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AtermITX72

AtermITX72

2000年12月18日 00時00分更新

文● 山崎

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AtermITX72

NEC

3万2800円

累計200万台以上の出荷台数を誇るTA「Atermシリーズ」のニューモデル「AtermITX72」は、1つのダイヤルアップ接続を利用して2台のPCから同時にインターネットにアクセスできる「ITMUX」機能の搭載など、従来機種そのままの高機能ぶりに加え、フロントパネルの液晶パネルを大型化して表示可能な情報量を増大するなど、より使いやすいTAへと進化した。

従来機種からの高機能を受け継ぎ、さらに使いやすさを追求

 「AtermIT/ITXシリーズ」の最上位機種となる「AtermITX72」は、1台目のPCで確立したインターネットへのダイヤルアップ接続に、AtermITX72に接続している2台目のPCを相乗りさせて、ダイヤルアップルータと同様に2台のPCで同時にインターネットへのアクセスが可能な「ITMUX」通信機能を搭載する高機能TAだ。PCとの接続用にシリアルとUSBポートをそれぞれ1つずつ装備し、ITMUXを利用せず2台のPCから同時に別々のプロバイダへ接続したり、あるいは同じプロバイダの異なるアクセスポイントを利用してダイヤルアップするほか、別のユーザーとしてログインするなど、従来機種から引き続き多彩なダイヤルアップ形態での利用を可能にしている。

 さらにシリアルポートとUSBポート間で電話回線のエミュレーションが行えるので、一方のポートに接続したPCをダイヤルアップサーバとして設定しておき、もう一方に接続したクライアントPCからサーバPCへダイヤルアップすることにより、ダイヤルアップネットワークを確立して2台のPC間でファイルやプリンタの共有を行えるなど、ローカル環境でも活用しがいのあるTAだ。

AtermITX72本体前面
AtermITX72は、本体前面に装備する液晶パネルが大型化されると共に、操作ボタンも改良され、PCを使わなくても各種設定の変更や表示の切り替えが行いやすくなっている。

 今回のバージョンアップでは、本体前面に装備する液晶パネルの大型化と、操作ボタンの数が増えたことによる操作性の向上が大きなポイントだ。従来機種の液晶パネルは英数およびカタカナのみの12文字×2行表示と、シンプルなアイコンで動作状態や通信履歴を示すだけだったのに対し、AtermITX72では漢字にも対応した8文字×5行(英数とカタカナは16文字×5行)表示へと情報量が増大したほか、アイコンによる天気予報や着信メールのサブジェクトなども表示可能(※1)になるなど、単なるデータ通信の中継機としてではなく、単体でも活用できるTAへと進化している。

※1 NECの運営するインターネット接続プロバイダ「BIGLOBE」へ加入し、メール着信通知サービスとそのオプションである天気予報通知サービスの契約が必要(メール着信通知サービス利用料金は300円/月。メール着信通知と天気予報通知は60円/月で合計30通まで。超過分は2円/通知)。



液晶パネル表示サンプル
NECの運営するインターネット接続プロバイダ「BIGLOBE」ユーザーなら、メール着信通知や天気予報通知サービスと組み合せてAtermITX72をより便利に活用できる。左は着信メールのサブジェクト表示画面。右は天気予報通知画面。

 3つ装備するアナログポートは、従来機種から極性反転可能な48V給電を実現しており、アナログ電話機やモデム、ファクスをはじめビジネスホンなど幅広いアナログ機器の接続に対応していたが、AtermITX72ではそれに加え、それぞれのポートに3台までのアナログ機器をブランチ接続できるようになったため、合計9台までのアナログ機器が接続可能になっている。それらアナログポートは「INSナンバー・ディスプレイ」「i・ナンバー」をはじめとするINSネット64の最新の付加機能へ対応するほか、NTTとのフレックスホン契約なしに「INSキャッチホン」や「着信転送」、「三者間通話」と同等の機能を実現する疑似機能を従来機種と同様に搭載している。また本体前面には引き続き「でかけるボタン」を装備し、在宅時と外出時に使い分けたい着信転送などの機能を簡単にオン/オフできるなど、アナログ電話をより便利に活用するための機能が豊富に揃っている。

 これらの豊富な機能は、すべて付属の設定ユーティリティ「らくらくアシスタント」でわかりやすく一元的に管理されており、添付のCD-ROMにはTAの接続と設定方法を音声と映像で解説してくれる「セットアップガイド」ムービーも収録されているなど、初めてTAを導入するユーザーでも戸惑うことなく使い始められるはずだ。また、より高機能なTAへ乗り換えたいというベテランユーザーにとっても、目的の設定を素早く行えるよう操作性の向上が図られた付属ソフトのメリットは大きいだろう。

らくらくアシスタントメニュー画面
AtermITX72の各種機能設定やデバイスドライバのインストールなどは、すべて「らくらくアシスタント」から行える。メニューは細かく分かれているので、目的の項目にアクセスしやすい。
セットアップガイド画面
音声と映像によって、AtermITX72の導入方法をわかりやすく解説してくれる「セットアップガイド」。AtermITX72機能説明や設定方法のほか、INSネット64の付加機能の紹介なども収録されており、TAの入門には最適。

 ダイヤルアップルータはちょっと敷居が高く感じるけど、2台のPCから同時にインターネットにアクセスしたいというユーザーにとって、ITMUX通信機能を搭載するAtermITX72はベストな選択肢の1つであることは間違いないだろう。

 今回のバージョンアップでは、AtermITX72と機能的にはほぼ同等だが、アナログポートが2ポートになる「AtermITX62(2万8800円)」と、ITMUX通信機能が省略されるほか、操作ボタンがハート型になっているなど柔らかなデザインを採用する「AtermIT42(2万4800円)」も同時にリリースされている。自分のPC環境と目的に合わせて選べる3モデルのラインナップだ。

AtermITX72本体背面および側面
AtermITX72は、背面にU点、3つのアナログポート、USB、シリアルの各端子とオプションの「S点ユニット(4800円)」増設用スロットを搭載。側面には停電時のバックアップ用乾電池ボックス(単3×4)を搭載する。
AtermIT42本体
AtermITX72の妹モデル「AtermIT42」。ITMUX通信機能が省略されるほか、アクセントカラーにピンクを採用し、フロントパネルの操作ボタンをハート型にするなど、女性ユーザーを意識したデザインとなる。
接続回線 INSネット64、OCNエコノミー
インターフェイス アナログ×3、シリアル、USB
対応OS Windows 98/Me/2000 Professional、Mac OS 8.6J/9J
サイズ 58(W)×133(D)×172(H)mm
重量 500g

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