ドイツのHannover Messeで開催中の“CeBIT 2001”の米サンディスク社ブースで、ヨーロッパリテールセールスマネージャー、ゲリット・ホフウェゲン(Gerrit van Hofwegen)氏に、メモリーカード市場における同社のポジションや今後の製品について聞くことができた。
ヨーロッパリテールセールスマネージャー、ゲリット・ホフウェゲン(Gerrit van Hofwegen)氏 |
ホフウェゲン氏は調査会社による予測を紹介しながら、現在の市場の状況について説明した。要旨は以下の通り。
「デジタルカメラ市場におけるフラッシュメモリーカードの需要は引き続き拡大しており、2001年には需要に対して供給が追いつかなくなるほどだ。また、そうした中でも小売価格は下がり、2001年末には1MBあたりの価格は1ドル(約122円)を下回るだろう」
サンディスク社の製品ラインアップ。(左から)スマートメディア、MMC、SDカード、コンパクトフラッシュ。コンパクトフラッシュには5つのフラッシュメモリーチップが、SDカードには1つのチップが搭載されているので、この2種類のカード容量は5対1であり、コンパクトフラッシュは大容量を必要とする用途向けにまだまだ伸びるという |
「デジタルカメラにおけるメモリースロットのシェアを比較すると、2000年の世界市場では、コンパクトフラッシュ(CF)スロットが37%、スマートメディア(SM)スロットが38%、メモリースティックスロットが16%、そのほかが9%となっている。また、伸び率においてはCFがSMを大きく上回る伸びとなっており、今後もCFの販売拡大が見込める」
サンディスクブースに展示されていた、『Palm m505』と松下電器のDVカメラ |
「サンディスクは現在CF、SM、マルチメディアカード(MMC)を販売しているが、前述のそれらのカメラのスロットにおけるシェア比率に関わらず、メモリーカードの市場はさらに広がっており、複数のフォーマットを扱う我々は強い立場にある。5月には16MB、32MBのSDカードを販売予定であり、また第2四半期中には256MB、384MB、512MBのCFと128MBのSMの投入も予定している」
サンディスクがCeBITにあわせて発表した、SDカード/MMC用のUSB対応アダプター『ImageMate for SD Cards and Multimediacards』7月に29.95ドル(約3700円)で北米、ヨーロッパ、日本で発売予定 |
「SDカードにおいては、松下電器、東芝との強力な強力なパートナー関係のもとにあり、結成後1年経った“SDカードアソシエーション”は250社以上の参加企業を数えている。先日(19日)、パーム社がSDカードスロットを備えた新型の『m500』『m505』を発売したが、こうした製品は今後、家電分野も含めて大きな伸びが期待できる」
サンディスクでは、自社ブランドでの販売だけでなく、OEMでの製品展開も行なっているが、ホフウェゲン氏がいうように好調に推移しており、1月に発表された同社の決算報告によると、2000年(1~12月期)の売上げは、対前年比144%増の約6億ドル(約732億円)に達している。同社はメモリースティックを除いたフラッシュメモリーカードのほぼすべての分野でラインアップを持っており、その中でのシェアの推移にかかわらず、今後も好調に成長を続けそうだ。
サンディスクブースでは、テーブルマジックのパフォーマンスが行なわれ、大勢の見物客でにぎわっていた |
また、広報担当マネージャーのマイケル・ウォン(Micael Wong)氏によると、サンディスクでは、現在のものよりも高速に書き込みができる、プロフェッショナルバージョンのコンパクトフラッシュを計画しているという。詳しい次期などについては明かされなかったが、今後のデジタルカメラの画像ファイルサイズの拡大に対応しようとする動きだ。こうした記録速度の速さをうたうものとしては、米レキサーメディア社が販売している製品があるが、サンディスクが開発中の製品はそれらに十分対抗できるか、あるいは上回る性能を備えるとしている。