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HANGSIM ~遥かなる蒼穹の彼方へ~

HANGSIM ~遥かなる蒼穹の彼方へ~

2001年04月10日 16時12分更新

文● 行正

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HANGSIM ~遥かなる蒼穹の彼方へ~

(株)サクセス

5800円

HANGSIM(ハングシム)は、ハンググライダーやパラグライダーなどの無動力機を飛ばすことができるフライトシミュレーションだ。コクピットに収まってエンジン推力でバリバリと飛ぶというよりも、ゆったりと空で遊ぶ感覚が味わえる。

のんびりと大空を散歩したい

パラグライダーで大空を散歩。自由視点で景色を眺めるのが気持ちいい。
 HANGSIMは、Microsoft Flight Simulator(MSFS)用シーナリーで有名なベルギーのWilco社の製品を日本語化した製品だ。そのためか、操作性やフライト感覚はMSFSや「Microsoft Combat Flight Simulator」(MS-CFS)と似通っており、MS-FSやMS-CFSをプレイしたことのある人ならばすぐにでも飛行することができるだろう。さらに、HANGSIMで飛ばせる機体はグライダーやハンググライダー、パラグライダーという無動力機が中心であり、操作といっても驚くほど少なく(ラダーのない機体も多い)、操作は非常にシンプルだ。



ウルトラライトプレーンはちゃんとラダーもあるし、普通の飛行機っぽい。とはいえ急旋回をするとすぐにきりもみに入るので要注意。

 いわゆる普通の飛行機と違って、むきだしの体で空を散歩する感覚(グライダーは密閉式だが)と、上昇気流を捕まえて高度を獲得し、滑空して上昇気流をまた捕まえに行くという"空の散歩感覚"を味わえる。とくに、昨今のフライトシムには当然のように備わっているフリーアングルの視点もあるので、パラグライダーを飛行中に下を見れば、身体ひとつで空に浮かんでいるという実感が得られるはずだ。
 なかには、きりもみなどの高度なマニューバも可能なアクロバティック用ハンググライダーも用意されているが、多くの機体は旋回や上昇/下降の動作はいずれもセンシティブで、ゆっくりと行わなくてはならない。



プロペラとエンジンを背負ったパラグライダーで離陸。もちろん一生懸命走ってます。

 動力機も用意されているが、ウルトラライトプレーンのほか、エンジンとプロペラを背負ったモーターパラグライダーと、小型のプロペラを装備したハンググライダーを選択できる程度。上昇気流なしでの空で遊ぶのにはちょうどいいが、普通の飛行機のようにぐんぐんと高度を上げたりはできないので要注意。
 なお、高度計をはじめとした計器類は画面の上下に表示されるメーターのほか、画面中央部に投影表示されるHUDも選択できる(ヘルメット内蔵なのか?)も利用できる。また、飛行中はハング/パラグライダーで実際に多用されるバリオメーター(高度計)がピッピッという音を鳴らしており、ちょっと慣れればこの音のテンポだけで自分の機体の上昇/下降率は判断できるようになるだろう。



ロケット弾で敵機を攻撃。ちなみにこのロケット、どこに装着しているのかは外部視点で見てもわかりません。セール(翼)が焦げなけりゃいいんだが。

 ゲーム内容としては、フライトシムにはおなじみの「フリーフライト」(機体と飛行区域を選択して自由行動)や、空中に浮いているマーカーを拾いつつ一定の飛行を行う「チャレンジ」、さらにライバル機が登場する「コンペティション」があり、とくに上昇気流を捕まえないと次に進めない滑空機でのプレイはなかなか難しい。また、「ファンフライト」というゲームも用意されており、これはロケット弾(!)装備のウルトラライトプレーンとハンググライダーを使い、敵機(こちらも当然ハンググライダーなど)を撃ち落していくというもの。映画にでもありそうなシチュエーションだが、それなりに爽快に楽しめる。



市街地や郊外、休火山が並ぶ山地などフライトエリアはバリエーション豊か。フリーフライトでは自由に選択できる。

 フライトエリアのほうは、市街地や郊外のほか、峡谷や海沿いの丘といった上昇気流が発生しそうなエリアが用意され、グラフィックはゆったりと景色を見ながら飛行できるように丁寧に作り込まれている。とくに低い高度を飛ぶことが多いため、地面がテクスチャを貼っただけということがわかりやすく、オブジェクト(建物)も少ないのが少々物足りなく感じるものの、丘陵地や峡谷の起伏はかなり複雑に作られており、プレイしてすぐに飽きることはないだろう。シーナリーメーカー製作だけあって雲や視界、気象条件の変化に関してもで細かく設定できるのも面白い。



夕日の海岸をハンググライダーで滑空する。海風による気流を捕まえれば高度を稼げるだろう。

 HANGSIMは、たまにはのんびりと大空の散歩で息抜きをしたいという人には最適だろう。もちろん難易度(3段階)を難しくすれば、機体滑空比がよりリアルになるため、気流をちゃんと確保しないとなかなか十分な航続距離を稼げないのだが、それでも戦闘機や旅客機のパイロットに比べれば、スポーツレジャーとして飛んで、楽しめる。
 フライトシムの初心者も、機銃やミサイルやフライトスケジュールにとの戦いに疲れたゲーマーも、ゆったりとした空の散歩を楽しんでしてみてはいかがだろうか。


開発元 Wilco
発売元 (株)サクセス
対応OS Windows 95/98/Me
CPU Pentium-200MHz以上
メモリ 32MB以上
ビデオ 640×480ドット以上(Direct3D対応)
HDD 190MB以上
CD-ROM 2倍速以上
マルチプレイ なし

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