タイプ練習ソフト『TypeQuick』が、2001年7月で発売から15年になる。開発元の豪Typequick社と日本での販売を行なう日本データパシフィック(株)は16日、都内で開催した発表会で、15周年を記念して3万人の高校教師に『TypeQuick』を無償で配布すると発表した。
(株)データポップ深山照代表取締役から花束を受け取るノエル・マッキントッシTypequick社長 |
『TypeQuick』の最初のバージョンが日本で発売されたのは1986年の7月。Typequick社長のノエル・マッキントッシュ(Noel MacIntosh)氏は、日本とオーストラリアでは文化が違うため、『TypeQuick』は日本では売れないと友人たちに忠告されたという。
ノエル・マッキントッシTypequick社長 |
日本データパシフィックによれば、現在のユーザー数は約100万人。マッキントッシュ氏は今回の無償配布が、さらなるタイプスキルの向上につながることを願うと話した。
吉田覚日本データパシフィック代表取締役 |
日本データパシフィック代表取締役の吉田覚氏は情報処理分野での初期教育の重要性を説き、生徒が早い段階でタイピングをマスターすれば、情報教育の効率が上昇すると語った。そして、そのためにはまず教師がタッチタイプの重要性、有効性について知る必要があるとし、全国の高校教員約27万名の1割強にあたる3万人に『TypeQuick』を無償配布するとした。2001年から2003年までの3年間、年間1万本ずつ配布する。
無償配布される『TypeQuick』“学校研修キット” |
配布する『TypeQuick』は“学校研修キット”で、個人向けパッケージ版が最大4人まで使用できるのに対し、1人しか使用できない。申し込みは、各高等学校の校長名で、1校あたり最大10名まで、日本データパシフィックのホームページなどで先着順に受け付ける。受付期間は、2001年は6月20日から7月10まで。2002年以降もほぼ同じ期間に受け付けるという。
発表会では、電気通信大学大学院教授の岡本敏雄氏による記念講演も行なわれた。岡本氏はタイピングのスキルとは単にそれだけのものではなく、コンピューターそのものを理解する第1歩だと話した。そして、コミュニケーション能力や自己表現能力などは、タイピングのスキルなしには身に付けることは困難であることを述べた。
岡本敏雄電気通信大学大学院教授 |
また、現在の情報教育の問題点として、必修授業ではないこと、施設や支援する人材の不足していることなどを挙げ、今後それらが克服されるように、国や地方自治体にさらなる努力を求めた。