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米AppStreamが日本法人設立、Javaアプリケーション高速化システムも発表

2000年12月06日 22時33分更新

文● 編集部 佐々木千之

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ネットワークベースアプリケーションの高速化技術を提供する米AppStream社は6日、都内のホテルで記者発表会を開催し、100%出資の日本法人“アップストリーム株式会社”を設立したと発表した。またあわせてJavaアプリケーションのパフォーマンスを改善するソフトウェア『AppStream for Java Technologies』の販売と、(株)アプリックスへの技術提供について発表した。

ユリ・ラッズ氏米AppStream社の創設者で会長兼CEOのユリ・ラッズ(Uri Raz)氏

AppStreamは'99年に設立され、米国カリフォルニア州パロアルトに本社を置く企業で、アプリケーションサーバーに置かれたアプリケーションプログラム(Java、HTMLを含む)を、クライアントがその都度ダウンロードして利用する、いわゆるネットワークベースアプリケーションの高速化、高機能化技術の研究開発を行なっている。米国以外には、イスラエルのテルアビブと今回発表された東京に拠点を持つ。

代表取締役社長長谷川礼司氏アップストリーム、代表取締役社長の長谷川礼司氏

日本法人であるアップストリーム株式会社(東京都・渋谷区)の資本金は1億円。11月22日に米AppStream社の全額出資により設立された。代表取締役社長は長谷川礼司氏。長谷川氏は同社入社以前は、ビジネスオブジェクツ・ニホンビーヴィー(株)社長、そのほかアップルコンピュータ(株)、ボーランド(株)、日本アイ・ビー・エム(株)で営業部長などを歴任している。

アプリケーションストリーミング技術

同社の高速化技術“アプリケーションストリーミング技術”は、ネットワークを通じて配信されるデータやアプリケーションのコードを動的に細かく分解して“Streamlet”と呼ぶ小さなパケットにするというもの。そしてそのStreamletを、個々のユーザーの使用手順を分析した予測手順に従って、オンデマンド配信する。高速化されるアプリケーション側にはいっさい手を加える必要がないことも特徴。この技術はインターネットの画像や音声のストリーミング技術をヒントに開発されたとしている。

アプリケーションストリーミング技術の概念図
アプリケーションストリーミング技術の概念図

今回販売が開始されたAppStream for Java TechnologiesはJavaアプリケーション(アプレット)の動作を高速化するソフトウェアベースのシステム。ユーザーがJavaアプリケーションを利用する上で、もっとも遅く感じる起動時のダウンロードをあらかじめAppStream for Java Technologiesのクライアントソフト(サイズは約7KB)が行なうため、ローカルマシンにあるのと変わらない速度で使用できる。また、各ユーザーの利用歴からそのユーザーが利用するアプリケーションを予測してキャッシュするため、使っていくうちにより快適になるとしている。

AppStream for Java Technologiesのライセンス料金は、同時利用ユーザー数120人の最小構成で1サーバー当たり360万円。Windows NT版とSolaris版が提供される。2001年にはWindowsアプリケーション向けやHTMLアプリケーション向けの製品を投入する予定としている。

アプリックスと協業

郡山龍氏アプリックス代表取締役社長の郡山龍氏

さらに発表会では(株)アプリックスの組み込み向けJava環境『JBlend』へ、アップストリームのアプリケーションストリーミング技術を導入することについて合意し、技術協力を行なっていくことも明らかにされた。アプリックスのJBlendは、J-フォングループの次世代携帯電話向けOSとして採用されることが決まっており、2001年以降に予定される次世代携帯電話サービスの提供時には、アプリケーションストリーミング技術が使われることになるとみられる。

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