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AMD、Athlon-1.33/1.3GHzを発表――1.33GHzが4万5500円

2001年03月22日 15時57分更新

文● 編集部 佐々木千之

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日本AMD(株)は22日、『AMD Athlonプロセッサ』の1.3GHz版および1.33GHz版を発表した。価格は1.3GHzが4万1340円(318ドル)、1.33GHzが4万5500円(350ドル)。パソコンメーカー向けにはすでに出荷を開始しており、4月にはパソコンショップでリテールパッケージも販売される見込みという。Athlon-1.3/1.33GHzは、3月8日に秋葉原の一部のパソコンショップにごく少量ではあるが入荷したことから、まもなく正式発表されると見られていた。

『AMD Athlonプロセッサ』
『AMD Athlonプロセッサ』

今回発表されたAthlon-1.3/1.33GHzは、従来の0.18μmプロセス版“Thunderbird”コア(※1)を使ったプロセッサー。1.3GHzがFSB(Front Side Bus)200MHz、1.33GHzがFSB266MHzで動作する。米コンパックコンピュータ社、米ヒューレット・パッカード社、米マイクロン・エレクトロニクス社、米ゲートウェイ社など、60以上のパートナーから搭載パソコンが登場するとしている。

1月に示したロードマップ
AMDが1月に行なったプレスミーティングで示したロードマップ

AMDが1月のプレスミーティングなどで示したプロセッサーロードマップによると、2001年上半期においては、サーバー/ワークステーション、パフォーマンスPC(高性能のPC)デスクトップ向け、およびパフォーマンスPCのノート向けとして、“Palomino”というコードネームで呼ばれる新しいコアを搭載した製品が投入されるとしてきた。15日には初のノート向けAthlon(Palomino)となる『モバイルAthlonプロセッサ』の生産はスケジュール通りで、第1四半期中に量産出荷を開始し、第2四半期にそれを搭載したノートパソコンが登場するというコメントを発表している。

※1 Thunderbird(サンダーバード):プロセッサーコア上に256KBの2次キャッシュメモリーを搭載したタイプの第2世代のAthlonコア。2000年6月にAthlon-1GHz~700MHzとして発表した。

Palomino(パロミノ):次世代Athlonコア。Thunderbirdと同じ0.18μmプロセス技術で製造されるが、Thunderbirdと同じ動作クロックをなら、より低いコア電圧で動作するとされる。詳しいことは公開されていない。

今回公開した新ロードマップ
AMDが今回公開した、新しいロードマップ

しかし、今回発表された新しいロードマップを見ると、サーバー/ワークステーションと、ノート向けのスケジュールには変化はないが、デスクトップ向けのPalominoが、これまでの1.2GHz以上のクロックで第1四半期に量産出荷開始というスケジュールから、1.5GHz以上のクロックで第3四半期に量産開始することになっている。また、バリューPC向けの次世代Duronである“Morgan”(※2)も、デスクトップ向け、ノート向けともに1四半期ずつ投入が後ろにずれている。

※2 Morgan(モルガン):現在のDuronコア“Spitfire”(スピットファイア)の次世代コア。詳しいことは公開されていない。

AMDではこの理由として「現在デスクトップ市場でハイエンドからローエンドに至るパフォーマンス・リーダとしてのポジションにあり、これを維持するためThunderbirdとSpitfireコアで、従来のロードマップで示していた以上のクロックの製品を投入する計画」としている。PalominoとMorganについては、ノート向けとしてはスケジュール通り。Palominoのサーバー/ワークステーション向けとしては、これまでAMDが弱いとされてきた企業向け市場により強い足場を築くためのプロセッサーとして、1または2プロセッサー用のチップセット『AMD-760MP』と組み合わせて投入するとしている。

結果的に、デスクトップ向けのPalominoとMorganが第3四半期にずれ込むことになる。これはおそらく、現在インテルのPentium 4のクロックが1.5GHzで止まっており、Athlon(Thunderbird)の高クロック製品は価格、パフォーマンスともに十分対抗できるので、今のうちにサーバー/ワークステーションとノート向け製品の開発を急ぎたい(※3)という移行の表われではないかと考えられる。

※3 プロセッサー開発チームや開発拠点となる実験的工場を多数持つインテルと比べて、AMDは規模が小さく、より少ない人的資源で開発を進めているため、あまり多くの製品開発を同時に進めるのは困難ではないかという見方がある。

ただし、これまでPentium 4の普及の妨げの一端となっていたRambusDRAMについて、2月末のIntel Developer Forum Spring 2001で示されたように、2002年には大幅に価格が低下し、AMDが採用するDDR(Double Data Rate) DRAMに性能だけでなく価格でも対抗できるようになるという見通しも出てきている。AMDとしては、デスクトップ向けにおいては、今後Pentium 4が高クロック化してくれば、Palominoを投入して2001年後半を乗り切り、2002年に投入予定の0.13μmプロセス技術による“Throughbred”(※4)に繋ぎたいところだろう。

※4 Throughbred(サラブレッド):Palominoよりもさらに小さく、速く、消費電力の小さいとされる次次世代Athlonコア。

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