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FMV-DESKPOWER C6/937

FMV-DESKPOWER C6/937

2001年02月23日 23時06分更新

文● 佐久間

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FMV-DESKPOWER C6/937

富士通

オープンプライス

縦置き横置き自在のスリムボディを採用する「FMV-DESKPOWER Cシリーズ」は、富士通のデスクトップPCでも一番の売れ筋だ。そのため2001年春のラインナップも、8機種9モデル(従来から併売の1機種を含む)と豊富に揃っている。ここではその中から、PentiumIII-933MHz搭載の上位モデル「C6/937」のレビューをお届けする。

CPU、付属モニタ、TVチューナなどの違いで
目的に応じた豊富なラインナップを用意

 C6/937を詳しく紹介する前に、FMV-DESKPOWER Cシリーズのラインナップからタイプ別にお勧め機種をピックアップしておこう。ラインナップの詳細は1月17日のニュース富士通のWebサイトで確認してほしいが、選択のポイントは2つ。

  • CD-RW&DVDのコンボドライブ内蔵
  • TVチューナ搭載

である。

FMV-DESKPOWER C6/937
本体前面は、観音開きのカバーが設けられ、向かって左にFDD、右にPCカードスロットやUSB、オーディオ端子が並ぶ。キーボードなどつなぎっぱなしにするUSBデバイスは背面に接続すれば、普段はカバーを閉めたままでも使える。CD-RW&DVDのコンボドライブはカバーの開閉に関係なくアクセス可能だ。

 新たに加わったラインナップのうち、コンボドライブを載せていないのは、15インチTFT液晶付属の「C6/86L」(CD-RWドライブ搭載)のみ。ただ、価格を見ると15インチCRTモニタセットでコンボドライブ内蔵の「C6/865」のほうが実売で6万円程度安い。C6/86Lは液晶モニタがセットの中では最安値だが、コンボドライブ内蔵の「C6/86LB」との価格差は1万円程度。一方、TVチューナ内蔵モデルは「C6/86WLT」1機種のみで、こちらは選択の余地はない。TVチューナなしの中では、15インチ液晶付属のC6/86LB(実売25万円強)が一番買い得感が高い。そのほかでは17インチワイド液晶が付属する「C6/86WL」(実売30万円前後)や17インチフラットCRTモニタ付属のC6/937(実売26万円前後)もお勧めで、実際Akiba2GO!の記事でも店頭での動きがかなり良いようだ。



背面の大型ネジ2本を外せば、カバーから本体シャーシを丸ごと抜き出せる。省スペースの本体といっても、PCIスロットへのカード追加やメモリ増設は意外と楽にできる。

 さて、C6/937だが、従来モデル(C5シリーズ)から筐体に変更はなく、CPUと各種内蔵ドライブが強化されているのみだ。コンパクト(Compact)の頭文字Cをモデル名につけるだけあって、幅89mmの筐体にFDD、CD-RW&DVD-ROMのコンボドライブ、40GB HDDなどを効率的に収めてある。拡張スロットもPCI×2(うち1本はLANカードに使用済み、対応カード長は170mmまで)を内蔵。加えてPCカードスロット、USB×2、IEEE1394(4ピン)×1も利用できる。ただし、USBはキーボード(マウスはキーボードに内蔵するUSBポートに接続)をつなぐため1つしか使用できない。付属CRTモニタがUSBハブ機能を搭載していないため、2つ以上のUSBデバイスを同時に利用する場合には別途USBハブを用意する必要がある。
 ビデオ機能はチップセットに内蔵のi810Eで、ビデオメモリはメインメモリの一部、9~12MBを使用する。メモリを標準で128MB搭載しているので、一部をメインメモリで使われてもレスポンスの低下はほとんど感じられない。表示解像度はデフォルトで1024×768ドット/フルカラー(24bit)/75Hzとなっているが、付属の17インチモニタとの組み合わせでは1152×864ドット/6万色/75Hzでの使用をお勧めしたい。わずか(面積比26.5%)だが表示領域が広くなり、アイコンや文字が小さすぎて使いにくいこともない。また、リフレッシュレートが75Hzなら、DVD-Videoの再生(オーバーレイ表示)も可能だ。ちなみに、1024×768~1152×864ドットでは6万色やフルカラー表示でも75Hzまでならオーバーレイ表示可能だが、85Hzではオーバーレイ表示不可。1280×1024ドットでは256色でのみオーバーレイ表示可能なので(i810Eの仕様による)、あまり実用的ではない。



USBは背面と前面にひとつずつ。さらに、付属のキーボードやマウスでは使わないが、市販のキーボード(あるいはマウス)などを使って、USBポートを別のデバイスに使えるよう、PS/2ポートもひとつ装備している。

 一方、使っていて少々気になったのが、モニタの大きさだ。15インチといってもCRTの場合、液晶モニタと違って画面全体に表示するわけにはいかず、画面の有効表示面積は少し小さくなってしまう。本機の場合、最初から1024×768ドットで最適な表示状態になるよう設定されているが、これを実測したところ対角で34cm、これは13.3インチ液晶モニタとほぼ同等だ。15インチ液晶モニタをセットにした省スペースデスクトップやA4ノートの画面に較べると、若干アイコンや文字に小ささを感じるかもしれない。
 とはいえ、富士通オリジナルの画面調整ツール「OSDユーティリティ」をプリインストールする点には、ユーザーへの配慮が感じられる。

 標準搭載のCD-RW&DVD-ROMコンボドライブは、CD-R書き込み&CD-RW書き換えが4倍速、DVD読み出し4.8倍速、CD読み出し24倍速の「SD-R1002」で、コンボドライブ内蔵のC6シリーズでは全機種共通。ライティングソフトはアダプテック「Easy CD Creator スタンダード版」「DirectCD」、DVD再生ソフトはInterVideoの「WinDVD 2000」となっている。WinDVD 2000は「ドルビーヘッドフォン」対応で、前面にある光デジタル出力端子を兼ねたヘッドフォン端子に通常のヘッドフォンを接続して5.1ch音声を仮想サラウンドで楽しむことができる。実際にヘッドフォンで聴いてみると、後方とまではいかないものの前方から側面あたりまで幅広い音場を感じることができる。C6/937では付属スピーカも通常のボックスタイプではなく音の波形を忠実に再現するため卵型構造を採用した「タイムドメインスピーカ」を付属するなど、音へのこだわりは強く感じられるが、こと5.1chドルビーデジタルのDVD-Videoの鑑賞に限って言えば、ドルビーヘッドフォンでの再生を推したい。



C6/937ではCNRスロットとPCIスロットにそれぞれ標準で差してある、モデム(右)とLANカード(左)。LANチップはRealtec製8139C。

 コンパクトデスクトップというと、自作派やPCに慣れた方は拡張性に乏しく、将来機能を追加したくなったら困る、というイメージがあるかもしれないが、それは今は昔の話。PentiumIII-933MHzの高速CPU、128MBに30GBとメモリもHDDも最初から潤沢に備えており、あわてて機能拡張する必要はない。もし、TVを見たいなどの需要があったら、それを最初から搭載しているモデルを選べばよいし、後から追加する場合でも、USB接続の周辺機器が利用できる。漠然とPCが欲しいと思った初心者から、必要な機能を見極められる中上級者まで、幅広いニーズに応えられる一台だ。

C6/937の主なスペック
CPU PentiumIII-933MHz
メモリ 128MB
ビデオ i810E
HDD 40GB
CD-RW&DVD-ROM R4倍速/RW4倍速/DVD4.8倍速/CD24倍速
通信 モデム&LAN
OS Windows Millennium Edition
モニタ 17インチフラットCRT
オフィスアプリ Office 2000 Personal(SR-1)

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