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日本HP、VoIPゲートキーパーミドルウェア『hp opencall multiservice controller 1.2』を発表

2001年04月09日 18時04分更新

文● 編集部 中西祥智

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日本ヒューレット・パッカード(株)は9日、公衆電話網と“VoIP(Voice over IP)”ネットワークを統合するミドルウェア『hp opencall multiservice controller (OCMC:オープンコール・マルチサービス・コントローラ)1.2』の出荷を6月1日に開始すると発表し、VoIP市場に本格的に参入する。受注は同日より行なう。

『OCMC』は、既存の公衆電話回線網とVoIPネットワーク間の相互接続を行なうゲートキーパーミドルウェア。『OCMC』は3つのコンポーネントで構成される。

サービス実行環境(SEP)
音声・データ通信用の各種サービス(たとえば、0120フリーダイヤルを通常の電話番号に変換する機能など)を実行するための環境
サービスの開発と検証(SCE)
音声・データ通信用の各種サービスを開発・検証するための環境
集中データ管理(SMP)
複数の実行環境で実行される各種サービスや、サービスで必要となる加入者データを集中的に管理

サポートする規格は、“H.323バージョン2”、“TCAP over IP”と“SS7”。同社のサーバー『hp 9000』シリーズ上で動作し、対応OSはHP-UX 11となっている。価格は『OCMC』実行環境(SEP)ライセンスと『hp 9000』サーバー、1年間サポートの最小構成で900万円。

日本HPはこれまでも、日本電気(株)などにOEM供給する形でVoIP市場に関与してきた。今回、あらためて本格参入を表明するのは、まず製品を市場に投入し、その動向を見極めた上で広報活動を開始する、日本HPのビジネス展開方法によるものだという。また、同社では早期にVoIPが広く普及すると予測しており、早い時期に本格的に参入して、市場での優位性を確保したいとしている。

9日に行なわれた記者説明会で、同社オープンコール・リージョナル・センタ センタ長の下村通氏は「『OCMC』でVoIPを実現することで、企業の内線電話網とデータ通信網をIP上で統合できる。当面はSP(Service Provider)や、内線電話網を安価に構築したい中小企業などをターゲットにした販売活動を行なう。そして、大企業のネットワーク構築にも進出し、近い将来フルVoIPが実現されたときには、VoIP市場においてある程度のポジションを目指す」と、今後の戦略を示した。

日本HP オープンコール・リージョナル・センタ 下村通センタ長日本HP オープンコール・リージョナル・センタ 下村通センタ長

競合他社との差別化については、下村氏は「VoIPに関するコンポーネントやサービスを個別にあつかう企業は多いが、トータルなパッケージとして提供できるのは私たちだけ」だとしている。また、「『OCMC』自体と、それを活用したソリューション全体で収益を得る。サーバー製品を購入していただくための手段として、これらのサービスを提供するのではない」とし、いわゆる“箱もの”販売に依存した収益体質ではないことを語った。同社では、販売開始後1年間の目標販売金額として、システム全体で約100億円を見込んでいる。

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