22日に開幕した国際玩具見本市“2001東京おもちゃショー”((社)日本玩具協会主催)の初日、ロボカップ国際委員会と(株)タカラ、(株)トミー、(株)バンダイの玩具メーカー3社は、ロボットトイでサッカー競技を行なう“ロボカップトイズ”のキックオフセレモニーを開催した。同時に3社は“ロボカップトイズ”用の新製品を発表した。
キックオフのボタンを押す、左からタカラ取締役副社長 奥出信行氏、トミー常務取締役トイ事業部本部本部長 宇田川建治氏、ロボカップ国際委員会委員長 北野宏明氏 バンダイ取締役メディア統括部ゼネラルマネージャー 柴崎誠氏、日立マクセル(株)取締役コンシューマー営業本部本部長 上田祐司氏の5氏 |
“ロボカップトイズ”は、子供たちにロボットに親しんでもらうためにロボカップ国際委員会(※1)が呼びかけ、タカラ、トミー、バンダイの3社が賛同して創設した。
※1 「2050年までに、完全自立型の人間型ロボットのチームで、サッカーのワールドカップ代表チームに勝つ」ことを目的に設立された委員会。挨拶に立ったロボカップ国際委員会委員長の北野宏明氏は「“ロボカップトイズ”は“2050年にロボットのサッカーチームが人間のチームに勝つ”という長期的なプロジェクトの一環だ。使用するロボットは、他のメーカー製の部品でも相互に組み合わせ可能な“オープンアーキテクチャー”で構成されている。現在3社に賛同をいただいているが、将来はもっと増えてほしい」と、今後の展開への期待を語った。
ロボカップ国際委員会北野宏明委員長「“ロボカップトイズ”はオープンアーキテクチャーで、おもちゃ界のLinuxを目指す」 |
サッカーをプレイするロボットたち
キックオフセレモニーのあと、3社の新製品が発表された。
タカラの『ジェイストライカー』は前部にボールを抱え込むキャッチ機構を装備している。そのまま進むことも可能だが、ボディーの底面からアームを出して、ボディー前部を持ち上げるウィリー走行をすることができる。そして、そのままの状態からボールを放てば、相手の頭越しにシュートやパスが可能。
『ジェイストライカー』がボールを持ち上げた |
トミーの『ブレイクリーガー』は、U字型のバケットでボールを抱え込む。このバケットが回転するため、正面だけでなく角度をつけたシュートが撃てる。
『ブレイクリーガー』がボールを抱え込む |
バンダイの『フィールドコマンダー』は、クワガタムシのようなハサミが前面についており、そのハサミでボールを挟み込む。そのままボールを持ち上げることもできる。
『フィールドコマンダー』が、今まさにボールをつかもうとしている |
これら新製品によるミニゲームも行なわれた。
『ジェイストライカー』のシュートの直後。シャッターを押したときには、すでにボールはゴールに突き刺さっていた |
車体をこすりながら、必死でボールを奪おうとする |
またしてもボールを持ち上げた |
敵にパスもドリブルもさせまいと、にらみをきかせる『ブレイクリーガー』 |
3機種とも、電源は単3乾電池6本を使用。6月発売予定で、価格は4980円を予定している。
オープンアーキテクチャー
“ロボカップトイズ”の規格は、
- ロボットは赤外線によるリモコン操縦(8バンド用意されており、同時に8人までプレイできる)
- 本体サイズは、直径33cm、高さ30cmの円柱内におさまるもの
- コアユニット/メインフレーム/バッテリーボックス/コントローラーは各社共通のものを使用
- ボールはロボカップ公式ボール
となっている。
オープンアーキテクチャーを解説した図 |
“ロボカップトイズ”用ロボットは、バッテリーなどの各社共通部品と、そのほかの各社の独自部品から構成されているが、それぞれの部品はピンをはずせば簡単に交換できる。
このピンをはずすことで、ほかの部品と交換できる |
いろいろな部品を組み合わせることで、自分だけの、オリジナルなロボットを組み立てられる。
北野委員長は「“ロボカップトイズ”は、オープンアーキテクチャーでおもちゃ界のLinuxを目指す」と、今後規格を広めていくことについて強い意欲を示した。