Pentium 4が11月21日に発表されて以来、1ヵ月が経過し、各社から対応マザーボードが揃ってきた。ここではIntelから公開されている各種データシートを見ながらPentium 4やi850チップセット特有の仕様を解説しつつ、各社から登場してきたPentium 4マザーボードを紹介していこう。
Pentium 4マザーボードの主な特徴
i850チップセットとRDRAM
Pentium 4は、マイクロアーキテクチャに大幅な変更が加えられたと同時に、バスアーキテクチャも大きく変更されており、Pentium 4マザーボードは従来のPentiumIII/Celeron用マザーボードとはさまざまな面で仕様的に異なっている。どこがどのように違っているのか、ひとつひとつ見ていこう。さて、Pentium 4マザーに共通してみられる特徴には、下記のようなものがある。
- Socket 423搭載
- i850チップセット搭載
- RIMMを2枚1組で利用
- AGPスロットは動作電圧1.5Vのカード専用
- CPUクーラーの装着方法が特殊
- 「ATX12V」規格対応電源が必須に
まずはソケットの形状だ。Pentium 4は、PGA(Pin Grid Array)と呼ばれるソケットタイプのパッケージで提供される。ソケットは423ピンの「Socket423」で、当然ながらSocket 370(370ピン)のPentiumIIIやCeleronを挿して利用することはできない(逆も不可)。
i850のMCH(Memory Controller Hub)である「82850」。通常は背の高いヒートシンクで覆われているが、それを外すと、SECC2時代のPentium IIIのようなOLGA(Organic Land Grid Array)パッケージが現れる。 |
i850のI/O Controller Hubは、i815Eやi820Eで利用されているものと同じ「ICH2」を使っている。IDEコントローラはUltraATA/100だ。 |
Pentium 4システムのFSBは400MHz。クロックジェネレータが生成する100MHzのクロックを「Quad Pump」という技術で、アドレスを200MHz、データを400MHzにして転送しているのだが、我々がマザーボードを利用するときに意識する点は特にない。ただし、FSBのデータクロック(400MHz)も、CPUクロック(1.4GHzまたは1.5GHz)も、クロックジェネレータで生成する別々の100MHzのクロックをベースに作る。別々に供給されているとはいえクロックジェネレータ内部では同じ生成ロジックを使って生成されているため、オーバークロックなどをする際にどちらかをいじると両方に影響が出る。たとえば、FSB設定クロックを110MHzにするとFSBは440MHzとなり、CPUの動作クロックは1.65GHzとなる。
i850 | i815E | i820E | ApolloPro133A | |
FSB | 400MHz | 66/100/133MHz | 100/133MHz | 66/100/133MHz |
CPUバス最大帯域 | 3.2GB/秒 | 1GB/秒 | 1GB/秒 | 1GB/秒 |
メインメモリサポート | RDRAM2チャンネル | SDRAM | RDRAM | SDRAM、VC-SDRAMほか |
メインメモリデータ転送クロック | 600MHz×2/800MHz×2 | 100/133MHz | 800MHz | 66/100/133MHz |
メインメモリ最大帯域 | 3.2GB/秒 | 1.06GB/秒 | 1.6GB/秒 | 1.06GB/秒 |
メインメモリ最大容量 | 2GB | 512MB | 1GB | 2GB(PC100)/1.5GB(PC133) |
AGPサポート | 1x/2x/4x | 1x/2x/4x | 1x/2x/4x | 1x/2x/4x |
バスマスタPCI | 6 | 6 | 6 | 5 |
IDEコントローラ | UltraATA/100 | UltraATA/100 | UltraATA/100 | UltraATA/100(※1) |
チップセット間バス | Hub Interface | Hub Interface | Hub Interface | PCIバス |
チップセット間帯域 | 266MB/秒 | 266MB/秒 | 266MB/秒 | 133MB/秒 |
USBポート(コントローラ)数 | 4(2) | 4(2) | 4(2) | 4(2) |