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デジタルガレージ、ネットオークションにおける個人売買向けカード決済サービスを開始

2000年12月12日 02時43分更新

文● 編集部 佐々木千之

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(株)デジタルガレージは11日、インターネットオークションにおける個人間売買を対象としたエスクローサービス(※1)“CyberAuction(サイバーオークション)”を、12月中旬に“Yahoo! オークション”において開始すると発表した。

※1 商品代金を支払う際に、商品の受け渡しが行なわれて売買が成立するまで、第三者に代金を寄託(エスクロー)するサービス。オークションでのサービスでは通常、配送サービスも含まれ、商品の受け渡しの確認も行なわれる。

CyberAuctionはデジタルガレージが、JCBカードを発行する(株)ジェーシービー、セゾンカードの(株)クレディセゾン、ミリオンカードの(株)ミリオンカード・サービス、NICOSカードの日本信販(株)および、ヤマト運輸(株)の協力を得て立ち上げたサービス。日本でインターネットオークションの利用が広がるにつれて、詐欺的行為や商品、代金授受におけるトラブルが多発していることに対応したサービスを提供するという。

Yahoo!オークションの伸び
Yahoo!オークションの利用の伸び((株)日本経済新聞社調べ)

CyberAuctionでは、出品者側も落札者側もクレジットカードを持っていることを前提として、カード会社が持つ個人認証、決済機能を利用して、出品者と落札者双方の認証を行なう。これによって見知らぬ個人間において安心、確実な取引が可能になるとしている。代金支払いにおける振り込みの手間や振り込まれる側も確認の手間がない。また、商品の集配も含んだサービスとなっており、出展者側が落札された商品を忙しくて発送できないなどといった問題を回避することができるという。さらに、商品の発送や代金の送受に関して、相手に本名や住所、電話番号などが知られない“完全匿名性”を保証することができるため、見知らぬ他人に情報を明かす必要があるという不安を払拭できるとしている。

CyberAuctionにおけるシステムフロー
CyberAuctionにおけるシステムフロー

CyberAuctionサービスは今週中にYahoo!オークションで開始される予定で、当初出品者が利用できるカードはJCBカードのみだが、2001年1月中にはセゾンカードが、また2月にはミリオンカードが利用できるようになる。落札者が利用できるカードはJCBカード、セゾンカード、ミリオンカード、VISAカード、Masterカードで、2001年1月にはNICOSカードが利用可能になるとしている。また、他のクレジットカード会社からの問い合わせも来ており、今後利用できるカードは拡大していく見込み。

このサービスの利用料金は、出品者側が認証料105円とサービス利用料として商品落札価格の1.5%。落札者側が配送料(全国一律、縦横高さの合計が160cmまで、重さ25kgまで。落札金額が30万円までの商品)1365円と、利用料として落札価格の4%となっている。

林郁代表取締役社長デジタルガレージの林郁代表取締役社長

デジタルガレージの林郁代表取締役社長は、「独自に実施したアンケート調査によると、オークションユーザーの6割は女性で、かつ経験者の1割以上が何らかのトラブルに巻き込まれている。また、オークションに参加する上での不満や不安では代金支払いや商品の受け渡しによるものが上位となっている。CyberAuctionでは、既存のエスクローサービスにない利便性と安全性を提供することで、広く受け入れられると考えている」と述べた。初年度6億円、3年後には数10億円の売り上げを目指すとしている。

出品者落札者双方の保証と、支払いと発送の手間を省き、さらに相互の匿名性保証までを行なうサービスはこれまでにない。パソコンを使いながらも、実際に煩わしい作業が伴っていたインターネットオークションが、このような安全かつ簡便なサービスの登場によって、利用がさらに進みそうな気配だ。

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