ボタン形状や配置を変更
  • 縦横表示切り替えが可能な新型Webブラウザを搭載
  • 本体カラーにマット(つや消し)な黒を採用、重量を約15g減少

――といったところが挙げられる。

MI-L1とMI-E1の場面別表示テスト1
スタジオでライトを調整して、明るい場面と暗い場面を再現し、画面の見え方を比較したもの。実際には周囲の明るさによっても見え方は異なるが、同じ光源下での違いはわかるだろう。写真は明るい場所で、MI-E1(右)はフロントライトなし表示。MI-L1のほうが明らかに鮮明さが上。

MI-L1とMI-E1の場面別表示テスト2
上と同じセッティングでMI-E1のフロントライトあり。フロントライトをつけると、MI-E1の見やすさは格段に上がるがバッテリの減りは早い。

MI-L1とMI-E1の場面別表示テスト3
上よりもライトを絞って暗い状況下でのテスト。MI-E1ではよりいっそう暗く見えにくくなってしまう。

MI-L1とMI-E1の場面別表示テスト4
こうした暗い状況では、フロントライトが真価を発揮する。

 MI-E1/MI-L1は外部光で画面を照らし出す反射型TFT液晶を採用している。エンタテインメント機能を重視したMI-E1では、動画再生時の画面を鮮やかに表示するためにフロントライト(上部から液晶面に光を当てる方式、裏から光を当てるバックライトとは仕組みが異なる)を実装する。このフロントライトの部品として、液晶の上面に“導光板”と呼ばれる透明なパネルを装備しているが、完全に透明ではなく弱い蛍光灯の下など外光の少ない場所ではやや画面が暗く見える。そのため、フロントライトは動画再生の時だけでなく通常の使用でも点灯させる機会が少なくない。
 MI-L1ではフロントライトをなくし、導光板が外されたため同じ明るさ(暗さ)の下で見た場合にはMI-L1のほうが表示は鮮明だ。見比べると、MI-E1のほうは少しスモークがかかったように見えるが、MI-L1は文字やアイコンがクッキリはっきりしている。
 ただ、携帯情報端末は常に明かりのある場所で使うとは限らず、たとえば薄暗い場所や夜道を歩きながらメールやWebサイトを確認したい場面ではフロントライトが大いに役立つ。実際に店頭などで画面の違いを確認し、自分の使用環境と照らし合わせて選択すべきだろう。

MI-L1の基本スタイル
写真のP-in Comp@ctはオプション。MI-L1では縦横表示切り替えが可能なWebブラウザを搭載し、十字ボタンの中央に決定ボタンが追加された。そのため、メールやWebサイトを見る場合にはこのように片手で持ってスマートに使用できる。
 キーボード部の“ふた”にある各種ファンクションおよび「戻る」「決定」ボタンは、シンプルでデザイン重視だったMI-E1に対し、MI-L1はより実用的で使い勝手を考えた大きな丸ボタンになっている。特に十字ボタンの中央に設けられた第2の決定ボタンはメールを読んだりWebブラウズする際に便利で、Webブラウザを縦画面表示にすれば指を動かさずに一覧から文書を選択、すいすいスクロールして快適に読める。
 MI-E1では7つだったファンクションボタンが、MI-L1では5つに減っているが、これも短く押す/長く押し続けるの違いで機能を割り振るなど、よく考えられている。たとえば、メール送信やインターネットへの接続を中止したい場合に使う「中断」は、中央の「ホームインデックス」ボタンを長く押しつづける。ユーザーとしては早く止まってくれ~! とばかりに無意識にもボタンを押しつづけてしまうので、ユーザーの心理を巧みに衝いた機能割り当てだろう。


MI-E1の基本スタイル
対して、MI-E1では横表示のみ可能なWebブラウザなので、このように横向きに持つことになる(写真はフロントライトなし)。慣れれば左手だけでも操作可能だが、重量のバランスを取るために右手を添えたほうが安心。
 とはいえ、十字ボタン中央の決定が邪魔になる場面もある。メモ帳機能などで文章を入力している際に、変換候補の文節長を変更するために左右を押していると、誤って中央のボタンで決定してしまうことがあるのだ。第2決定ボタンは、ホームインデックスで操作メニューを出すと有効/無効を切り替えられるのだが(アプリ上の操作メニューでは切り替えられない)、あらかじめアプリごとに使うかどうかを設定できるとより使いやすかっただろう。


MI-L1
左がMI-L1、右は従来のMI-E1。キートップの加工、ファンクションボタン、決定/電源ボタンの形状など外観の違いが確認できる。
 MI-E1で高く評価されたキーボードも、細かい部分が変更されている。まず、キートップの膨らみがなくなり平らになった。これは親指の先でプチプチとキーを押すときに、爪がキートップに乗ると脇に滑って入力しづらかった点に配慮したものと思われる。実際、打ち比べてみると確実にミスが減る。また、キーレイアウトも一部変更された。URLやメールアドレスの入力で頻出する「.」(半角ドット)が1キーで入力できるようになり、「/」も以前の左下に集中した「機能+@」ではなく「シフト+,」になり入力しやすくなっている。ただ個人的には、頻繁に使う「ー」(-)が左下に移動したのはちょっと入力しづらくなって残念に思う。



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