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ThinkPad T21(2647-9AJ)

ThinkPad T21(2647-9AJ)

2001年01月19日 18時11分更新

文● 丸尾

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ThinkPad T21(2647-9AJ)

日本アイ・ビー・エム

51万5000円(希望小売価格)

ThinkPadは,IBMのグローバルなノートPCブランド。その品質や使いやすさに対するこだわりは、ビジネス、パーソナル問わず世界中のユーザーから信頼されている。ThinkPad T21は、いわばThinkPadの中のThinkPad。ThinkPadブランドの看板を背負って立つフラッグシップである。2000年10月に発表されたモデルの評価としては遅くなってしまったが、せっかく実機を借用することができたので、発表から時間が経ってもまったく色褪せることのないその魅力をお伝えしよう。

最高クラスのスペックを2.5kg/33.1mmに凝縮
ThinkPadの伝統を継ぐフラッグシップモデル

 ThinkPad T21は、2000年に「ThinkPadミレニアムモデル」として発表されたThinkPad T20の後継機。同社のThinkPad 600のコンセプトを受け継ぎ、操作性や使い勝手にいっさい妥協せず最高クラスのスペックを薄型の筐体に詰め込んでいる。日本ではより小さなモバイルPCに注目が集まる傾向があるが、世界的に見ればこのA4薄型のカテゴリがノートブックPCの王道的な存在だ。スペックでは重量やサイズの制限が緩いA21pのほうが高いのだが、ThinkPadを代表するフラッグシップといえば、やはりこのT21ということになるだろう。スペックの違いで3機種、それぞれプリインストールOSの違いで2モデルずつあり、計6モデルが発表されているが、ここではWindows 2000 Professionalプリインストールの最上位モデル「2647-9AJ」を評価機とした。

 まずは基本スペックから見ていこう。CPUは現時点でノート用最高速のPentiumIII-850MHz。SpeedStepテクノロジにより、バッテリ駆動時は700MHzで動作する。メインメモリはマザーボードにオンボード搭載ではなく,裏面に2つあるスロットの1つに128MBytesのモジュールを装着している。ビデオチップはS3のSavage/IX8(AGP)で,8MBytesのビデオメモリをチップに内蔵している。HDDは32GBの大容量、回転速度5400rpmの高速なものを搭載する。液晶モニタはT20と同じ14.1インチTFTだが、最上位モデルでは1440×1050ドット/フルカラーという高解像度表示が可能となった。その分重量はT20の2.36kgから若干増して、2.5kgとなっている。

裏面
裏面。メモリソケットは右下のフタを外すと現れる。オンボードのメインメモリはなく、2つのメモリソケットのうち1つに128MBのSO-DIMMモジュールを装着している。中央やや右のフタはMiniPCIのスロット。標準で10BASE-T/100BASE-TXのEthernet,56kbpsモデムのコンボカードを装着している。
 「ThinkPadミレニアム」のコンセプトは、従来からのThinkPadのこだわりをより徹底させたもの。全機種で共通性の高いデザイン/レイアウトを採用し、どの機種も同じような使いやすさで操作できるほか、機種の違いを超えて利用できるよう、ACアダプタなどの付属品や追加オプション品などの共通化も図られている。本機にもA20やX20と共通の交換式ベイ「ウルトラベイ2000」を装備。標準装備のDVD-ROMドライブのほか,オプションで用意されるCD-R/RWドライブ,SuperDiskドライブなど多彩なデバイスが内蔵可能だ。液晶パネル上面には、USBベースの拡張コネクタ「ウルトラポート」を装備しており、オプションで販売されているUSBカメラをケーブルレスで装着可能。暗がりでキーボードを照らす「キーボード・ライト」機能も搭載している。



T21キーボード真俯瞰
キーボード。ThinkPadで伝統的に採用されている7段配列でWindowsキーなどはない。ピッチは19mm、ストロークは3mm。ThinkPad 600やThinkPad 570と比べるとストロークが深い分ソフトな感触だが、しっかりとしたクリック感は健在。
 長年の研究開発やユーザーニーズのフィードバックによる、各種機能やインターフェイスの配置、キーボードの打ち易さなどといったユーザビリティに関してはもはや文句を付けるところは見あたらない。チタン配合のCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic=カーボンファイバ配合のプラスティック)素材を使ったボディは素晴らしい剛性感があり、上質な塗装による高級感も大いに魅力的だ。小脇に抱えた時のタイト&ソリッドな感触は、機械部品というよりは石のようにも感じられる。実売価格は45~50万円と、誰にでも購入を勧められるものではないが、スペックや機能だけでなく、ボディデザインに素材品質、ユーザビリティ……どれをとっても超一流。カタログスペックや価格の単純な比較では表せない価値を持つノートブックだ。



前面
質感の高さが表れている前面。中央下部にはステレオスピーカがあり、中央上部にはUSBベースの拡張コネクタ「ウルトラポート」がある。
背面
ポート類がぎっしり詰め込まれた背面。左から、キーロック、PS/2、シリアル、パラレル、CRT、モデム、LAN、ACアダプタ、USB、PS/2。
右側面
ホットスワップ可能な「ウルトラベイ2000」を搭載。標準ではDVD-ROMドライブを装着しているが、付属のFDDや、オプションで販売されているCD-RWドライブやセカンドバッテリなどとの交換が可能だ。
CPU Mobile PentiumIII-850MHz
メモリ 128MB
液晶 14.1インチ
解像度 1440×1050ドット/フルカラー
HDD 32GB
DVD-ROM DVD8倍速/CD24倍速
通信 LAN、モデム
サイズ 304(W)×250(D)×33.1(H)mm
重量 2.5kg
OS Windows 2000 Professional
Officeアプリ Lotus Super Office 2000(ライセンスのみ、CD-ROMは実費)

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