このページの本文へ

提督の決断IV

提督の決断IV

2000年11月24日 21時22分更新

文● 中村聖司

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 (株)コーエーは約5年ぶりに「提督の決断」をバージョンアップ、今冬の発売を予定していることが編集部の取材で明らかになった。ここでは、独自に入手したイメージ画像と共に「提督の決断IV」の中身に迫っていきたい。

 「提督の決断」シリーズは、艦隊を編成し、これを指揮して、数々の海戦で決定的勝利を収め続け、最終的には第2次世界大戦を勝利に導くという、どこまでも海戦主体のSLGだ。実際には、この司令官としての仕事だけでなく、艦船/航空機/戦車の開発設計、「暗号解読機」など新技術の開発、基地航空隊の整備、陸戦隊の指揮、航空隊の訓練/補充といった要素もプレイヤーの指揮範囲に含まれるのだが、本シリーズ最大の醍醐味は、なんといっても空母機動部隊同士の艦隊決戦にある。偵察機による捜索、攻撃隊の発進、そして直援機の発進など、字面だけを見ると何気なく思えるこれらの行動から受ける緊張感はまことに凄まじく、また、新鮮なインパクトに満ちている。こればかりは実際に体験してみないことには理解しにくいので、シリーズ未体験者は、デジキューブから普及版として発売されている「提督の決断III」をプレイしてみることをお勧めしておきたい。

3Dでモデリングされた弩級戦艦大和のイメージ。艦船の性能表示画面で使用するもののようだ。

 IVでは、この醍醐味である艦隊戦が、ターン制ではなく、完全リアルタイム制になる。艦隊の移動には、同社独自のエージェント技術を用い、艦船の群が一斉に足並みを揃えて行動するという。この技術の見事さは、すでに同社のPlayStation2タイトル「決戦」で証明済みだが、実際に海上でどのような動きを見せてくれるのか楽しみなところだ。



同じく重巡(重巡洋艦)の高雄。排水量は1万3000トン、兵装は20cm主砲が10門、12.7cm高角砲が8門、61cm魚雷発射管が8門。いわゆる(ワシントン)条約型と呼ばれるオーソドックスな重巡だ。

 さて、基本システムに話を移すと、IVでは「海域」「制海権」という新しい概念が導入され、陸戦は“一切なし”になった。つまり、海戦に撃ち勝ち、制海権を確保すれば、その海域にある飛行場や資源は自動的にこちらのものになる、という至極明快なシステムである。IIIまでのように、大艦隊で敵港内に押し入り、陸戦隊を上陸させて、艦砲射撃を浴びせ続けるという激し過ぎる行動をとる必要はなくなったわけだ。



こちらは零戦(零式艦上戦闘機)21型。照りの表現に少しケバケバしい印象を受けるが、風防ガラスの表現などはなかなかにリアルだ。

 IVのメインマップは、世界全図が用いられ、50の海域に分けられている。これに伴い、プレイヤーは日米英独の4カ国から指揮を執る国を選べるようになっている。基本的なゲームの進め方は、1週間周期の戦略フェイズと、先述したリアルタイムで行われる戦術フェイズが交互に繰り返される形になる。戦略フェイズで各艦隊の移動先を決め、日米の両艦隊が同じ海域に侵入した場合、次の戦術フェイズで艦隊戦に移る、という仕組みだ。IIIまでは、索敵機が敵艦隊を発見した座標に、攻撃隊や艦隊そのものを急派する形で戦闘が行われていたが、今回は、場合によっては複数の艦隊がいきなりぶつかり合うことも考えられる海域規模での大がかりな艦隊戦が展開されるわけである。



米海軍のF4Fワイルドキャット。グラマンと呼ばれた零戦最大のライバルだ。

 ちなみに艦隊戦の際の1画面の縮尺は、戦艦大和の主砲弾が端から端まで届く程度、つまり1画面の横幅は40~50km程度になるらしい。もちろん、画面は自由にスクロールできるし、海戦当初は、偵察機を飛ばして索敵を行うまでは艦隊の周辺しか見えない仕組みになっている。このあたりの基本ルールは、「Age of EmpiresII」に代表されるリアルタイムSLGとほぼ同じで、画面構成もおおむねこれらに準拠した形になるようだ。「提督の決断」のみのおもしろさという意味では、やはり“空母”という一撃必殺性と脆弱性を兼ね備えたユニットの運用にありそうだ。「魚雷攻撃もリアルタイムで回避運動が取れるようにするつもりです」とのこと。いよいよ夢が膨らむではないか。

 まだまだおもしろいところは山ほどあるが、今回はここまで。近いうちに最新画面と共にともに続報をお届けしたい。

(株)コーエー
問い合わせ先 045-561-6861



カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ