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リスクII 完全日本語版

リスクII 完全日本語版

2001年01月21日 22時25分更新

文● culi

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リスクII 完全日本語版

メディアクエスト

7800円

ASCII DOS/V ISSUE2000年11月号の「ゲームの缶詰」で紹介して早3カ月あまり。ほかの製品発売が立てこんで、スケジュールが押しまくっていたが、いよいよ2月2日に「RISK II」が店頭に並ぶ。今回はDOS/V ISSUE11月号の掲載記事よりレビューを再掲。ボードゲーム好きは、ぜひ注目の逸作だ。

 以前、月刊ASCII DOS/V ISSUE2000年10月号で「ディプロマシー」を紹介したとき,引き合いに出したタイトルが「RISK(リスク)」だった。ワタシ自身はまったく知らず,まさに奇遇なのだが,今回紹介するのはそのRISKのPC版,Microproseの「リスクII 完全日本語版」だ(発売元はメディアクエスト)。このゲームのオリジナルも,ディプロマシーと同様に40年以上の歴史を持つ,その筋では有名なボードゲームで,以前は日本語化されたボードゲームも売られていたので,ディプロマシーよりは遊んだことがある,もしくはタイトルを聞いたことがあるという人も多いのではないだろうか。

「クラシック リスク」。中央はリスクカードウィンドウだ。カードを交換するごとに受け取る増援戦力がハネ上がる「増加セット」ルールを使うと,劣勢プレイヤーにも大反攻のチャンスができる。

 ゲームの内容と目的は,ひとことで言えば「世界征服」。エリアで区切られた世界地図上で,ライバルを撃破しつつ覇権を目指す。ただし,ボードゲームの時代からRISKには勝利条件のバリエーションがあり,単に大半のエリアを支配する以外に,他勢力の首都(エリア)をいくつか占領するという条件や,カードでランダムに指示される勝利条件(特定の大陸の完全占領など)のクリアを目指すルールなどがある。このリスクIIでも当然,これらの勝利条件のどれでも適用可能だ。
 さて,タイトルに“II”と付くぐらいだから,PC版の無印「RISK」が存在する(Windows 95用,ハズブロインタラクティブジャパンが日本語版を発売)。実は私,ずいぶん前に英語のDOS版も見かけたような気がするのだが,Hasbro/MicroproseのWebサイトでは確認できなかった。グラフィックスの改善などは当然として,無印とIIとの最大の違いは,「セイムタイム リスク」という新ルールが追加されたことだ。



「セイムタイム リスク」で攻撃の計画中。複数エリアからの同時攻撃なども可能だが,空いたエリアへの敵の攻撃には注意! なお,クラシックでも「オプション設定」でハワイなどの新エリアを使用できる。

 オリジナルルールのRISK(リスクIIでは「クラシック リスク」と呼ぶ)の特徴は,ずばり「戦闘をダイスで解決する不確実性」である。攻撃側と防御側がそれぞれダイスを振り,出た目の小さい方の部隊を1戦力ずつ除去する(同じ目なら攻撃側が負け)という単純な方法なので,たとえ敵の数倍の大軍で攻め立ててもダイスの目=運次第ではこちらが全滅,なんてことすらある。このあたりが偶然性を一切排除したディプロマシーとの大きな違いだった(RISKでは同盟などの外交交渉を一切行わなくても,勝利できる可能性はある)。だが,セイムタイム リスクでは,(1)クラシックではプレイヤーが順番にプレイしていたのに対して,戦闘/移動などを全プレイヤー一斉に計画し,解決も同時に処理する,(2)戦闘解決の際,12面ダイス(各面には1~6の目が複数記されている)を1つ使うが,戦力が大きいほど確率的に大きな目が出やすいという補正がある,(3)クラシックルールにもある“リスクカードによる増援戦力ルール”(敵地を占領すると入手でき,特定カードを3枚集めると増援戦力が得られる)が,一番穏当な「一定セット」だけに限定される,などの新ルールが採用されている。これにより,クラシックと比べてプレイ順による有利不利がなくなり,偶然性も少し抑えられている。要するに,「人事を尽くして」も「運に恵まれない」とダメなときはまったくダメなのがクラシック,頭を使えば多少なりとも勝利の可能性を広げられるのがセイムタイムというわけだ。もちろん,同時処理になったのも善し悪しで,常に敵の動きを予測しながらこちらの行動を考えなければならない分,ゲームとしての難度は高くなっている。



セイムタイムの戦闘は,色付き12面ダイスの目を比べる。大戦力になるほど大きな目が出やすい色のダイスが振れる。負けたときの損害もダイスの色次第で,一度に2戦力以上が失われることも。

 また,セイムタイム リスクではマップも一部変更されている。ハワイやニュージーランド,フォークランドなどの新エリアと,それぞれのエリアへの連絡ルートが追加された。その結果,クラシックのマップでは比較的防御しやすかった南アメリカ大陸やアフリカ大陸も,今までよりは敵からの攻撃を受けやすくなった。  かつてボードでプレイした仲間同士が旧交を温めるならクラシック リスク,ボード版は知らないがいつものSLGやRPGとは趣が違うネットプレイをしてみたいという人にはセイムタイム リスクという具合に,リスクIIは幅広いユーザーに対応し,繰り返し遊べるタイトルだ。できれば,友人同士でプレイできるように,2ライセンスがセットになったパックなどがあればより手軽だろう。


開発元 Hasbro Interactive
発売元 (株)マイピック(メディアクエスト)
問い合わせ先 03-5805-3629
価格 7800円(2月2日発売予定)
対応OS Windows 95/98/Me+DirectX 7a
CPU Pentium-166MHz以上(同-233MHz以上を推奨)
メモリ 32MB以上(64MB以上を推奨)
ビデオ 800×600ドット/6万色
HDD 70MB以上
CD-ROM 4倍速以上(16倍速以上を推奨、起動時必須)
マルチプレイ 最大8人までの通信対戦(DirectPlay対応)

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