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マザーボードのオーバークロック機能を徹底調査する(その2)

2001年05月23日 19時31分更新

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DDR SDRAMとマザーボードの組み合わせによるテスト

 今度は、視点をマザーボードに移してオーバークロックテストを実施してみた。ところでマザーボード(チップセット)のオーバークロック耐性を明確に調べるならば、テストするチップセットの限界より、明らかに高いクロックで動作保証されたメモリ(例えばPC2700スペックのモジュール等)を用いてテストすれば客観的な結果が得られる。ところが、当オーバークロック研究室にそのようなメモリは、はっきり言って「ない」。現実的にオーバークロックシステムを構築する場合、やはり市販のメモリを使用するわけであり、先のDDRメモリテストで使用した5枚のメモリにもう一度登場してもらった。そして、今度は、メモリのアクセススピードを極力緩和させておき、マザーボードがどこまで高いクロックで動作するのかを調べてみたのだ(多少の無理があるかと思われるが、その結果をもとにマザーボードのオーバークロック耐性の優劣を判断した)。なお、テスト環境とベンチマークテストも、先のDDRメモリテストで使用したデバイス等をそのまま流用している。ただ、それぞれのマザーボードに設定したパラメータは、【表5】のように変更して設定した。

 では、テスト結果だが、数値的には【表6】を参照していただくとしてテスト中の印象を述べておこう。
 まず、A7A266については、最高150MHzのFSB設定クロックで動作した。しかし、不思議なことにメモリテストで最もマッチングが良かろうと思われたCrucial Technology製のPC1600メモリでは、高くなるどころか動作する限界クロックが逆に下がってしまった。これについては筆者の知識で明確な説明ができない。それとVIA製PC2100の組み合わせでもFSB設定クロックを高くできなかった。とかくオーバークロックに「謎」は、つきものだが、また新たな経験を重ねる結果となった。次ぎにAD11だが、全てのメモリでFSB設定クロック150MHzが動作した。明らかに本来のスペックを上回る耐性が存在していると確信できたのだが、せっかく持ち合わせたオーバークロック耐性も、クロックジェネレータの仕様から、限界を調査できず誠に心残りな結果となっている。もしも、機会があるならクロックジェネレーター回路を改造して、どれだけ高い周波数で動作するのか調査したいところだ。最後にテストしたK7T266 Proでは、先のメモリテストで全くふるわなかったSamsung製のメモリを実装したモジュールが明らかに高いクロックで動作した。この時、改めてメモリのアクセス設定を厳しくし再度調査したのだが、やはり先のテスト結果と同じ耐性を示したので間違いはなさそうだ。それと、Crucial Technology製のPC2100は、K7T266 ProのBIOSリビジョンをアップデートしているため、第1回のお話で冒険的セッティングにチャレンジした時(BIOSはV1.0)のように159MHzまで届かなかった。ともかく、FSB設定クロック160MHzで動作した事実から、K7T266 Proのオーバークロック耐性は暫定的にトップとなった。

【表5】マザーボードセッテングリスト

マザーボード製品名 A7A266 AD11 K7T266 Pro
コア電圧 1.80V
DDR電圧 2.60V 2.65V 2.7V
CPU倍率 8.0倍
BIOSリビジョン 1005B3 ABA42 V1.0B12
CAS Latency 2.5
RAS to CAS Delay 3
RAS Precharge Time 3
Cycle Time(Tras、Trc) 7
Super Bypass Mode Enabled
SDRAM 1T Command Disabled
System Performance Fast
SDRAM MA/CMD Lead off timing Normal

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