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アリバ、事業方針を説明――バイヤー重視のB2B市場を

2001年05月25日 02時03分更新

文● 編集部 中西祥智

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間接材を中心にB2B事業を展開する日本アリバ(株)は23日、都内でプレス向けの説明会を行なった。

アリバのB2B戦略
アリバのB2B戦略

日本アリバは米アリバ(Aliba)社とソフトバンクグループの合弁企業。出資比率は、米アリバが60%(うち5%が社員の持ち株)で、ソフトバンク(株)が20%、ソフトバンク・イーコマース(株)が20%となっている。

アリバの事業方針の特徴は、B2B市場における“バイヤー(買い手)”と“サプライヤー(売り手)”のうち、バイヤーを重視する姿勢を鮮明に打ち出していることだ。バイヤー側に特定の規模以上の企業をそろえることで、市場での間接材の量が確保でき、サプライヤー側が定着するためだ。

同社ではバイヤー側が『Ariba Buyer』を導入することで、確実なROI(Return on Investment:投資収益率)が期待できるとしており、要因となるバイヤー側のメリットを3点挙げている。まず、複数のサプライヤーが提示する価格の中から、最良のものを選択することによって、購買価格の低減が見込めること。社内の各部門が、それぞれ購買していたものを集約して一括して交渉することによるディスカウントも見込める。

次に、ビジネスに必要なさまざまな手続き、申請などのプロセスを統合することで、コストの削減だけでなく、マンパワーや時間の節約も行なえること。同社では、むしろこのプロセスの簡略化、スピードアップのほうを、コスト削減よりも大きなメリットだとしている。

そして、最後は日時決算の精度向上。従来の間接材購入では、決済時にコストとして計上されることがほとんどだった。しかし、『Ariba Buyer』を導入すれば、発注段階でコストの予想が可能になる。また、それに際して『SAP』などのERPシステムとの連携も図れるという。

また、同社の提供するB2B市場“Aliba Commerce Service Network”では、オーダーやカタログなどのデータを、すべてXMLで扱う。そして、そのXMLによるデータが利用できないバイヤーやサプライヤーには、それらが読めるデータへと自動的に変換する。これによって、企業間のデータ形式などの違いを吸収するという。

現在の日本経済は、景気の先行きの不透明さが重苦しくのしかかってきている。しかし、同社にとっては、むしろ今のこの状況が追い風になっている。企業が利益を確保するためには、不況で売り上げがない以上、コストを削減するしかない。そのための手段として、『Ariba Buyer』が選ばれるというのだ。

また、同社が間接材を主に扱う理由は、それをB2B化することによるメリットが大きいからだ。原料や半製品などの直接材の市場は、すでにほとんどが最適な価格になるように整備されている。その一方で、間接材についての市場はシステマティックに整備されているとはいえず、だからこそ導入効果が大きい。

現在日本アリバの『Ariba Buyer』を導入している企業は約10社。同社では、今年中に50社の導入を目指す。また、サプライヤー側は、1万サプライヤーの参加を見込んでいる。

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