モバイルPentium III-900MHz、モバイルCeleron-750MHzも同時
インテル、モバイルPentium III-1GHzを世界に先駆け日本で発表
2001年03月19日 13時07分更新
インテル(株)は19日、都内で記者発表会を開催し、ノートパソコン向けプロセッサーとして初めて1GHzの動作クロックを達成した『インテルSpeedStepテクノロジ対応モバイルPentium IIIプロセッサ 1GHz』と、同 900MHz、『モバイル インテルCeleronプロセッサ 750MHz』を、世界に先駆けて日本で発表した。価格はモバイルPentium III-1GHzが8万5740円、モバイルPentium III-900MHzが6万6740円)、モバイルCeleron-750MHzが2万190円。
『インテルSpeedStepテクノロジ対応モバイルPentium IIIプロセッサ 1GHz』 |
モバイル向け1GHzプロセッサーではAMDに先んじる
同社は2000年9月にモバイルPentium III-850MHzを発表した後は、2001年1月に超低電圧版モバイルPentium III-500MHzと超低電圧版モバイルCeleron-500MHz、さらに2月に低電圧版モバイルPentium III-700MHzと低消費電力プロセッサーを次々と発表していた。インテルはこれらの製品発表に際して、2001年の前半に0.18μmプロセスで1GHz製品を、さらに後半には0.13μmプロセスに移行して1GHzを超えるモバイルプロセッサーを投入するとアナウンスしており、今回のモバイルPentium III-1GHzはそのスケジュールに従った形だ。
1年前の3月8日(米国時間)、インテルはデスクトップ向けプロセッサーPentium IIIで、クロック1GHz1番乗りを目指したが、結局6日にAMDのAthlon-1GHzが発表されて後塵を拝することになった。モバイル製品においても、AMDは動作クロック1GHzの製品を含む『モバイルAthlonプロセッサ』を第1四半期中に投入すると以前からアナウンスしており、今回はタッチの差でインテルの勝利となったようだ。AMDはこのインテルの発表を予想してか、先週末に「モバイルAthlon(1GHzを含む)は予定通り第1四半期中に出荷する」と公式コメントを出している。
モバイルPentium III-1GHz/900MHzは、0.18μmプロセスで製造され、2次キャッシュメモリーは256KB。最高性能モードではコア電圧1.70V(1GHz/900MHz)、バッテリ・モードでは1.35V(700MHz)で動作する。バッテリ・モードにおける平均消費電力は2W以下としている(最高性能モードの値は非公表)。パッケージはBGA(Ball Grid Array)2およびmicro-PGA2で提供される。モバイルCeleron-750MHzは、0.18μmプロセスで製造され、2次キャッシュメモリーは128KB。コア電圧1.60Vで動作し、平均消費電力は2.5~3Wで、BGA2とmicro-BGA2で供給される。
インテルの資料によれば、モバイルPentium III-1GHzを搭載したノートパソコンは、世界で15社以上から発売される予定としている。
- 台湾エイサーグループ
- 台湾ASUSTeK COMPUTER社
- 米コンパックコンピュータ社
- 米デルコンピュータ社
- 台湾ファースト インターナショナル コンピュータ(FIC)社
- 富士通(株)
- 米ゲートウェイ社
- 米ヒューレット・パッカード社
- 米IBM社
- 米マイクロン・テクノロジー社
- 台湾マイタックテクノロジー社
- 日本電気(株)
- ソニー(株)
- (株)東芝
- 米WinBook Computer社
なお、ノートパソコン向けプロセッサーは通常、ノートパソコンメーカーが工場でメインボードに直接実装するが、今回発表されたプロセッサーのmicro-BGA2パッケージについては、プロセッサーも含めたBTOに対応したショップブランドノートパソコン(※1)向けに、リテールボックスでの販売も行なわれる。ただし、このリテールボックスはパソコンショップ向けであり、一般ユーザー向けに販売されるものではないとしている。
※1 インテルによると、台湾のマイタックテクノロジー社、ASUSTeK COMPUTER社、FIC社がサポートするという。インテルは2月28日から開催された開発者向け会議“Intel Developer Forum Spring 2001”において、キーノートスピーチでモバイルPentium III-1GHzをデモするとともに、0.13μmプロセスで製造されたMobile Pentium IIIやノート向け新チップセットIntel 830Mを披露した。これらはむき出しの基板ではなく、各社の試作ノートパソコンの形で紹介されており、開発が進んでいることが推察される。0.13μmプロセスのプロセッサーはまだ1つも登場していないが、インテルはノート向けPentium III、デスクトップ向けPentium 4、サーバー向けItaniumまでを今年後半に0.13μmに移行する見込みで、計画が順調にいけば、今年後半にはさらに高速で低消費電力のノート向けプロセッサーが登場することになる。