“Socket7”(または“Super7”)用のCPUとしては最速となるK6-IIIE+-550MHzがアキバに登場した。Socket370/SocketA全盛の今にあって、2世代前のアーキテクチャ用CPUだ。
電圧はコアが2.0V、I/Oが3.3Vと、従来から販売されているK6-2+やK6-IIIと同じ。このコア2.0V仕様のK6シリーズはAMDいわく“モバイル用”で、“E”は“Embedded Processor”の略となっている。なお、K6-IIIでは2次キャッシュをオンダイで256KB搭載し、マザーボードによっては基板上に実装する2次キャッシュ用SRAMを“3次キャッシュ”として使えるのが特徴と言えよう。
昨年の秋頃に128KBの2次キャッシュをオンダイで搭載するK6-2+が登場してからというもの、1度死にかけたSocket7は再び息を吹き返した感がある。Athlon-1GHzが2万円台前半の値をつけた際に、いくつかのショップで「Socket7ユーザーがようやくAthlonに乗り換え始めた」と聞いたが、それだけまだSocket7のユーザーはいるわけだ。
価格はOVERTOP2で1万5800円。これはバルク品のAthlon-800MHzとほぼ同等であり、お買い得感は薄い。しかし、奥さんにバレると困るなどといったやんごとなき事情のためにBabyATのSocket7マシンを使い続けてきた人が、冬のボーナスでこっそりパワーアップを企てたりするには十分に魅力のあるCPUだと言えるだろう。もちろん“Socket7最速”を求めるため、人柱になることもいとわない人なら、年末年始はコレで決まりである。