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PCV-MX5GK

PCV-MX5GK

2001年02月07日 15時23分更新

文● 山崎

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PCV-MX5GK

ソニー

オープンプライス
21万9300円(Sony Styleダイレクト価格)

DVDプレーヤ、デジタルビデオデッキ、サラウンドヘッドフォン、MDコンポといったAV機器を、すべてまとめてPCに統合した究極のAVパソコンが「PCV-MXシリーズ」だ。しかも1bitデジタルアンプの搭載や、木製エンクロージャを採用したスピーカなど、品質にとことんこだわりを持ったモデルである。最新機種「PCV-MX5GK」では、CPUにPentiumIII-933MHzを搭載するなど、PCとしての基本性能のアップが図られた。

MDコンポ&ビデオデッキ&DVDプレーヤ+PC≒PCV-MX5GK

 PCV-MX5GKに搭載されているAV機能を具体的に挙げると、CDプレーヤ、MDプレーヤ、FM文字多重放送チューナ、デジタルビデオデッキ、DVDプレーヤである。AV機器とPCを統合するメリットには、スペース効率を高める以外にも、GUIを用いた直感的な操作が行える点や、インターネットに接続してCDデータベースを検索できる、などが挙げられる。PCV-MX5GKでは、AV機器やHDD上のマルチメディアファイルを一元的に管理するソフト「MediaBar Ver.3.2MX」および「MX Stage」によって、CDからMDへのデジタルダビングをはじめとする録音/再生機能の実行や、FM放送のタイマー録画などが、マウス操作だけで行えるようになっている。

MediaBar Ver.3.2MX画面
CDプレーヤ、MDプレーヤ、FMチューナなどのオーディオ機器を一元管理する「MediaBar Ver.3.2MX」。曲名リストを簡単に編集できたり、FM文字多重放送の文字情報をテキストファイルとして保存しておけるのもPCならではだ。

 たとえば音楽CDをドライブに挿入すると、MediaBar Ver.3.2MXが起動し、HDD上にあらかじめ用意されている、シーディーナウジャパンの音楽情報/CD販売サイト「CDNOW JAPAN」から提供された約7万5000件の音楽CDデータベースを検索して、アルバムタイトルやアーティスト名、曲名などのCD情報がMediaBarが管理する「プレイリスト」に自動的に登録される。HDD上のデータベースに収録されていない新しいCDの場合は、インターネットに接続できる環境であればCDNOW JAPANのWebサイト上にある最新のデータベースで検索を行い、該当するデータがダウンロードされる。

 CDの曲を丸ごとMDにダビングするには、MX Stageに表示されている「CD/DVD」のアイコンを「MD」のアイコンにドラッグすればよい。MDデッキ操作用のウィンドウが起動するので、録音ボタンをクリックすれば、あとは自動でダビングが始まる。FM放送の録音も同様に「FM」のアイコンをドラッグするだけだ。CDをダビングする際には、プレイリストに登録されているCD情報も一緒にMDに曲名データとして記録されるので、わざわざ手で入力したり編集し直す手間もない。さらに、MDラベルの印刷機能も搭載しており、プレイリストの曲名データをそのまま利用してラベル印刷が行えるなど、PCと統合されたAV機器ならではの便利な使い方が可能になっている。



MX Stage画面
PCV-MX5GKを最も特徴づけるソフトが「MX Stage Ver.1.2」だ。アイコンのクリックやドラッグ&ドロップで、CDの再生やMDへのダビングが行える。また光デジタル/アナログ出力されているサウンドの音源も、ビジュアル的に確認できる。
CDドライブ&MDドライブ
フロントパネルのすっきりしたデザインに貢献しているスロットインタイプの16倍速DVD-ROMドライブは、付属のアダプタで8cmCDにも対応する

 CDプレーヤ、MDデッキ、FMチューナなどのオーディオ機能は、PCと連動させずに単独で利用することも可能だ。PCV-MX5GKでは、PCが動作していなくてもオーディオ機能のみを別回路として起動できるので、付属のリモコンや本体前面の操作ボタンと液晶パネルを利用してCDやMDの再生/ダビング、FM放送の受信などが行える。特にPC上でのインターフェイスを利用する必要のない場合は、一般的なMDコンポのように使うこともできるわけだ。



PCV-MX5GK付属スピーカ
一見プラスチック製だが、実際には木製エンクロージャを採用し、1本あたり1.95kgもの重量がある付属スピーカ。再生音は一般のPC用スピーカとは別次元。

 PCV-MX5GKのオーディオ機能の統合は、ただ単にPCにMDデッキとFMチューナを搭載し、それらを一元的に管理できるソフトウェアを用意しただけではない。市販のMDコンポと遜色のない音質を実現するために、一般的なPCとはまったく異なる音声信号の再生機能が盛り込まれている。オーディオアンプは家庭用オーディオ機器にも搭載されているTRIPATHの“1bitデジタルアンプ”を採用し、PC内部のオーディオ信号の伝達回路はすべてデジタル化されている。CDやMDなどのデジタルソースからの信号はもちろん、FMチューナーからの信号もまずAD変換されてからアンプに入力されている。電気的なノイズが多く、音質的には決して有利とは言えないPC内部でも、デジタル化することでノイズへの耐性を高めてクリアな音楽再生環境を実現している。音楽の出口となるスピーカも、一般的なPCに付属しているものとは段違いのクオリティを誇っている。30リットルとたっぷりした容量を持つ木製エンクロージャには、ソニー製のPC用高級スピーカ「SA-PC5」に用いられているものと同じ、10cmフルレンジユニットを搭載するこだわりようだ。再生音は、まさにMDコンポに匹敵するほどの鳴りっぷりで、PCの付属スピーカとは思えないほどの、レンジが広く厚みのある音を聴かせてくれる。特にプラスチック筐体のスピーカではとても再現できないような重みのある低音が印象的だ。



DVDプレーヤ画面
DVDプレーヤはMediamaticsの「DVDExpress」をVAIO向けにチューンして採用している。映像のクオリティは高くドルビーデジタルの光出力にも対応するが、コマ送りなどの特殊再生が行えず、DTS音声にも対応しない点などはちょっと不満。

 PCV-MX5GKによるDVD-Videoの再生は、インターフェイスがMediaBarに統合されたソフトウェアDVDプレーヤで行う。MPEG2のデコードエンジンはMediamaticsの「DVDExpress」をVAIO向けにチューンしたものを搭載し、TVアニメなどデータ量の多いビデオタイトルでも、コマ落ちやコームノイズがほとんど気にならない再生画像が得られる。音声についても、ドルビーデジタル音声を光端子から出力できるほか、ドルビーヘッドフォン機能もサポートしており、手持ちのヘッドフォンでも臨場感溢れるサウンドを聴かせてくれる。ドルビーヘッドフォン機能を試してみたところ、上下方向にはそれほど音場の広がりはないが、周囲をぐるっと音に取り囲まれている感じはある。また、2chステレオと違いLFE(Low Frequency Effect)による低音域が再現されるため、DVD-Videoを迫力あるサウンドで楽しむことができ、スピーカ再生では隣近所への騒音が気になるといったユーザーに、まさにうってつけの機能だ。



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