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ガス冷マシンを作ろう! 第1回

ガス冷マシン完全自作編 ~その1~

2001年01月23日 18時41分更新

文● 森本琢司

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 オーバークロッカーあこがれの的、ガス冷マシン。今回は、無謀にもガス冷方式のCPU冷却装置を製作する。コンプレッサーを使用すればCPUを氷点下まで冷却することも夢ではないのだ。メーカー保証も経済性もはるかに超越した最強最速PCを自作してみよう。目標はマイナス40℃、Athlonで1.5GHz動作だ!

■ガス冷プロジェクト始動!

 高性能なPCを自作する上でこだわりたいパーツのひとつがCPUクーラーだ。一般的な製品はヒートシンクにファンで風を送り込む強制空冷方式のものだが、近頃ではペルチェ素子を使用した電子冷却のCPUクーラーや、水冷方式、ガス冷方式まで各種の冷却装置が市販されている。ここまでくるともう経済性やメンテナンス性などとは縁遠い世界だが、大型コンピュータでは水冷、ガス冷といった冷却方式を採用するものが主流である。自動車でいえばフォーミュラカーのような、何かを捨てて何かを得るといった冷却方式がガス冷なのだ。
 というわけで、担当デスクから頂いた「お題」は、「ガス冷方式で、静かで、ケース一体型」という難しいもの(そりゃちょっと無理なんじゃ…)。市販ガス冷ケースのVapochillを超えるガス冷マシンの製作をめざしガス冷プロジェクト始動なのだ!!

■コンプレッサーの調達

 まずはコンプレッサーを調達しなくてはならない。これだけはどうにも自作するわけにはいかないので、完成品を入手する必要がある。しかしながら単品で販売されているコンプレッサーは個人で入手できるような代物ではないので、組み込まれている製品を丸ごと一式入手することになる。
 コンプレッサーの組み込まれた製品で入手性の良い物を考え、まずは電気屋さんで適当な機械を物色。最初は冷蔵庫かクーラーをねらっていたのだが、普通の小型冷蔵庫のコンプレッサーは消費電力50~100W前後なので、出力的に少々小さすぎる。クーラーは窓用エアコンクラスでも500W以上あり、ケース内に内蔵するのは絶望的…。というわけで衣類乾燥用として販売されている除湿機のコンプレッサーが、ちょうど消費電力200W前後で都合が良いことがわかった。室内で使用する機器なので、騒音も小さいと思われる。お値段は2万円前後。どうせ分解するので新品の必要はない。

リサイクルショップ

 お目当ての品が決まったらリサイクルショップで中古品を探そうということで、電気屋さんからリサイクルショップへ直行だ。近頃は当研究所近辺にもリサイクル運動のおかげか、はたまた不景気のせいか大規模なリサイクルショップが営業中だ。ところが、いざ除湿機を探し始めて気づいてみると季節的に今は真冬。除湿機よりも加湿機が必要な季節だったりする。どこのお店も除湿機の出物がない。「えっ! 加湿機じゃなくて除湿機? 何に使うの~」のような会話をくり返し、やっと除湿機を発見した。奥の方から引っ張り出してもらった季節はずれの商品に当然値札はついてない。「分解するんじゃあねぇ~、3,000円でどう」と言われて即、購入決定。さっそく研究所へ帰って分解開始だ。

店内には様々なリサイクル品が、ところ狭しと並んでいる。冷蔵庫の中古品もあって気になったが、除湿機の方が高出力なうえお安い
購入した除湿機(前面)

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