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コダック、製品展示会を開催、新デジタルフォトサービスも発表

2001年04月26日 19時19分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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コダック(株)は26日、同社の新製品/サービスを展示/紹介する“Kodak e-Revolution 2001”を都内ホテルで開催、またその会場内で同社は新デジタルフォトサービスについて発表した。

ウェブサイトを利用したコンシューマー向けの新サービスを今夏開始

今回発表された新デジタルフォトサービスは、写真専門店を対象に展開するコダックの総合デジタルサービス“PhotoClick@Retail”に基づくもので、実店舗による“RealShopソリューション”と、オンライン上の店舗による“WebShopソリューション”の2種類が用意されている。

RealShopソリューションは、コダックの簡易デジタルフォトシステム『コダック ピクチャーメーカー GC』およびノーリツ鋼機のフルデジタルミニラボ機『QSS2711DLS』を店舗に導入することで、既存店舗でデジタルデータの印刷やCD作成といったフォトデジタルサービスが行なえるようにするというもの。

コダック ピクチャーメーカー GC
簡易デジタルフォトシステム『コダック ピクチャーメーカー GC』。専用ソフトを含むPC本体やスキャナー、プリンター、CD-RWドライブ、デジタルカメラなどで構成される

ピクチャーメーカー GCは、専用ソフトを含むPC本体、PCカードリーダー、フラットベッドスキャナー、フィルムスキャナー、サーマルプリンター、CD-RWドライブ、ダイヤルアップルーター、デジタルカメラといった機器で構成され、デジタル証明写真サービスやピクチャーCD作成サービス、デジタルプリントサービス、ポストカードやカレンダー、シールなどの各種プリントサービス、銀塩デジタルプリントサービスなどを既存店舗で展開できるようになる。導入価格は、提供するサービスによってシステム構成機器が異なるため個別見積となるが、すべての機器を揃えると100万程度になるという。

Webソリューションは、コダックがインターネット上でのデジタルフォトサービス提供に必要なサーバーやソフトウェアを写真専門店にレンタル提供するもの。これにより写真専門店は自店のオリジナルサイト“WebShop”を開設でき、デジタルプリントサービスやオリジナルフォトグッズ作成サービス、ポストカードプリントサービス、アルバムサービスなどの各種デジタルフォトサービスを提供することが可能。

サイトデザインはスタイルシートなどによるカスタマイズが可能で、サービス価格やキャンペーン告知、チェーン店リストなど店舗ごとに独自の内容を掲載できる。また、QSS2711DLSを設置している店舗では、エンドユーザーからのプリント注文データを店舗で出力することが可能。また、顧客データベースが写真専門店ごとに用意されるため、年賀状宛名印刷サービスや、店舗独自のポイント制サービス、店舗会員ユーザー専門メニューサービスなどを提供できる。

さらにコダックは、サイト上での画像保管サービスも今秋開始する予定で、このサービスにより写真専門店は自店サイト上で写真コミュニティを形成でき、エンドユーザーはサイト上で写真を公開したり、知人と写真を共有したりできる。また、写真専門店がフィルムから画像データをサーバーに保管することも可能。

コダックはSIパートナーと協力し、今後Webソリューション提供のための新会社を設立、新会社はWebソリューションの会員となる写真専門店を募るという。Webソリューションを希望する写真専門店は、入会金と月額基本利用料を支払うことで、独自のWebShopを開設できるようになる。入会金は15万円から、月額基本利用料は1万円からで、店舗数によって異なる。

コダックは今夏にこれらのサービス提供を開始するとしており、新会社も同時期に設立するべく準備中という。

コダック代表取締役社長の堀義和氏は、「情報がイメージと一緒になることで人と人とのコミュニケーションが簡単にできるようになった。イメージがあると情報に厚みが出てくる。イーストマンコダック社は“Infoimaging”(イメージと情報の融合を表わす造語)戦略を打ち出している。このInfoimaging市場は、インフラ、デバイス、サービス&メディアの3市場が合わさったものだが、これらのすべての市場に対し製品/サービスを持っているのはコダックだけだ。特にコンシューマー向けデジタルフォトサービスは今後急拡大が予想されるため、それに対する新サービスを今夏に提供する」と説明した。目標店舗数は、今後3年間で5000店舗をカバーしたいとしている。

堀社長と大葉専務
代表取締役社長の堀義和氏(左)と専務取締役の大葉二良氏(右)

またコダックは、取引先との製品受発注をインターネット経由で行なう『Web-EDI』を今秋に導入することも明らかにした。Web-EDIはコダックの基幹システムと連動しており、ウェブサイト画面で発注内容を入力するだけで、発注から出荷までの処理を自動的に行なえるシステムで、24時間365日受付可能となっている。コダックは今秋導入に向けて、取引先によるWeb-EDIの利用を積極的に図るとしている。

展示会場にはデジタルカメラから有機ELディスプレーまで並ぶ

Kodak e-Revolution 2001の展示会場では、デジタルフォトサービス用の製品を始め、さまざまなコダック製品/サービスが出展されている。

フルデジタルミニラボ機
フルデジタルミニラボ機『QSS2711DLS』
2.4型と5.5型の有機ELディスプレー
コダックと三洋電機の共同開発による有機ELディスプレーの試作機。写真左側がアクティブマトリックス型フルカラータイプの5.5型、右側が同2.4型。暫定仕様は、5.5型が対角14cm、水平ドット数320ドット、垂直ドット数240ドット、水平ドットピッチが0.116mm、垂直ドットピッチ0.348mm、輝度が200cd/m2、有効表示サイズが111.4×83.5mm。2.4型が対角6.1cm、水平ドット数852ドット、垂直ドット数222ドット、水平ドットピッチが0.057mm、垂直ドットピッチ0.165mm、輝度が200cd/m2、有効表示サイズが48.6×36.6mm
1.3型有機ELディスプレー
こちらはパッシブマトリックス型エリアカラータイプの1.3型。暫定仕様は、対角3.4cm、水平ドット数120ドット、垂直ドット数60ドット、水平ドットピッチが0.192mm、垂直ドットピッチ0.416mm、有効表示サイズが23×25mm。駆動方式は連続ラインスキャン方式で、色の種類は赤/緑/青/黄/白
カメラドック
参考出展の『カメラドック』。ドックとPCをケーブルで接続し、ドックにデジタルカメラを差し込むと、デジタルカメラで撮影した画像が自動的にPC画面上に表示される。既存のドックとの違いは、PC画面上に表示するだけでなく、自動でPCのHDD内に画像をコピーできる点だ
ドックと画面
ドック経由で撮影した画像を自動的にPCに取り込める
ピクチャーフレーム
同じく参考出展の『スマートピクチャーフレーム』。撮影した画像を収録したコンパクトフラッシュを本体側面のスロットに差し込むと、撮影画像のスライドショーが楽しめる。また本体にモデムを内蔵しており、電話回線経由で専用のプリントオーダーサイトにコンパクトフラッシュの画像を送信し、プリント出力サービスを受けられるほか、知人の持つスマートピクチャーフレーム宛に画像を直接送信したりすることも可能という
ピクチャーフレームメニュー
メニュー画面。本体上部にあるボタンでメニューを選択できる
MC3
参考出展のデジタルカメラ『MC3』。CMOSイメージセンサーを搭載しており、静止画のほかQuickTime動画も撮影可能、MP3データも再生できる。。32MBのコンパクトフラッシュ使用時で、動画は10分、静止画は300枚撮影可能、MP3データ再生は43分まで行なえる
携帯電話サービス
今秋開始予定の画像保管サービスでは、iモードなどの携帯電話に画像をメール転送できる機能も提供するという。これによりデジタルカメラで撮影した画像を、待ち受け画面や画面メモとして利用することが可能

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