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京王プラザホテル、全室で10Mbpsのインターネット接続サービスを無料で提供

2001年01月30日 22時50分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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(株)京王プラザホテル(東京/新宿)は30日、客室からの超高速インターネット接続サービスを4月に開始すると発表した。

同サービスは、ホテル館内の通信速度が10Mbps、ホテルからプロバイダーへの接続(館外への通信)の際の通信速度が最大3Mbpsという超高速インターネット接続サービス。客室から24時利用可能で、回線使用料(通話料金)は無料(ホテル側が負担)。国内ホテルで超高速インターネット接続を24時間無料で提供するのは京王プラザホテルが初めてという。

ホテル館内回線バックボーンとして、日本電気(株)が開発、本日製品化を発表したホテルやオフィスビル、マンション向けの超高速/高品質インターネットアクセスシステム『VDSLブロードバンドアクセスシステム』を採用。また、ホテルから外部への接続には光ケーブルを利用している。

『VDSLブロードバンドアクセスシステム』。右がセンター装置、左がリモート装置

VDSLブロードバンドアクセスシステムは、ビル内に設置するセンター装置『DATAX VC200T/F』と、各部屋に設置するリモート装置『DATAX VTUEB』で構成される製品で、VDSL技術(短距離向けのxDSL技術。最大転送速度は50Mbps程度、伝送距離は300m~1.5km程度)により既存の電話回線を利用して、10Mbpsの超高速通信を実現する。DMT方式(周波数の異なる複数の搬送波(キャリア)を使用するマルチキャリア変復調方式)を採用しているため、ノイズが少なく、大容量データを安定した通信品質で伝送できるという。

センター装置1台でリモート端末20回線分を収容可能。また1台20回線のシステムを最大5連結し、最大100回線まで対応できる。ビル内では、電話とインターネット端末が同一回線を利用するため、周波数フィルター(スプリッター)を採用し、電話への影響を最小限にとどめているという。また、既存の電話回線を利用するため、導入コストを削減できるとしている。京王プラザホテルは、同システムの第1号ユーザーとなる。

サービスを利用したいユーザーは、PCとLANカード、LANケーブルを持参し、客室に設置してあるリモート端末と、自分のPCをLANカード/ケーブル経由で接続することで利用できる。

京王プラザホテルのエグゼクティブルームはリモート端末を全室標準装備しており、その他の部屋は、希望者にリモート端末を無料で貸し出すという。この貸し出しサービスにより、ホテル全室から接続サービスが利用できるようになっている。なお、LANカードやケーブルを持参し忘れた場合はホテル側で貸し出すが、数量が限定されているため基本的に持参をお願いしているという。

本日京王プラザホテル内で行なわれた発表会で、同ホテル取締役マーケティング部長の福田優氏は、「24時間無料の超高速インターネット接続サービスの提供は国内ホテルでは初めてであり、顧客満足度を高め、競合に対する優位性を確保したい。新宿界隈はコンピュータ関連企業や外資系企業が多く、内外を問わず出張者が増加しているが、これらの客の多くがノートPCを携帯しており、インターネット接続サービスの需要が非常に高い。これらの客のニーズに対応していく」

「インターネット接続の際、館内のバックボーンは10Mbps、ホテルからプロバイダーへの接続は光ケーブルで最大3Mbpsとなっている。この3Mbpsは今後の利用状況に応じて6Mbps、10Mbpsにすることも検討する」

「VDSLアクセスシステムを製品化したのは国内メーカーではNECが初めてということで、トラブル発生時のメンテナンスや信頼性を考慮し、NECの製品を採用した」と説明した。

京王プラザホテル取締役マーケティング部長の福田優氏(右)と、NEC企業通信システム事業部事業部長の湊大作氏(左)。湊氏は「今回の京王プラザホテルのサービスを導入事例とし、今後オフィスビルや集合住宅向けにVDSLシステムをアプローチしていく」としている

京王プラザホテルが今回のサービスに投資した金額は3億円となっており、福田氏は「今後もIT技術を活用した顧客満足度の高いホテルを目指し、継続的な投資を行なう」としている。

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