このページの本文へ

iPlanet、事業戦略説明会を開催――一部製品価格の改訂も

2001年05月14日 20時54分更新

文● 編集部 佐々木千之

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

iPlanet E-コマース・ソリューションズ ジャパン(※1) は14日、都内で報道関係者を集めて事業戦略説明会を開催した。米iPlanetのiPlanet Products部門シニアバスプレジデントのスチュアート・ウェルズ(Stuart Wells)氏らが、同社のE-コマース製品戦略について説明した。

※1 米サン・マイクロシステムズ社と米アメリカ・オンライン(AOL)社が結成したバーチャルコーポレーション。2000年3月に“Sun|Netscape Alliance”から“iPlanet E-Commerce Solutions”に名称変更した。AOLの一事業部門であるNetscpape Enterprise Groupと、サン・マイクロシステムズのソフトウェア部門の社員らによって構成されている。

スチュアート・ウェルズ氏
iPlanet Products部門シニアバスプレジデントのスチュアート・ウェルズ氏

ウェルズ氏は「米国の景気後退が米国企業はもちろん、そのほかの地域の企業にも影響を与えているが、企業のIT投資を控えるべきでなく、いまこそ商取引に関わるコスト抑制と収入の増大のためにIT投資を積極的に行なうべきだ」とした。例えばコスト抑制では請求書による支払いを紙ベースのものからIBPP(Internet Bill Presentment and Payment:ウェブベースの請求書提示と支払い)にしただけで、請求書コストを3分の2に減らすことが可能で、収入の増大では顧客に質の高い取り引きを提供することで売り上げが伸ばせるとしている。

こうしたE-コマースアプリケーションプラットフォームに要求されているポイントとしては、XMLやJ2EE(Java 2 Enterprise Edition)などの確立された標準を使うことによる、システムの変更や拡張の容易性、コンポーネントの再利用のしやすさ、既存システムと統合する際のコストの低さなどがあるという。

Smart Webサービス”の要素
iPlanetが提示した次世代ウェブサービス“Smart Webサービス”の要素(末次氏が示したもの)

ウェルズ氏は、iPlanetが提供する“iPlanet コマースプラットフォーム”製品群は、ディレクトリサービスなどのユーザー管理サービス、ウェブサーバーなどのアプリケーションサービス、メールやカレンダーなどのコミュニケーションサービス、パーソナライズ可能なポータルサービス、マーケットプレイスなどのコマースサービスという、すべてのコマースプラットフォームの統合が可能で、顧客の要望に答えられるものだとした。特にコマースサービスにおいて、IBPPまでも統合しているコマースプラットフォームは、現時点ではiPlanet コマースプラットフォームのみだという。そしてiPlanetの製品群は拡張性、信頼性を持ち、100%インターネットのためにデザインされた、次世代のプラットフォームであると締めくくった。

末次朝彦氏
iPlanet E-コマースソリューションズ ジャパン代表の末次朝彦氏

ウェルズ氏に続いて、iPlanet E-コマース・ソリューションズ ジャパン代表の末次朝彦氏が、日本での展開について説明した。製品価格体系を一新して従来よりも低価格なものにし、製品ラインを拡充、基幹システムとの連携製品を提供するという。これについては本日(14日)付けで、これまで販売してきたアプリケーションサーバーソフト『iPlanet Application Server 6.0』の名称を、『iPlanet Application Server 6.0 Enterprise Edition』と変え、“Entry License”(プロセッサーあたり90万円)“Base License”(同190万円)“Cluster License”(同290万円)という、3つのライセンス形態(※2)に変更した。このほか、米IBM社のメインフレームのオンラインシステムやドイツのSAP社のSAP R/3など企業の基幹系システムと連携して、iPlanetのアプリケーションサーバー上のJ2EEソフトを開発するための『iPlanet Application Server Enterprise Connector』(開発ライセンス120~220万円、実行ライセンス220~440万円)を発表している。

※2 Entry License:サーブレットやJava Server PagesなどJ2EEの主要機能が利用可能

Base License:Entry Licensに加えてEnterprise JavaBeans、Remote Method Invocation、分散トランザクション機能などJ2EEのフル機能が利用可能

Cluster License:さらに負荷分散機能、フェールオーバー機能が利用可能

今後の製品ロードマップ
同社の今後の製品ロードマップ

またこれまで公開していなかった、iPlanetのアプリケーションサーバー製品の国内における導入事例として、(株)NTTデータの女性向けサイト“まちこ”、セコム情報システム(株)の位置情報提供サービス“ココセコム”、(株)東芝の“駅前探検倶楽部”などを挙げた。

同社はJ2EEやXMLなどオープンスタンダード技術を使うことによる、システム開発の容易さ、コストの低さと、これからの企業システムに必要というIBPPまでを含めた統合システムの構築が可能という点を武器に一層の採用拡大と合わせて、“iPlanet E-コマースソリューションズ”の知名度向上を目指す考えだ。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン