ホームユース用インクジェットプリンタとしてはシャープ初の製品となるのが「Prizma(プリズマ) AJ-2000/2100」シリーズだ。富士ゼロックスとの共同開発によるもので、富士ゼロックスの「Jet Wind B70」とは印刷ヘッドはほぼ共通の給排紙機構を採用しているが、製品そのものは異なるものに仕上がっている。AJ-2000(3万9800円)はCMYBkの4色インクを使用するのに対し、AJ-2100は6色インクを使用する。オプションインクカートリッジなどによる4色機から6色機へのアップグレードなどには対応していない。解像度は1200×1200dpiでCMYBkの4色インクを採用し、CMYは72ノズル、黒のみ104ノズルにすることでモノクロ文書の印刷速度向上が図られている。AJ-2000は最高でモノクロ12ppm/カラー8ppmの印刷速度を持つが、低価格モデルであるAJ-2000LEはモノクロ10ppm/カラー6ppmと印刷速度が抑えられているほかはAJ-2000と同一のスペックで、画質に関しても同等だ。
いずれの機種も印刷方式はサーマルインクジェットを採用し、解像度は1200×1200dpi、各色104ノズルとなる。印刷ヘッド自体が交換できるパーマネントヘッドを採用しており、印刷ヘッドはホルダ(キャリッジ)に取り付け、さらに印刷ヘッドに全色独立インクタンクを装着する方式だ。インクタンクは半透明で残りを確認できるほか、光学式インク切れ通知機能(解説)も持つ。
全体のフォルムはhpのdeskjetシリーズのような形状で、フロントのカセットで給紙を行なう。カセットは取り外し式だが、排紙トレイを兼ねる上面パネルを引き上げればカセットを取り付けたままで用紙を補給できる。また、背面に手差し給紙スロットを持ち、用紙サイズを変更する場合など1枚単位での給紙であれば前面カセットの用紙を取り替えなくてもよい。
今回評価を行ったのは低価格モデルのAJ-2000LEで、モノクロ/カラーとも印刷速度は今回紹介した製品のなかでは平均的なところだ。印刷品質は同価格帯の6色機と比べれば見劣りがするものの、4色機としては平均的と品質と言える。今回は6色機であるAJ-2100の評価はできなかったが、AJ-2000とAJ-2100が同価格(3万9800円)で提供されるので、印刷品質か速度のどちらかを優先するかで購入する機種を選べばよいだろう。
AJ-2000LEのインクシステム。キャリッジにセットされた2つのカートリッジに、さらに4色のインクタンク個々に搭載するする。 |
印刷サンプル。ハガキサイズに印刷したたものからフラットベットスキャナにて400dpiでスキャンした結果。元画像サイズは82×82mm。クリックすると拡大画像(スキャンしたままの画像データ、600KB)が表示されます。 |
※ベンチマークテスト | |||
---|---|---|---|
モノクロ文書(A4、MicrosoftWord、10Page) | ノーマル(標準) | 4分41秒 | |
ドラフト(速度優先) | 2分16秒 | ||
カラー画像(ハガキ) | 写真画像 | 1分52秒 |