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TURBO MO MO646S1S

TURBO MO MO646S1S

2000年12月16日 00時49分更新

文● 内田

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TURBO MO MO646S1S

オリンパス光学工業

5万6000円

CD-R/RW、DVD-RAMといった光ディスク系リムーバブルメディアが躍進を続ける一方、日本国内では今もなお高い支持を集めている磁気ディスク系リムーバブルメディア、MO。そのMOドライブのトップメーカーであるオリンパスから、市場最速となるメディア回転速度6000rpmの新ドライブが登場した。

10倍速CD-RWに匹敵する
高速な書き込み性能

 オリンパスの最新MOドライブ「TURBO MO MO646S1S」は、640MB MOメディア対応の外付けMOドライブで、オリンパスのMOドライブの中ではフラグシップモデルとなる、最高峰の製品だ。今回の最も注目すべき点は、何といってもついに6000rpmに到達したメディア回転速度だ。前モデルにあたる「TURBO MO 640S III」ではメディア回転速度は4636rpm、最大データ転送レートは5.1MB/秒であったが、史上最速となる6000rpmの回転速度と、これに加えてさらにチューンが進んだキャッシュアルゴリズムを持つ2MBのキャッシュメモリ「2MBマルチオプティマイズドキャッシュ」の搭載などにより、最大転送レートは6.5MB/秒に達した。実際の実力については、後述のベンチマークテストを参照いただきたいが、ほぼ同様の使用感を持つパケットライトを使用したCD-RWへの10倍速書き込み時に匹敵する性能を持っている。

 インターフェイスはSCSI-2/UltraSCSI(アクティブターミネータを内蔵)。本機には、SCSI-USB変換ケーブルを同梱する「USBセット」というパッケージ(型番:MO646S1S/U2)も用意されているが、本機より回転速度、転送レートの遅いTURBO MO 640S IIIでもUSB接続よりもSCSI接続のほうが高いパフォーマンスを出していたので、本機のパフォーマンスをフルに出すにはやはりSCSI接続が必須だろう。

 これらのスペックの向上に加え、本機では筐体のデザインが一新されている。前モデルに対し本体容積比58%、重量は65g減の715gとコンパクト化が進み、TURBO MO 640S IIIはシルバーメタリック単色またはスケルトンタイプの2パターンだった外装は、シルバー&ブラックのシックなツートーンカラーに変更され、フラグシップモデルとしての「雰囲気」も感じられるデザインとなっている。また、低電圧設計による発熱対策により、ファンレス構造となっているので、MO特有のアクセス音は気になるものの、駆動音はかなり静かな駆動音だ。MOドライブの中には、ドライブにセットしたメディアがかなり熱くなるものもあるが、本機の場合はメディアが帯びる熱はほとんど気にならない。

本体背面。SCSIコネクタのみの非常にシンプルな構造だ。なお、ACアダプタのコネクタとSCSI ID変更スイッチは左右側面にそれぞれ位置する。

 注目のベンチマークテストを紹介する。今回のテストでは、(1)10~200MBの大容量ファイル4個(計327MB)、(2)数KB~10MB前後の小容量ファイル1100個(計327MB)、の2パターンのデータを、オーバーライト対応の640MB MOメディアにコピーする、という作業にかかる所要時間を計測した。比較対象としたCD-RWドライブ(ティアックシステムクリエイト「CD-RW512EKB」)では、パケットライト(ソフトはビー・エイチ・エー「B's CLiP」を利用)を使用し、MOと同様にExplorer上で、HighSpeed CD-RW対応メディアに対して10倍速でデータのコピーを行った。

 結果を見ると、大容量ファイルのコピーについては、TURBO MO MO646S1Sに軍配が上がり、CD-RW+パケットライトより40秒近く速く作業を完了する。一方、小容量ファイルになると、CD-RW+パケットライトでは大容量ファイルのコピーとの所要時間の差は小さかったが、MOでは総容量がほぼ同じなのにもかかわらず1.6倍もの時間がかかっている。得手不得手がかなりくっきりとあるものの、トータルすると、10倍速書き込みのCD-RWに匹敵する成績といってもいいだろう。

大容量ファイル4個(計327MB)および小容量ファイル1100個(計327MB)のデータコピーの所要時間(単位:秒)。

 このベンチマークテスト結果だけ見ると、特に小容量のファイルを大量にコピーする用途が多い場合にはCD-RWが有利、ということになるわけだが、パケットライトの導入の手間、メディアのフォーマット時間(640MB MOでは未フォーマットメディアのフォーマットが約3分で終了するが、CD-RWでは30分以上かかる)という点まで考慮すると、MOが有利な点も多い。価格は5万6000円で、実売価格は4万円台半ば程度と、低コスト化が著しいCD-RWドライブに比べると価格面ではやや劣る。しかし、アプリケーション導入の必要がない手軽さと、過去の資産流用やオフィスを中心とした今なお高い普及率を考慮すると、10倍速書き換え時のパケットライトに匹敵する書き込みスピードを持つ本機は注目すべき製品である。

メディア回転速度 6000rpm
最大データ転送レート 6.5MB/秒
キャッシュ容量 2MB
インターフェイス SCSI-1/SCSI-2/UltraSCSI
サイズ 118(W)×166(D)×34(H)mm
重量 715g

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