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ソニー、新コミュニケーションサービス“PoP-Sync”を発表

2000年12月04日 17時57分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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ソニー(株)は4日、インターネット上のコミュニケーションサービス“PoP-Sync(ポップシンク)”を12月5日に開始すると発表した。ネットビジネスを展開する企業やコミュニティーサイト向けに提供する。

ソニーは今夏より、ブロードバンド通信インフラとアプリケーションサービスからなる企業向けブロードバンドインターネットサービス“bit-drive”を展開しているが、PoP-Syncはbit-driveのアプリケーションサービスの1つ。

PoP-Syncサービスサイトの画面

サイバー名刺を利用したコミュニケーションサービス

PoP-Syncは、専用のコミュニケーションインターフェースである『PoP-Sync Card』と、PoP-Sync Cardにリンクしたコミュニケーションスペースからなるサービス。PoP-Sync Cardは、顔写真などのJPEG画像にインターネット上の情報(URLなど)をリンクさせた“サイバー名刺”。対応OSはWindows 95/98/2000/NT4.0。

基本サービスは、PoP-Sync Cardの発行/配布のほか、PoP-Sync Cardの“一斉更新”、PoP-Sync Cardユーザー用“コミュニティスペース”、PoP-Sync採用企業のユーザーへのPoP-Sync Cardの発行、企業サイト上での個人ユーザー同士のPoP-Sync Card交換機能で構成されており、料金は月額30万円から。企業向けのカスタマイズ料金は別途必要となる。

PoP-Sync Cardを利用している画面。A-caDeフォルダーに登録しているPoP-Sync Cardを右クリックするとメニューが表示される。PoP-Sync Cardには、画像の人物のプロフィールやおすすめサイトのURLなどを登録可能で、そのメニューを選択すると、URLにジャンプしたり、その人物にメッセージを送信したりできる

PoP-Syncは、ヴィジョンアーツ(株)が開発、ソニー100%出資のサイバージーンドットコム(株)が事業を行なっているネットワークインターフェース技術“IP3”を採用している。IP3は、画像にインターネット情報を埋め込み、ユーザーにその画像と情報を提供、さらにその情報を自動的に更新できる技術。サイバージーンドットコムは、ソニーグループをはじめとするさまざまな企業に対し、IP3を利用したコミュニケーション/マーケティングサービスの採用を呼びかけており、今回のPoP-Syncはその1つ。今後はIP3をバージョンアップさせるとともに、IP3を利用したさまざまなアプリケーションを開発するという。

一般ユーザーにもPoP-Sync Cardを提供

PoP-Syncを採用した企業は、PoP-Syncサービスサイトで提供されるPoP-Sync Card発行サービスを利用して、任意のJPEG画像にユーザーを呼び込みたいウェブサイトなどのアドレス情報を埋め込んだ自社のPoP-Sync Cardを作成できる。自社PoP-Sync Cardは、自社のウェブサイト上や、PoP-Syncサービスの“配布サービス”を利用してユーザーに配布できる。

PoP-Sync Cardを受け取ったユーザーは、企業のサイト上で無償提供される“A-caDe(アーケード)フォルダー”を自分のパソコンにインストールすることで、PoP-Sync Cardをフォルダーに登録できる。フォルダーに登録されたPoP-Sync Cardのカードメニューを表示し、メニューの中からアクセスしたい情報をクリックすると、ウェブブラウザーを起動しなくてもその情報に自動的にアクセスできる。

メニューでは、あらかじめ設定されたURLにアクセスできたり、任意のアプリケーションを起動したりすることが可能。また、カードのメニューは企業向けにカスタマイズできる。A-caDeフォルダーは、サイバージーンドットコムが提供する、IP3技術を採用した画像をドラッグ&ドロップするだけで登録できる専用フォルダー。

PoP-Syncサイトの“一斉更新サービス”を利用すれば、A-caDeフォルダーに登録されているPoP-Sync Cardの情報を一斉に更新可能。また、PoP-Sync Cardを持っているユーザーだけがアクセスできる“コミュニティスペース”も用意されている。

ソニーは、企業向けにPoP-Syncサービスを提供するとともに、一般ユーザー向けにPoP-Sync Card(機能限定版)を専用ウェブサイト上で無償配布する。機能限定版のPoP-Sync Cardは、メニューの数が2~3コマンドに制限されている。

女性向けコミュニティーサイト“eWoman”が採用

本日都内ホテルで行なわれた発表会でソニー執行役員上席常務の堀籠俊生氏は、「ソニーのブロードバンド事業は、“速い、安い、高品質”というので好評、来年はさらに事業を加速させたい。ブロードバンド事業を加速させるには、アクセスラインがポイント。アクセスラインを制するものがブロードバンドの覇者になる。現在無線アクセスシステムを展開しているが、無線だけに限らず強化していきたい」

「ブロードバンドのアプリケーションサービスとしては、コミュニケーション分野がキラーコンテンツだと実感している。その最有力がPoP-Sync。コミュニケーションツールであり、ネットワークのマーケティングにも最適なツールだ。ネットワーク上でビジネス展開するにはコミュニケーションとマーケティングが必要、PoP-Syncがその役割を担う」と挨拶した。

ソニー執行役員上席常務の堀籠俊生氏

現在、PoP-Syncはパソコンのみの対応だが、2001年にはPDA、2002年では携帯電話で利用できるようにするという。ソニーは、PoP-Sync Card利用者を2002年には1000万人にするとしている。

また、PoP-Sync採用企業として、(株)イー・ウーマンは同社が運営する女性向けコミュニティーサイト“eWoman”で、PoP-Syncを利用したサービスを開始する。同サイトで提供している11ジャンルの情報について、そのジャンルごとにPoP-Sync Cardを発行、ユーザーはPoP-Sync Cardを通じてそのジャンルの更新情報を得られる。

イー・ウーマン代表取締役社長の佐々木かをり氏。「eWomanとサイトメンバーの結び付きを強化するためPoP-Syncサービスを採用した。サイトメンバー同士でPoP-Sync Cardを交換してもらい、コミュニティーのさらなる活性化を図りたい」

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