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電総研、新型ジョセフソン素子を開発――液体ヘリウムが不要

2001年03月07日 01時58分更新

文● 編集部

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経済産業省産業技術総合研究所の電子技術総合研究所(電総研)は6日、電圧標準用新型ジョセフソン素子の開発に成功したと発表した。極低温のジョセフソン素子にマイクロ波を照射すると、電流-電圧特性(電圧と電流のグラフ)にステップ状の変化が起こる“交流ジョセフソン効果”と呼ばれる現象が発生する。この現象は照射するマイクロ波の周波数だけに依存するため、1990年1月1日より、これを利用して電圧標準が決められている(ジョセフソン素子による電圧標準は、国家によって電圧の1次標準として保証されている)。

新型ジョセフソン素子は、窒化チタン(TiN)金属膜を窒化ニオブ(NbN)の超伝導膜で挟んだ構造をしており、電総研が独自に開発した。絶対温度の約10度で動作するため、大きなコストのかかる液体ヘリウムによる冷却の必要がなく、小型冷凍機による冷却のみで電圧標準システムを実現できるメリットがある。これにより開発途上国の標準研究所や、計測器装置産業などにおいてもジョセフソン素子利用の電圧標準を利用できるようになるとしている。

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