このページの本文へ

シスコ、光伝送に対応したIPネットワーク戦略と製品を発表

2001年03月26日 23時19分更新

文● 編集部 今井睦俊

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

シスコシステムズ(株)は17日、都内で記者発表会を開催し、ブロードバンド時代の次世代ネットワークソリューションとして、“IP+オプティカルネットワーキング戦略”を発表した。併せて、ブロードバンドサービスの基盤技術となる“UCP(Unified Control Plane)”に対応したコアバックボーン向けの新モデル『Cisco 12400シリーズ』と、メトロネットワーク向けのソリューション製品である『Cisco ONS 1500シリーズ』/『Cisco 7600 OSR』を発表した。

記者発表会には、米シスコシステムズ社からIP POPシステムズビジネスユニットのトニー・ベイツ(Tony Bates)副社長兼ゼネラルマネージャーと、エッジマーケティングのマシュー・ラーティー(Matthew Laherty)プロダクトマネージャーが、シスコシステムズからサービスプロバイダー営業統括本部SPマーケティング本部の木下剛本部長が出席した。

米シスコシステムズのIP POPシステムズビジネスユニットのトニー・ベイツ副社長
“IP+オプティカルネットワーキング戦略”について説明した米シスコシステムズのIP POPシステムズビジネスユニットのトニー・ベイツ副社長

今回発表された同社の“IP+オプティカルネットワーキング戦略”は、通信事業者に対してIPサービスに最適化された次世代ネットワークソリューションを提供するというもの。このソリューションの核となるフレームワークは、拡張性を持った“コアバックボーン”、キャッシング/ロードバランシング/ビデオ配信/ASPなどを提供する“サービスPoP”、ユーザーからのアクセスラインを集約する“メトロアクセスソリューション”の3つで構成される。同フレームワークにより、従来、複数のレイヤーに分離されていた光通信ネットワークとIPネットワークを統合でき、多様なサービスを提供する光通信ベースのIPネットワークインフラを構築できるという。

木下剛SPマーケティング本部長
DWDM技術を導入した光伝送システムなどについて説明した木下剛SPマーケティング本部長
IPバックボーンルーター『Cisco 12000シリーズ』

『Cisco 12000シリーズ』は、DWDM(波長分割多重化)技術を導入した光伝送システム用のIPバックボーンルーター。同製品は、光通信技術を用いたコアネットワークと、ユーザーからのアクセスラインとなるメトロネットワークの間をつなぐ通信用機器で、DWDM方式の光通信ネットワークとIPネットワークを統合する標準プロトコル“UCP(Unified Control Plane)”に対応。このため、OC-48(2.5Gbps)/OC-192(10Gbps)の光伝送路に、光波長ベースで帯域パスを設定し、IPパケットを伝送できるという。また、光波長ベースの仮想プライベートネットワーク(OVPN)や、音声/ビデオなどをリアルタイムで伝送するコンテンツデリバリーネットワーキング(CDN)なども提供可能としている。同製品には、スイッチング総容量320Gbpsの『Cisco 12416』と、同200Gbpsの『同12410』の2つのモデルがある。筐体は、同12416が16スロット構成のフルラック(幅43.8×奥行き55.9×高さ181.6cm)で、同12410が10スロット構成のハーフラック(幅48.26×奥行き55.9×高さ95.25cm)。両モデルとも、1スロット当たり20Gbps(10Gbpsの全2重)のスループットを持つ。各スロットは、10GbpsのOC-192の通信ユニットや、2.5Gbps/4ポートのOC-48の通信ユニットに加え、GbitEthernetの通信ユニットにも対応。両モデルとも、4月1日に販売を開始する。

米シスコシステムズのエッジマーケティングのマシュー・ラーティープロダクトマネージャー
メトロネットワーク向けの伝送装置などについて説明した米シスコシステムズのエッジマーケティングのマシュー・ラーティープロダクトマネージャー
『Cisco ONS 15327』
『Cisco ONS 15327』
『Cisco ONS 15454』
『Cisco ONS 15454』
『Cisco ONS 15216』
『Cisco ONS 15216』

『Cisco ONS 1500シリーズ』と『Cisco 7600 OSR』は、ユーザーからのアクセスラインを収容するメトロネットワーク向けの伝送装置で、既存の時分割多重(TDM)サービスやEthernetサービスのほか、光伝送サービスにも対応する。同1500シリーズは、メトロネットワークのエッジ部分(ユーザーからのアクセスの入り口部分)を担当する『ONS ONS 15327』と、OC-12/48ベースで同15327と接続してOC-48/192ベースでメトロネットワークを構築できる『Cisco ONS 15454』の2製品で構成される。両製品とも、ユーザー側に設置されるPBX/ルーターなどと接続し、音声/ビデオ/データなどの伝送サービスを集約して、SONET(Synchronous Optical Network)/SDH(Synchronous Digital Hierarchy)ベースのネットワークに統合できるという。さらに、18~34波の波長分割多重サービス(DWDM機能)を提供する通信ユニット『Cisco ONS 15216』を収容することで、メトロネットワーク用のDWDM方式の光伝送システムを構築できるという。そのほか、Cisco 7600 OSRは、光伝送に対応したメトロネットワーク用ルーター。同社が独自開発したIPサービス処理技術“PXF(Parallel Express Forwarding)”を採用した光通信ユニットを搭載し、IPパケットを並列化/パイプライン化して処理できるため、1ユニット当たり最大12Mbpsの転送性能を持つとしている。筐体は、NEBSレベル3準拠の9スロット構成。3製品とも、4月1日に販売を開始する。

『Cisco 7600 OSR』『Cisco 7600 OSR』

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン