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ジェイデビット全国展開1周年、2001年度は取引額目標3000億円

2001年04月02日 16時41分更新

文● 編集部 佐々木千之

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日本デビットカード推進協議会(※1)は2日、キャッシュカードを使ってキャッシュレスで買い物のできる“ジェイデビット(J-Debit)”サービスの全国展開から1周年を記念し、神奈川県横浜のランドマークプラザでテープカットセレモニーなどを開催した。イメージキャラクターのヒロコ・グレースさんらが出席した。

※1 郵政省(現総務省郵政事業庁)、民間金融機関、流通企業などにより、日本におけるデビットカードの普及促進を図る目的で'98年に設立された業界団体。東京都千代田区に本部を置く。会長は西武百貨店社長の堀内幸夫氏。2001年2月末時点での協議会登録企業は、金融機関2495機関、加盟店1354社。

テープカットはデビットカード推進協議会の代表らが行なった
テープカットはデビットカード推進協議会の代表らが行なった。右端が協議会事務局長の二ノ宮尊徳氏

デビットカード推進協議会の二ノ宮尊徳事務局長によると、ジェイデビットサービスは'98年9月に一部の地域の加盟店と金融機関でサービス開始後、2000年3月に全国で本格的サービスを開始した。2000年4月に約25万3000件、約124億円であった取り引き実績は、2001年2月には約38万6000件、約170億円にと順調に増加。2001年3月期は約45万件、約200億円、4月期には約55万件、約250億円も期待できるとしている。

この4月2日からは、新たなサービス提供金融機関として岐阜銀行、奈良銀行、水戸信用金庫、ジャパンネット銀行、岩手県、山梨県、山口県、熊本県の農業協同組合、また加盟店として、記念イベントの行なわれたランドマークプラザなどのショッピングセンターや小売業、医療機関など218社が加わった。サービス提供地域も、大都市圏だけでなく地方商店街にも広がりを見せている。サービス時間帯も、これまでのタクシーに加えて深夜営業を行なう居酒屋チェーンが取り扱うようになったことで、利用が広がっているという。なお今回の金融機関増加により、デビットカードとして利用可能なキャッシュカードは3億4300万枚(※2)に達したという。

※2 日本デビットカード推進協議会によると、国内の発行済みキャッシュカードの総数は3億7000万枚。

今後も利用の一層の増加を目指して、広告宣伝活動を通じてプロモーション展開を行なうという。また、現在までにデビットカードの不正利用は1件も報告されていないとしながらも、キャッシュカードのICカード化などを含め、利用者が安心して利用できるようさらなる強化策を実施したいという。2001年度の目標として、昨年の取り引き実績である322万件、1472億円の倍増となる700万件、3000億円を掲げた。

デビットカードのデモの様子
ランドマークプラザの“ダ トラサルディ”で行なわれたデビットカードのデモ

テープカットセレモニー後には、今日からデビットカードの取り扱いを開始したランドマークプラザの店舗で、ヒロコ・グレースさんが商品をデビットカードで購入するというデモンストレーションが行なわれた。

2回行なわれたデモはあっという間に終了した
デビットカードの認証はサインではなく暗証番号で行なわれることもあり、2回行なわれたデモはあっという間に終了した

現金の持ち合わせがなくとも買い物ができ、クレジットカードと違ってその場で決済が終了、また年会費も不要という便利さから、デビットカードの利用は着実に広がっている。ただ、参加金融機関のキャッシュカードならば申し込みなどがなくとも自動的に利用可能となるため、実際に利用可能なカードを持っていながら知らない人も多いはずだ。利用が広がればそれだけ不正利用など犯罪のターゲットになる可能性も高まる。実際、不正利用には至らず一般利用者の被害はなかったが、カード端末に対する不正工作が数件発生しているという。便利なサービスだけに、セキュリティー犯罪の高度化に対応したより一層のセキュリティー強化が望まれる。

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