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ルナティックドーン 第三の書

ルナティックドーン 第三の書

2000年12月06日 18時27分更新

文● 宇野don

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ルナティックドーン 第三の書

アートディンク

7800円

ルナティックドーンは、マップやシナリオの自動生成による自由度の高さが売りのRPGだ。このシリーズは、これまでに本編が4作と外伝的位置付けの「前途への道標」「開かれた前途」が発表されており、最新作の「ルナティックドーン 第三の書」は、「開かれた前途」の続編である。

気の向くままに依頼をこなせ

キャラ作成時には性別や出身国などを指定できるが、能力値はランダムに決められる。雰囲気は西洋風なのだが、中にはこんな容姿のキャラも……。

 ゲームを開始すると、まず新規世界の作成とプレイヤーのキャラエディットを行う。プレイヤーが降り立つ世界は、自動生成によるものでユーザーによってゲームの展開が変わってくる。こうしてゲームが始まるのだが、さて、どうやってストーリーを進めていくのか? 実はこのゲーム、プレイヤーの「人生」そのものがストーリーになっているのだ。とはいっても設定によると、ルナティックドーンの歴史で強大な「悪魔」が世界に訪れる直後(前作「開かれた前途」の約600年前にあたる)からスタートするので、とりあえず目標となるような敵も存在しているのだが、それを倒すかどうかはご自由にというわけだ。この拍子抜けするような気楽さがルナティックドーンの魅力といえる。

キャラクター、マップ、メインビジュアルなどは別々のウィンドウになっているので、プレーヤーの好きな位置に配置できる。

 ゲームは基本的に各町の宿屋で依頼を受けることで進行していく。依頼内容は簡単なお使いから要人護衛、怪物退治、尋ね人、アイテムの捜索といった「善」の依頼はもちろん、暗殺などの「悪」の依頼もあり、それぞれ成功すると報酬金やアイテムに加えて知名度(もちろん悪いほうにも)が得られる。だが、より高度な依頼になるにつれ、プレイヤー1人では依頼をこなすのが厳しくなっていく。そこで、町の広場や酒場にたむろするNPCを誘い、パーティーを組む必要が出てくる。だが、このパーティーがなかなかやっかいで、弱い奴だと役に立たないし、強くても相性問題などで仲間になってくれなかったりする。



戦闘画面を見るとタクティカルな雰囲気が見えるが、実はコマンド選択なので慣れるのは早い。レベルというものは存在せず、経験がたまったら修行所で鍛錬して能力を上げていく。

 さらに、いざ仲間になってくれても、NPCの操作権はコンピュータが握っているため(一応おおまかな指示は可能だが)、なかなかもどかしい。さらに、成功報酬や戦闘終了時の入手金やアイテムは均等に山分けされるので、メンバーが増えれば増えるほど自分の実入りが減ってしまうことになる。こう書くと「なんだ、仲間なんて必要ないじゃん」と思ってしまうかもしれないが、頼もしいNPCをうまく引き込むことができれば、それはもう心強いことこの上なしだ。頼もしさのあまり、リーダーであるプレイヤーは戦闘中はこそこそ保身にいそしみ、肝心の敵は仲間に任せっぱなしになったりする。「いかに足を使っていい仲間を引き入れられるか」が攻略のポイントと言っていいだろう。



ダンジョン内の様子はクォータービュー表示になり、マップウィンドウではオートマッピング機能が作動する。

 ところで、このゲームの特徴の1つに「時間の概念」がある。つまり長くゲームをプレイしているとキャラが「老いて」くるのだ。当然、全盛期を過ぎれば能力が下がっていくし、最後は寿命で死んでしまうことになる。もしキャラが老衰で死んでしまっても、その子孫や深く関わった者がその意志を継いでプレイを続行することになる。そう、このゲームは「結婚」をして子供を残すことが可能なのだ。  結婚を行うには「家」が必須で、異性のNPCにプロポーズをする(逆にプロポーズされることもある)。首尾よく(?)結婚できたら、今度は子供を作ることができるが、そのためには約1年間冒険を中断する必要がある。年老いて子孫を残そうと思ったら「しばらく落ち着いて暮らせ」ということだ。だが、そういうときに限って戦争や厄災が起きたりして落ち着けなかったりする。なんだか「ヘンにリアル」なゲームである。

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