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AMD、モバイルAthlon-1GHzを3月中に量産出荷開始とコメント

2001年03月17日 03時23分更新

文● 編集部 佐々木千之

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日本AMD(株)は15日、「『モバイルAMD Athlonプロセッサ』の出荷は計画通り第1四半期中に実施する」と公式にコメントした。最高クロックは1GHzで、モバイルAthlonを搭載したノートパソコンは4月以降に出荷されるという。このようなコメントが出されるのは異例のこと。

モバイルDulon
※画像はモバイルDulon

日本AMD(株)は15日、「『モバイルAMD Athlonプロセッサ』の出荷は計画通り第1四半期中」と公式にコメントした。最高クロックは1GHzで、モバイルAthlonを搭載したノートパソコンは4月以降に出荷されるという。このコメントは、AMDのプロセッサー計画が過去に示したロードマップ通りに進んでいることを再確認するものだが、このようなコメントが出されるのは異例のことだ。コメントの全文(原文ママ)は以下の通り。なお、AMDではこのコメント以外の情報は公開していない。

  • AMDは、ノートPC向けAMD Athlonプロセッサ(モバイルAMD Athlonプロセッサ)の量産出荷を、従来計画通り(2001年第1四半期)実施する予定です。出荷予定のプロセッサのクロック周波数は、最高1GHzとなっています。これらのプロセッサを搭載したシステムは、第2四半期に広範に市場投入される予定です。


  • AMDは通常、新製品の公式発表を、OEMメーカ様から最初の搭載システムが出荷されるタイミングにあわせて行っています。(モバイルAMD Athlonプロセッサについても、同様のスケジュールでの発表を予定しています)


  • AMDは、モバイルAMD AthlonプロセッサがノートPCセグメントで実現する性能は、AMD AthlonプロセッサがパフォーマンスデスクトップPCセグメントで実現しているのと同等の、高レベルのものになると期待しています。
1月のプレスミーティングで公表したプロセッサーロードマップ
日本AMDが1月のプレスミーティングで公表したプロセッサーロードマップ。パフォーマンスPCのノートPCカテゴリーに“Palomino”と示されているのが、ノートパソコン向けAthlon

モバイルAthlonは、“Palomino”(パロミノ:コードネーム)と呼ばれる、次世代Athlon用コアを搭載するノート向けプロセッサー。Palominoコアは、現在のデスクトップ用Athlonが搭載している“Thunderbird”(サンダーバード:コードネーム)コアと同じ0.18μmプロセス技術で製造されるが、Thunderbirdコアと同じクロックでも、より低いコア電圧で動作するとされている。バリューPC向けプロセッサーのDuronについては、低電圧で動作するように改良したものを『モバイル AMD Duronプロセッサ』(600/700MHz版)を1月15日に発表しているものの、Athlon(Thunderbird)は高いコア電圧(1.1GHzでは1.75V)が必要で発熱量が大きく、冷却するために大きなヒートシンクやファンが必要なため、これまではデスクトップ向けにのみ提供されてきた。

コメントにもあるように、AMDのプロセッサーの正式発表はプロセッサー搭載製品が出荷されるタイミングにあわせて行なっており、記者発表などを除いて広報から公式コメントが出されるのは異例のことだ。このコメントの背景には、2月末に開催されたIDF(Intel Developer Forum Spring 2001)で、インテルがモバイルPentium III-1GHz搭載製品のデモを行ない、製品投入が近いことをアピールしたことに対する牽制が込められていると思われる。2000年3月にはデスクトップ向け1GHzプロセッサー一番乗りで争ったインテルとAMDが、1年後にこんどは舞台をノートパソコン向けプロセッサーに移して戦いを繰り広げる格好だ。

先のロードマップによれば、Palominoコアはノートパソコン向けプロセッサーとほぼ同時期(第1四半期)に、サーバー/ワークステーションやデスクトップ向けプロセッサーにも投入される計画。今回ノートパソコン向けAthlon(Palomino)がスケジュール通りであることから、それほど時期をずらさずに、サーバー/ワークステーションおよびデスクトップ向けのAthlon(Palomino)が登場することが予想される。注意が必要なのは1月にされたロードマップでは、デスクトップ向けAthlon(Palomino)が1.2GHz以上で登場することになっている点だ。秋葉原で今月8日にごく少量のAthlon-1.33GHzが販売され、正式発表が近いことが予想されるが、この1.33GHzのコア電圧は1.75Vと高く、Thunderbirdコアだと思われる。このことから、PalominoコアのAthlonはより高いクロックにシフトしたとも考えられる。

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