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ファイルメーカー、Mac OS X、Linux、Pocket PC、iモードに相次いで対応

2001年05月15日 21時50分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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ファイルメーカー(株)は15日、同社のビジネス戦略、および今後リリース予定の新製品に関する説明会を行なった。これは、米ファイルメーカー社が14日付(現地時間)で公開したデータベースソフト『FileMaker』の新ファミリー製品の発表に基づいて行なわれたもの。(以下、日本法人であるファイルメーカー(株)は“ファイルメーカー”、米ファイルメーカー社は“米ファイルメーカー”、製品名は“FileMaker”と記述する)

宮本社長
説明を行なったファイルメーカー代表取締役社長の宮本氏

新プラットフォームに対応、日本に特化したiモード対応製品も

米ファイルメーカーは、Mac OS X、Windows 2000、Linux(Red Hat版)、Pocket PC、iモードで動作するFileMakerの新ラインナップを発表した。これまで同社は、Windows、Macintoshで動作するFileMakerを提供、さらに1月22日付でPalm OSで利用できる『FileMaker Mobile』を発表していたが、今回さらに対応プラットフォームが増えることになる。

ファミリーの中核となる『FileMaker Pro 5.5』(英語版)は、米国で発表と同時に発売されたデータベースソフトの最新版。Mac OS Xのネイティブモードに対応すると共に、Windows 2000のロゴ認証(Windows 2000プラットフォームにおける基本機能、安定性に関する技術要件を満たしたアプリケーションにライセンスされるロゴ)を取得している。対応OSは、Mac OS X、Mac OS 8.1以降、Windows 95/98/Me/2000/NT4.0。価格は249ドル(約3万円)。

また米ファイルメーカーは、FileMakerの新ラインナップとして、リレーショナルデータベースサーバー『FileMaker Server 5.5』(英語版)、ウェブ向け機能を強化したデータベースソフト『FileMaker Pro 5.5 Unlimited』(英語版)、開発ツールキット『FileMaker Developer 5.5』(英語版)、Pocket PC向け『FileMaker Mobile for Pocket PC』(英語版)、iモード向け『FileMaker Mobile for i-mode』(日本語版)を順次リリースすることも明らかにした。

FileMaker Server 5.5は、Mac OS XおよびMac OS 8.1以降、Windows 2000/NT4.0のほか、Linux(Red Hat版)に対応する。米国で今夏発売される。なお、今回Linux対応が発表された製品は、このFileMaker Server 5.5のみとなっている。FileMaker Pro 5.5 Unlimitedも米国で今夏発売、FileMaker Developer 5.5は米国で今秋発売となる。また、FileMaker Mobile for Pocket PCは、米国で2002年上半期に発売される。

今回発表された製品ラインナップの中で唯一の日本語版であるFileMaker Mobile for i-modeは、日本市場向けの製品で、iモード対応携帯電話から、インターネット上に公開されたFileMakerのデータベースにアクセスし、データを検索して表示したり、編集したりできるというもの。日本で2001年年末までに発売するという。現在、日本以外での国での発売は予定されておらず、ニーズの高まりに応じて発売を検討するとしている。

これらの新製品の価格は後日発表される。また、FileMaker Pro 5.5、FileMaker Server 5.5、FileMaker Pro 5.5 Unlimited、FileMaker Developer 5.5、FileMaker Mobile for PocketPCの日本語版については、ファイルメーカーが後日詳細を発表するとしている。

さらに、企業のIT部門でFileMakerと『Citrix MetaFrame』や『Windows Terminal Service』とを組み合わせて利用するユーザーが増えているため、FileMaker Pro 5.5を『Citrix MetaFrame 1.8 for Windows 2000 Servers』および『Windows 2000 Terminal Services』と共に利用するためのアップデート版、関連ドキュメントを今夏提供するという。

ワークグループ市場を重要視

説明を行なったファイルメーカー代表取締役社長兼米ファイルメーカー副社長の宮本高誠氏は、「昨年までファイルメーカーはWindows、Macintosh、インターネットの3分野に対応したソフトだけだった。今年3月にPalm OS用のMobileをリリースし、Macintosh、Windows、Palmの間でのデータ統合を実現できた。これによりファイルメーカーは、PCソフトウェアメーカーから、PCソフトとモバイル情報端末ツールと両方を扱うメーカーへと変貌した」

「個人ユーザー市場は、従来よりターゲットとしてきた市場であり、今後も重要な市場であり続けるだろう。エンタープライズ市場は直接的なターゲット市場ではないが、基幹システムとFileMaker間でのデータ連携を通じ、ユーザーのニーズに応えていく。今後プライオリティーを高めていくのがワークグループ市場だ。そのためインターネット機能を強化し、他製品との連携もサポート、さらにさまざまなプラットフォームに対応させるべく製品開発を進める」と語った。

なおファイルメーカーは、“FileMaker Solution”として、現行のFileMaker Proのデータベースをiモードで利用できるツールを、同社ウェブサイトで無償ダウンロード提供している。このiモード用ツールは、2月20日の懇親会で初めて披露されたものだ。これがそのままFileMaker Mobile for i-modeとなるわけではないが、iモードでのFileMakerの操作イメージを体験できるようになっている。

iモードデモ1説明会で行なわれたiモード用FileMaker Solutionのデモ。インターネット上で公開されている社員の名簿データベースを、iモードから部署、支店を選択して検索できる
iモードデモ2
検索結果の表示画面。宮本氏は「これがFileMaker Mobile for i-modeというわけではないが、イメージはこのようなもの」とコメント

宮本氏は、「米国の会社が日本市場のみターゲットとした製品の開発販売を決めたのは異例なことかもしれない。われわれが米本社を説得する際、現行製品を利用して役立つアプリケーションをiモードで作成し、それを一般ユーザーに配布するという手法を取った。これが好評となり、結果的に製品化につながったことは喜ばしい」としている。

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