このページの本文へ

2万円で俺を幸せにしてくれたリコーのコンボドライブ「MP9060A」

2001年04月06日 00時00分更新

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

買う買う団員プロフィール

筆者:天明善行
天明善行
アスキードットピーシーの編集者。同誌では、製品紹介やハード・システム系のページを主に担当。アントニオ猪木と近鉄バファローズとビンテージのモルトウイスキーをこよなく愛する27歳未婚(2001年2月8日現在)。PCパーツの購入は、CPU2万まで、HDD2万まで、メモリ1万までと決まっているが、キーボードとマウスに予算枠はない。お気に入りのパーツは「IBM SPACESAVERキーボード」(1984年アメリカ製のビンテージ品)。




朗報は深夜の焼肉屋で

 掘り出し物の情報はいつやってくるかわからない。2万円のコンボドライブがアキバで売られているとの情報を手に入れたのは、昨年12月のとある深夜の焼肉屋であった。しかも、OEM品やバルクではなくリコー純正のリテール品だという。

コンボドライブ

 コンボドライブに反応したのにはワケがある。パソコン誌編集者としてCD-RWドライブ関係の記事を何度もやっていながら、自分ではCD-RWドライブを所有していなかったのだ。別にCD-RWドライブが嫌いなわけではないし、金がなかったわけでもない。ただ単に、5インチ型のドライブを1台しか搭載できない自宅のメインマシンが、DVD-ROMドライブを装備していたからだ。「オイ兄ちゃんちょっと待て、写真を見る限りどー見てもそのケースに5インチドライブは3つついてるやんけ」という人もいるだろう。もちろん、見てわかるようにドライブ自体が1つしかないわけではない。ただ、このケースは特殊で、5インチベイにドライブを取り付けるには特殊な金具が必要。そして俺はそれをものの見事に紛失してしまったのだ。ふはは。

 そんなわけで、DVD-ROMドライブとしての機能を持ったままCD-RWドライブとしても利用できるというコンボドライブは、かなり魅力的な装置に映っていた。ただ、ビンテージの超カッコいいキーボードなら5万でも10万でも払えるが、PCのパーツにはどんなに払えても2万という俺にとって、発売当初、平気で3万円を超えていたコンボドライブは超高級品だった。それが2万円! 限度額いっぱいとはいえ予算内!! そういえば使用中のDVD-ROMドライブとかって今は亡きパーツショップ「A-MASTER」で購入した第一世代のドライブ!! すなわちCD-Rメディアが読めない! CD-Rメディアの書き込みはおろか、読み込みすらもできない生活はもう限界だっ! これは買うしか!!

 翌日、さっそくあきばお~参號店に突撃。頼むから売り切れないでくれよと前の晩から願を掛けて待ちわびた“リコーでリテールで2万円のコンボドライブ”は、バカ売れ間違いなしに決まっているコンボドライブは、なぜかあきばお~の店頭に、山のように詰まれていた。
 目の前にあったのは、自分のアタマの中を閉めていた、CD-Rメディア12倍速書き込みだわHiSpeed CD-RW対応だわJustLink対応だわDVD読み込み最大8倍速だわという「MP9120A」ではなく、1年前に発売されていた「MP9060A」(書き込み最大6倍速、書き換え最大4倍速、読み込み最大24倍速、DVD読み込み最大4倍速)だったのだ……。1万9800円でも売れ残ってるわけである。

「12倍速で焼きまくるぜ!」という意気込みがが「6倍速ってなんて中途半端な速度だ!」に変わり、「JustLinkで焼きミス無し!」のはずが「エラー防止機能なんてないじゃん」に、「HiSpeed CD-RW対応!」が「普通のCD-RWしか対応してません」に……。
 かなり意気消沈したものの、目当てだったMP9120Aとの価格差は約1万円。キーボードとマウスにはいくら金を掛けても、他のパーツへの出費は2万までと決めているため、いくら最新のコンボドライブとはいえ、完全に予算オーバー。
「ま、そんなに大きなファイルは焼かないし……」「JustLinkなくなって、最近は焼きミスも少ないし……」「RWだってあんまり使わないよな……」「ま、今まで家にCD-Rなかったし……」などと、なぜか自分を納得させるモードに入ってしまっていた。そして気がつくと、2万円のMP9060Aを手にビンテージキーボードを求めてアキバを徘徊する編集者27歳独身がいたりしたのであった。



製造年月
製造:2000年7月。ほらほら全然新しい。大丈夫大丈夫

Windows2000インストールに思わぬトラブル

自宅のPC
自宅のPC。上2つの5インチベイは空虚な空間になっている

 とくにキーボードの出物もなかったので、帰宅後はさっそくPCにMP9060Aを取り付ける。BIOSの認識OK、Windows 98上でも無事認識。CD-Rメディアの書き込みもDVD-Videoの再生も問題なく、動作チェックは順調に終わる。
 そこで、ドライブの順調な動作チェックに気を良くして、一気にOSをWindows 2000にしてしまおうと思ったあたりから、なにやら暗雲が。Cドライブをフォーマットして、Windows 2000のCD-ROMを挿入し、再起動……するとなぜか画面は黒いまま。BIOSの設定を確認しても、やはりCD-ROMからブートしない。どうやらドライブ自体がCDブートに対応していないようだ。
 やむを得ず、FDからWindows 2000をインストール。さあて、楽しいコンボドライブ生活が始まるぞ、と思いきや、ドライブに同梱のDVD再生ソフト「Software CineMaster 98」がWindows2000に非対応。別のDVD再生ソフトを購入して事なきを得たが、古い製品を迂闊に買ったツケはしっかり払わされたのであった。このとき、脳裏に価格差1万円の「MP9120A」がチラチラしたことは言うまでもない。



それでも、2万円で買える最高のドライブだ…と信じたい

MP9060Aありの生活

 なにはともあれ、Windows 2000のインストールとDVD再生ソフト問題がクリアされればこっちのもの。書き込みも(最大6倍速だけど)サクサク、DVDの再生も(別に出費が必要だったけど)快調。同梱の書き込みソフトは以前から会社で使っていた「EasyCD Creator」なので、まごつかなくてすんだ。同梱のCD-RWメディア書き込み/書き換え用のパケットライトソフト「DirectCD」がらみで、Windows 2000を休止状態から復帰させたときにメディアの認識をしなくなる不具合もあるが、CD-RWメディアの書き込みをする気は今のところないので問題はない。自宅と会社にCD-RWドライブを導入したため、以前はFTPで行なっていた自宅会社間の大容量データの移動もラクになったし(自宅はいまだに56kbpsのモデムなので、本当に楽になった)、HDDにたまったMP3や動画ファイルのバックアップも楽ちん。いやぁ、2万円でこんな幸せを与えてくれるドライブはないのではないだろうか。俺にとってもうMP9060Aなしの生活は考えられない。


“リコーでリテールで2万円のコンボドライブ”というのは、やはりお買い得だったと思う。CD-RWドライブがある生活とない生活では天地の違いがあるし、これまでと同じようにDVD-Videoも楽しめるのはスバらしい。2万円という現実的な予算内で(DVD再生ソフトの分足が出たけど)これだけ満足させてくれる装置って、そうないんじゃなかろうか。
 ……とりあえず今後、俺の周りでMP9120Aの話するのは禁止。



カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ