5月15日に発表、5月21日に発売された“キーボード付きザウルス”の2代目「MI-L1」は、ビジネスユースに特化して動画&MP3再生機能を持たず、代わりに縦横表示切り換え可能なWebブラウザやMicrosoft Officeとの連携(DOCやXLSファイルの表示)など、ソフト面で多くの機能強化を図った製品だ。ここでは、「MI-E1」との違いを中心にMI-L1の使い勝手を報告する。
縦にして片手で持って使うスタイルを
さらに追求した「MI-L1」
MI-L1はキーボード搭載&P-in Comp@ct対応(TypeIIのCFカードスロット内蔵)ザウルスの2代目となる。MI-E1との違いは5月15日のニュースで詳しく述べているが、マルチメディア機能以外を簡単にまとめると、
- フロントライトを省略
- ボタン形状や配置を変更
- 縦横表示切り替えが可能な新型Webブラウザを搭載
- 本体カラーにマット(つや消し)な黒を採用、重量を約15g減少
――といったところが挙げられる。
スタジオでライトを調整して、明るい場面と暗い場面を再現し、画面の見え方を比較したもの。実際には周囲の明るさによっても見え方は異なるが、同じ光源下での違いはわかるだろう。写真は明るい場所で、MI-E1(右)はフロントライトなし表示。MI-L1のほうが明らかに鮮明さが上。 |
上と同じセッティングでMI-E1のフロントライトあり。フロントライトをつけると、MI-E1の見やすさは格段に上がるがバッテリの減りは早い。 |
上よりもライトを絞って暗い状況下でのテスト。MI-E1ではよりいっそう暗く見えにくくなってしまう。 |
こうした暗い状況では、フロントライトが真価を発揮する。 |
MI-E1/MI-L1は外部光で画面を照らし出す反射型TFT液晶を採用している。エンタテインメント機能を重視したMI-E1では、動画再生時の画面を鮮やかに表示するためにフロントライト(上部から液晶面に光を当てる方式、裏から光を当てるバックライトとは仕組みが異なる)を実装する。このフロントライトの部品として、液晶の上面に“導光板”と呼ばれる透明なパネルを装備しているが、完全に透明ではなく弱い蛍光灯の下など外光の少ない場所ではやや画面が暗く見える。そのため、フロントライトは動画再生の時だけでなく通常の使用でも点灯させる機会が少なくない。
MI-L1ではフロントライトをなくし、導光板が外されたため同じ明るさ(暗さ)の下で見た場合にはMI-L1のほうが表示は鮮明だ。見比べると、MI-E1のほうは少しスモークがかかったように見えるが、MI-L1は文字やアイコンがクッキリはっきりしている。
ただ、携帯情報端末は常に明かりのある場所で使うとは限らず、たとえば薄暗い場所や夜道を歩きながらメールやWebサイトを確認したい場面ではフロントライトが大いに役立つ。実際に店頭などで画面の違いを確認し、自分の使用環境と照らし合わせて選択すべきだろう。
写真のP-in Comp@ctはオプション。MI-L1では縦横表示切り替えが可能なWebブラウザを搭載し、十字ボタンの中央に決定ボタンが追加された。そのため、メールやWebサイトを見る場合にはこのように片手で持ってスマートに使用できる。 |
MI-E1では7つだったファンクションボタンが、MI-L1では5つに減っているが、これも短く押す/長く押し続けるの違いで機能を割り振るなど、よく考えられている。たとえば、メール送信やインターネットへの接続を中止したい場合に使う「中断」は、中央の「ホームインデックス」ボタンを長く押しつづける。ユーザーとしては早く止まってくれ~! とばかりに無意識にもボタンを押しつづけてしまうので、ユーザーの心理を巧みに衝いた機能割り当てだろう。
対して、MI-E1では横表示のみ可能なWebブラウザなので、このように横向きに持つことになる(写真はフロントライトなし)。慣れれば左手だけでも操作可能だが、重量のバランスを取るために右手を添えたほうが安心。 |
左がMI-L1、右は従来のMI-E1。キートップの加工、ファンクションボタン、決定/電源ボタンの形状など外観の違いが確認できる。 |