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exDrv

exDrv

2000年12月28日 00時27分更新

文● 岡本

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exDrv

(株)ノバック

1万8800円

ノバックから、ATAPI機器のインターフェイスをIEEE1394に変換して、IEEE1394ポートを持つPCに接続できる外付けドライブケース「exDrv」が登場した。安価で豊富に存在するATAPI対応ドライブを、外付けで利用できるため、さまざまな使い方が考えられるケースだ。

さまざまなATAPI対応ドライブが
IEEE1394対応機器に早変わり

 IEEE1394(※1)は、SCSIに比べて簡便に利用でき、それでいてUSB(最大12Mbps)より遥かに高速(最大400Mbps)と、今後の発展が期待されている汎用インターフェイスであり、最近のメーカー製PCの多くに標準でポートが用意されている。しかし、実際の製品はというと、DV関連機器との接続が注目されるばかりで、現時点では対応製品はまだまだ少ない。

 そんな中、登場した「exDrv」は、市場に多数存在するPC内蔵用のATAPI対応ドライブをIEEE1394ポートに接続できるよう、インターフェイスを変換する機能を持つ外付けドライブケースである。

内蔵ドライブとexDrvの接続部。この小さな基板によって、IEEE1394とATAPIの変換が行われているわけだ。

 使い方はというと、通常のSCSIタイプの外付けケースと同様に、使用したいドライブをケースの中に固定し、IDEと電源の各ケーブルを接続するだけ。このときATAPI機器は「MASTER」になるように設定しておく。ドライブ内部のIDEケーブルと外部のIEEE1394ポートの間には、ATAPIとIEEE1394を相互変換する基板が用意されており、ここで自動的にプロトコルが変換される。

 一方、OS側の設定は特に何もする必要がない。IEEE1394に対応したWindows 2000などのOSには、HDDやCD-ROMドライブ、MOドライブなどの一般的なドライブ用の標準ドライバがすでに搭載されており、exDrvとPCをIEEE1394ケーブルで接続すれば、ドライブが自動的に認識されると同時にマウントされ、アクセスできるようになる。



デバイスマネージャ上では、本来のドライブ名と違う名前で表示されていても、CD-Rライティングソフト側ではちゃんと認識が可能である。また、これは完全にメーカーのサポート外の利用法となるが、CD-Rライティングソフトの「B's Recorder GOLD」と「WinCDR 5/6」の最新版でも、exDrv内蔵ドライブを本来のドライブ名で認識して利用することができた。

 しかし、CD-RWドライブやDVD-RAMドライブなど、専用のソフトウェアによって、データの書き込みやフォーマットなどの操作を行うデバイスについては、ソフト側の対応が必要となる。メーカーで動作を確認しているのは、CDライティングソフトはアダプテックの「Easy CD Creator4」、DVD-RAM書き込みソフトはソフトウェア・アーキテクツの「WriteDVD!」(exDrv+WriteDVDはWindows 2000環境に未対応)の2つである。これらのソフト上では、デバイスマネージャで「1394-IDEBridge IEEE 1394 SBP2 Device」などと表示されているexDrv内蔵のドライブも、本来のドライブ名で認識することができ、ATAPIでの接続時と同じように利用できるのだ。

 なお、メーカーでは、これらのソフトウェアに対応したドライブであっても、あらゆるATAPIデバイスの動作を保証している、というわけではない点には注意してほしい。ちなみに、動作が確認されているデバイスの一覧はノバックのWebサイトに記載されているので、そちらを参照してほしい。

 今回、HDDやCD-RWドライブなどを実際に接続しての使い勝手はというと、テスト環境にWindows 2000を使用したこともあって、非常に安定して利用することができた。詳細なベンチマークを行ったわけではないが、ヤマハの最新CD-RWドライブ「CRW2100E-VK」を接続した場合には、16倍速でのCD-R書き込みでも書き込みエラーが生じなかったほか、Maxtor製のHDD(DiamondMax 40 92049U4)を接続した場合は、約15~18MB/秒程度の速度でアクセスできるなど、インターフェイスが変換されていることを、実際の利用上で気にするケースは存在しなかった。

 また、上記の2つの機器では、Windows 2000のタスクトレイにある「ハードウェアの取り外し」アイコンから操作することで、OS起動中にデバイスを取り外したり、また接続したり、といったプラグ&プレイ動作についてもまったく問題が無かったことを付け加えておく。

 価格は1万8800円。対応OSは、Windows Me/2000(Windows 98 SEは、マイクロソフトが配布しているIEEE1394ドライバのアップデートを行うことで利用可能になる)。ATAPI対応機器を外付けで利用したいと考えている人はもちろん、ノートPCの拡張手段としても、非常に有効な製品といえるだろう。



exDrvの背面部。IEEE1394ポートが2ポートのほか、音楽CD用のオーディオ出力端子が用意されている(CD-ROMドライブのオーディオ出力端子と接続するケーブルが内部に存在する)。ターミネータやIDの設定などが必要なく、ケーブルを差せばいいだけという簡便さもIEEE1394の大きなメリットである。
6ピン、4ピンの2タイプのケーブルのほか、3.5インチドライブ用のマウンタも付属している。このマウンタを利用すれば、HDDや内蔵用の3.5インチMOドライブなども搭載可能になる。
製品名 exDrv
対応OS Windows Me/2000(98 SE)
インターフェイス IEEE1394(6ピン)×2
サイズ 190(W)×250(D)×57(H)mm
※1 パソコンの周辺機器だけでなく、デジタルカメラなどのデジタル機器同士の接続も可能にした高速シリアルバスの規格。PCのほか、デジタルビデオカメラやビデオデッキなどが搭載している。(アスキー デジタル用語辞典「IEEE1394」より一部抜粋)

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