(株)リコーは23日、3次元CAD用のソリッドモデラー『DESIGNBASE V9』を発売したと発表した。
『DESIGNBASE V9』のGUI画面 |
『DESIGNBASE V9』は、立体の内部データまで表現する3次元グラフィックスソフトウェアで、3次元CAD/CAM/CAEソフトを開発する際にその中核部品となる。CUI(キャラクターユーザーインターフェース)と開発者向けのGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)も装備していて単体でも使用できるが、基本的にはエンドユーザーが単体で使用するのではなく、CADソフトウェアに演算エンジンとして組み込まれる。
前バージョンと比べて強化された点は、
- 同一の立体に属する大量シェル(位相的に独立した構成要素)に対する移動や回転操作の高速化
- 複数の要素の集合演算の際の大まかにチェックするラフチェック機能を強化し、処理時間を短縮
などの処理速度の向上や、
- 線や面の接する場所に、指定した半径で接続部を滑らかにする“フィレット”を形成する場合、一定の半径だけでなく徐々に変化する半径を指定できるようになった。例えば、面と面の接する部分を丸める場合、これまではすべて同じ半径になっていたのが、徐々に変化させることが可能
- “NURBS”で、“スキニング”機能が利用できるようになった。スキニングとは複数の断面から立体を生成する機能
- CADシステムで広く利用されている、B-spline曲面の生成が可能
- “フィレット”を細分化して生成しないモードを新設
などの機能強化が挙げられる。
対応OSはWindows NT/2000/Meで、価格は1CPUあたり年間2万円。技術コンサルティングや『DESIGNBASE』を組み込んだ製品を開発者が配布する場合は、別途使用料が必要になる。購入方法は、同社の『DESIGNBASE』のサイトからファイルをダウンロードして、同社の企業向けサイト“NetRICOH”から製品版パスワードを購入し、インストールする。無償で1週間試用できる体験版パスワードも利用可能。