シャープ(株)は17日、2001年夏モデルの主力製品として、ノートパソコン4機種7モデルを発表した。中でも注目は、最薄部16mmで重量1.31kgと薄型軽量で『超低電圧版Mobile Pentium III-500MHz』を搭載するB5サブノート『PC-MT1-H1』『PC-MT1-H1S』と、米トランスメタ社の低消費電力CPU『Crusoe TM5600-600MHz』を採用したミニノート『PC-SX1-H1』だ。
シャープがメビウスユーザーを対象に行なったアンケートでは、サイズ&重量とバッテリー駆動時間に改善を求める声が最も多かったという。それに応える製品として『PC-MT1-H1/H1S』がイチから設計された |
- 液晶パネルを支えるフレームをなくし、前後を挟む表示パネル(アルミ合金製)とトップカバー(マグネシウム合金製)に強度を保たせることで、薄型化を実現した液晶ディスプレー部
- マグネシウム製フレームをアルミ合金製キャビネットで挟み込むボックスラーメン構造の本体(キーボード側)
- 液晶ディスプレーを開くとキートップが自動的に持ち上がり、3mmのストロークを実現する“ポップアップキーボード”
などの新技術を採用し、本体サイズと重量を、幅282×奥行き232×高さ19.6mm、約1.31kgに軽量小型化したという。最薄部は16.6mm。
横から見ると、このように液晶ディスプレーを開いたときだけキートップが1mmほど浮き上がる。ヒンジに近い部分が最も厚いが、それでも2cmを切る |
さらに、CPUにインテルの超低電圧版(ULV)Pentium III-500MHzを採用することにより、標準バッテリーで3.3時間(バッテリー駆動時のCPUクロック300MHzで同社が計測)、5400mAhの大容量バッテリーに載せ換えれば最大約10時間の長時間バッテリー駆動が可能。
メモリー128MB(増設不可)、HDD 20GB、56kbpsモデムと10BASE-T/100BASE-TXのLAN機能を搭載。FDDと光ディスクドライブはオプションで、PCカードスロット(TypeII×1、CardBus対応)とCFカードスロット(TypeII×1)を内蔵する。CFカードスロットはメモリーカードだけでなくPHS通信カード『P-in Comp@ct』にも対応しており、プレインストールOSのWindows Me用のドライバーが標準搭載されている。
なお、H1Sはオフィスソフト『Office XP』をプレインストールしたアプリケーションモデルで、H1とハードウェアスペックは同一。価格はオープンプライスで、予想実売価格はPC-MT1-H1が20万円前後、H1Sが22万円前後。
PC-MT1-H1/H1Sと並行して設計された、もうひとつモバイルノート『PC-SX1-H1』。SDカードとスマートメディアの2スロットを持つミニノート |
PC-SX1-H1も、MT1と同じ開発チームの手によるもの。こちらは重量が1.43kgとMT1より増したもののサイズは幅251×奥行き205×高さ40mm(最薄部23.7mm)で、底面積は約22%小さく、液晶ディスプレーは10.4インチのXGAフルカラー(1677万色)対応を採用する。CPUにCrusoe TM5600-600MHzを採用し、バッテリー駆動時間は標準バッテリーで約5時間(バッテリー駆動時はCPUクロック300MHzで同社が測定)、アドオンバッテリーを追加することにより最大10時間の動作が可能になる。
メモリー128MB、HDD 20GBで、FDDとCD-ROMドライブはオプション。56kbpsモデムとLAN機能、PCカードスロット(TypeII、CardBus対応)を標準搭載するのはMT1と同様だが、CFカードスロットはなく、代わりにSDカードスロットとスマートメディアスロットを各1基搭載する。なお、PC-SX1-H1にはOffice XPプレインストールモデルは用意されない。価格はオープンプライス。予想実売価格は18万円前後。
製品名 | PC-MT1-H1/H1S | PC-SX1-H1 |
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CPU | Mobile Pentium III-500MHz(ULV) | Crusoe TM5600-600MHz |
メモリ(最大) | 128MB(128MB) | 128MB(256MB) |
液晶パネル | 12.1インチ低反射ブラックTFT | 10.4インチTFT |
解像度/色数 | 1024×768ドット/1677万色 | |
ビデオ | RAGE Mobility-M(4MB) | |
HDD | 20GB | |
ドライブ | オプション | |
OS | Windows Me | |
オフィスアプリケーション | Office XP(H1S) | Office XP |
発売時期 | 6月23日 | 6月30日 |
同時に発表されたA4ノート2製品4モデルは、従来モデルからのマイナーチェンジとなる。
今回発表されたA4ノートは、すべてOffice XPをプレインストール。また、インターネット検索や操作ナビゲーションをキーボードと音声入力で行なえる同社のマスコットキャラ的ソフト『リッキーくん』がV2.0にバージョンアップした。エンロールなしでも利用可能になるなど、使い勝手の向上が主な変更点だ。写真はコンボドライブ内蔵の『PC-MJ760C』 |
『PC-MJ760C/MJ750R/MR750M』は、FDDと光ディスクドライブを内蔵するオールインワンノート。いずれもチップセットにSiS630を採用、チップセット内蔵のビデオ機能を使用し、ノートタイプながらデスクトップ向けCPUを搭載している。
Pentium III-850MHz搭載の最上位モデルPC-760Cは、CD-RW&DVD(R8倍速/RW4倍速/DVD8倍速/CD24倍速)のコンボドライブを搭載。メモリー128MB(最大256MB)、HDD 20GB、56kbpsモデムとLAN機能、TypeII×2のPCカードスロット(CardBus対応)を内蔵する。
Celeron-733MHz搭載のPC-MJ750RとPC-MJ750Mはメモリー64MB搭載(最大192MB)で、MJ750RがCD-RWドライブ(R8倍速/RW4倍速/CD24倍速)、MJ750MがCD-ROMドライブ(24倍速)を内蔵する以外、スペックはMJ760Cと同一。ただし、本体重量はMJ760Cが約3.7kg、MJ750R/MJ750Mが約3.6kgとなっている。
価格はオープンプライス。予想実売価格はPC-MJ760Cが25万円前後、MJ750Rが20万円前後、MR750Mが18万円前後。
CD-RWドライブ内蔵で1400×1050ドット/1677万色のUXGA表示可能なA4スリムノート『PC-XJ820R』 |
『PC-XJ820R』は、CD-RWドライブ(R8倍速/RW4倍速/CD24倍速)を内蔵し、1400×1050ドット/フルカラー(1677万色)表示が可能な14.1インチワンダーピクス&低反射ブラックTFT液晶を搭載するスリムA4ノート。CPUにMobile Pentium III-800MHz、ビデオチップにRAGE Mobility-M1(ビデオメモリー8MB内蔵)を採用する。FDDはオプションで、メモリー128MB、HDD 20GB、56kbpsモデムとLAN機能を搭載。標準でCD-RWドライブを装着している拡張ベイは、本体の電源を切らなくとも脱着が可能なホットスワップ対応で、オプションの拡張バッテリーを内蔵すれば最大4.8時間(標準バッテリーでは2.8時間)のバッテリー駆動が可能となる。価格はオープンプライスで、予想実売価格は27万円前後。
なお、今日発表された全製品は“Windows XP有償アップグレードキャンペーン”の対象機種となり、Windows XP発売後に7000円でアップグレード可能になる。
製品名 | PC-MJ760C | PC-MJ750R | PC-MR750M | PC-XJ820R |
---|---|---|---|---|
CPU | PentiumIII-850MHz | Celeron-733MHz | Celeron-733MHz | Mobile PentiumIII-800MHz |
メモリ(最大) | 128MB(256MB) | 64MB(192MB) | 64MB(192MB) | 128MB(256MB) |
液晶パネル | 14.1インチ低反射ブラックTFT | 14.1インチワンダーピクス&低反射ブラックTFT | ||
解像度/色数 | 1024×768ドット/26万色 | 1400×1050ドット/1677万色 | ||
ビデオ | SiS630 | RAGE Mobility-M1 | ||
HDD | 20GB | |||
ドライブ | CD-RW&DVD | CD-RW | CD-ROM | CD-RW |
サイズ | 310(W)×265.4(D)×40.2~45(H)mm | 309(W)×252(D)×33.3(H)mm | ||
重量 | 約3.7kg | 約3.6kg | 約2.6kg | |
OS | Windows Me | |||
オフィスアプリ | Office XP | |||
発売時期 | 5月25日 | 6月23日 |