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太閤立志伝IVファーストインプレッション

太閤立志伝IVファーストインプレッション

2001年01月26日 23時42分更新

文● 中村聖司

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太閤立志伝IVファーストインプレッション

コーエー

価格未定(今春発売予定)

今冬から春先に掛けて、「信長の野望 嵐世記」「提督の決断IV」「三國志VIII」とコーエーのフラッグシップタイトルが続々とリリースされる。しかしながら、もうひとつ、大事なタイトルのことも忘れてはならない。戦国一の元気玉、木下藤吉郎が主人公の「太閤立志伝IV」だ。今回は、極秘入手したα版を元にファーストインプレッションをお届け。信長な人も大和な人も劉備な人もお見逃しなく!

時代の側面を埋めるユニークなシナリオに妙味

本邦初公開(って以下の画面は全部そうだが)京の町の様子。右下は、画面を切り替えるごとにアニメーション表示される演出のひとつ。春はサクラが舞うのだ。
これが最初の主人公、木下藤吉郎。いわずもがなだが、彼は暗殺/辻斬り/博徒といった反社会的プレイを除けば、まんべんなくこなせる超優秀な武将だ。初プレイはちょちょいのちょいとクリアしてしまわねばダメです。

 気になる「太閤立志伝IV」の発売日は1月24日現在、今春予定となっている。読者の中には太閤立志伝をよく知らない人がいるかもしれないので、まずは簡単にそのゲーム内容を紹介しておこう。
 太閤立志伝は、“太閤”の代名詞的存在である木下藤吉郎(のちの羽柴秀吉、豊臣秀吉)の太く長い一生を丸ごとゲーム化したシミュレーションRPGだ。上役より足軽組頭に任命されるところからゲームは始まり、2カ月に一度開かれる評定で主命を獲得したり、合戦に参加したりして手柄を立て、足軽大将、侍大将、部将、家老、城主、国主、大名といった具合に立身出世していく。最終目標は天下統一だ。



1561年時点で、天下統一を配下に公言する織田信長の図。評定では、ガンガン発言して、なるべく難しい仕事を獲得し、かつ手早くすませるのが早く出世するコツだ。

 太閤シリーズの最大の醍醐味は、行動単位が基本的に1人であることで、たとえば敵城調査の任務を与えられたら、敵地に単身でずかずか赴き、忍術技能を使って敵城の備えを調査する。この際、敵武将にばったり出会うこともあり、露骨に嫌な顔をして去っていく者もいれば、1人で敵地に赴く度胸に感服し話を聞いてくれる者もありと、その反応はさまざま。任務遂行の途中でも、座で仕事を貰って金儲けしたり、酒場で賭け事をしたり、はたまたあてどもなく日本国内を行脚したりすることも可能で、要は主命(仕事)を期限以内にこなしさえすれば、あとは何をやってもいい。大名になってからも1人歩きが可能なので、織田信長が若い頃に南蛮物を買いに自ら堺を訪れたり、豊臣秀吉が徳川家康との和議の際に単身で訪れたりといった戦国時代の痛快なエピソードをそのままゲームで再現することもできる。自由度の高いゲームシステムと戦国時代の側面的要素をふんだんに盛り込んだ個性的なシナリオが太閤シリーズの魅力なのだ。

秀吉でゲームを開始後、一番最初にもらえる主人公カードが前田利家だ。主人公を変えようと思ったら、実はゲーム開始からわずか5分で可能なのである。が、彼は能力低めなので、すぐ変えると苦労するかも。

 太閤IVでは、以前、ニュース特別インタビューでもご紹介したように、すべての武将でプレイ可能になる。これまでは、殿は信長、嫁は“ねね”、仲のいい同僚は前田利家、嫌な上司に柴田勝家、ライバルは佐々成政といった具合に、対人関係に関してはある程度の揺るがぬ決定事項があったが、IVではその垣根がすべて取り払われる。他の武将でプレイするためには、その武将の名が記された「主人公カード」が必要で、これはどの主人公が取得してもいい。当然ながら、世代的、身分的に木下藤吉郎では取得不可能なカードもあるわけで、全部で600枚用意される主人公カードをすべて集めるためには、複数の主人公によるプレイが必要不可欠となる。秀吉から人物Aに、さらにB、Cと、どんどん主人公を変えながらカードを集め、コンプリートする頃には、戦国時代の様相が多面的にあらゆる階層から覗けるという、太閤IVはなんとも贅沢なRPGに仕上がっているのだ。



底なしに楽しいカードバトル

個人戦の様子。個人戦が始まると手持ちのカードの中から数枚が手札として配られる。手札の枚数は剣術スキルによって増減する。彼らは剣術スキルが0なので4枚。剣術スキルが3だと7枚。でも強いカードを持ってないと、勝てないのである。

 もちろん、主人公カードなんて見向きもしないというプレイスタイルも選べる。ただし、あくまで主人公カードだけは、だ。なぜならIVは、個人戦と合戦が「カードバトル」で行われるため、強いカードを集めないことにはゲームが進まないからだ。今回α版で初めてカードバトルに挑戦してみたが、武力(個人戦の攻撃力になる)がある程度高くても、強いカードがないとまったく勝てない。まったくというのは文字どおりまったくで、武力はほとんど変わらない剣術師範との勝敗は5戦全敗。何故こういうことが起こるかというと、出し合ったカードの結果でどちらが攻撃するかを決めるため、弱いカードしか所持していない場合、ひたすら斬られっぱなしになるからだ。



街道を歩いていたら、服部半蔵とばったり。忍者であることがバレバレの格好。「こいつ強いカードもってんだろうなぁ」と、思わず辻斬りボタンに手が伸びるが、藤吉郎で勝てるわけないので、とっと退散。
唯一の配下である弟木下小一郎に、偉大なる兄貴の力を見せつけておこうと思って個人戦に挑んだら負けた(笑)。てめー! いつのまに特殊カード隠し持っていたのだ。

 「強いカード」というのは、誰でも所持している「攻撃」カードより優先順位の高い「特殊」カード(全31種類)のことで、これを場に出すと無条件に攻撃できるのだ。いわゆる剣豪/忍者たちは、始めから特殊カードをごっそり所持しているため、通常の武将ではまるで太刀打ちできない。この特殊カードは、他の武将との手合わせや忍びの里の鍛練場などで鍛練を行うことで入手できるので、剣豪プレイを目指すなら武将との手合わせと鍛練場通いが基本だ。一方の合戦(野戦、攻城戦)は、まだ未完成ということで、詳しい説明は次回のレビューに回すことにしたい。



通常は攻撃カード3枚を双方が出し合って、数値の大きさによって攻撃権を獲得する。さらに、画面のように7、6、3なら「南無三」というようなコンボ技も用意されている。ただし、これも特殊カードには勝てないのである。がっくり。
カードアルバム画面。最初は「木下藤吉郎」の主人公カードのみを所持した状態からゲームが始まる。どうりで個人戦が弱いわけだ。
今回は合戦についてはほとんど触れられなかったので、所持していると合戦の際に有利になる「合戦カード」をご紹介。三段撃ち、五月雨撃ちなど射撃系カードは、ホントに強いぞ。

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