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【スクープ!!】Crusoeの後継CPU「Friday」

2001年04月01日 18時27分更新

文● 編集部

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2000年1月20日に米トランスメタ社のx86互換CPU「Crusoe」が発表されてから、約1年と2カ月が経過した。その間さまざまなCrusoe搭載マシンが登場し、ノートパソコン用省電力CPUの地位を確立したことはご存じの通りだ。

そして、このCrusoeに次期バージョンが登場するという情報が流れている。米トランスメタ社は、Crusoe登場の際にも徹底した情報秘匿によるマーケティング戦略を展開しており、今回も同様の手法を用いるようだ。

現在判明しているCrusoe後継CPUの名は「Friday」。Crusoeはx86互換のCPUだったが、Fridayはx86やPowerPCをはじめ、Strong ARM、SH-4、DragonBallといった組み込み系CPU互換の製品が出荷される。

Crusoeは、x86の命令セットをCrusoe固有のVLIW(Very Long Instruction Word)に変換するソフトウェア機構「Code Morphing」によって、x86互換CPUとして動作する。従来のCPUではこうした変換をハードウェアが行なっていたが、これをソフトウェアにしたためにCPUの構造を簡素化でき、省電力化が実現できたわけだ。

今回のFridayでは、このCodeMorphingが、上記した組み込み系CPUにも対応。もともとソフトウェアであるCodeMorphingなので、Crusoeのハードウェアに変更を加えなくとも、比較的簡単に対応が可能だったようだ(Fridayの、ハードウェア面での変更については現在未確認)。

実は、Crusoe登場当時から、「CodeMorphingソフトウェアを書き換えれば、他のCPUへの対応も可能ではないか?」という意見はあった。これに対しトランスメタでは、x86CPU以外への対応は考えていないとの返答を行なっている。Crusoeのマーケティングセグメントは、膨大な資産を背景としたx86市場ということだったのだ。

ただ、同社は今年3月に入ってから、Crusoeと同時発表されて話題を集めていた組み込み用Linux「Midori Linux(開発名はMobile Linux)」をリリースしており、組み込み系へのアプローチが本格化してきたのもまた事実である。Crusoe発表当時、Crusoeアプライアンスはあくまでもx86ベースのソフトウェアを対象としていたのだが、Windows CEやPalmOSなど、国内でも過熱気味のPDA市場への参入があったとしても、特に不思議ではないだろう。


本記事公開直前、Fridayについての最新情報がもたらされたのでお伝えしたい。記事中では「Fridayの、ハードウェア面での変更については現在未確認」とお伝えしたが、どうやらCrusoeのLong Run機能にも変更が加わったようだ。Long Runは、アプリケーションの必要とするCPUパワーを検知し、自動的にCPUのクロック数を調整することで省電力化を図る機能だが、Fridayには「Short Run」機能も搭載されるという。

これは、Long Runと同じく電力に関係する機能だが、Long Runよりもはるかに画期的な機能だ。いくらLong Runを使っていても、バッテリの電源はいつかは切れてしまう。その際に役立つのがShort Runだ。Short Runは手動発電器の電力を蓄電、緊急事に電力供給を行なう。たとえばトラックボール搭載のノートPCの場合、そのトラックボール機構に発電器を組み合わせて使用する。現在のところ、ソニーのジョグダイヤルがShort Runに対応するとの噂もささやかれている。もっとも、こうした発電ではノートPCの電力を供給するのは困難であるため、Short Runの使用にあたっては、対応スペック一覧に「使用者:体力のある人」という一文を挿入することが義務づけられるそうだ。

本日は4月1日。

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