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シャープ、縦型画面でキーボード内蔵の新ザウルス発表

2000年11月22日 00時20分更新

文● 編集部 佐々木千之

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シャープ(株)は21日、都内で記者発表会を開催し、縦型の3.5インチ反射型カラーTFT液晶ディスプレーを持ち、親指で操作する小型キーボードを内蔵した新ザウルス『MI-E1』を発表した。価格はオープンプライスだが、予想店頭価格は5万円を切る程度で12月15日に発売予定。

『MI-E1』『MI-E1』上部のコンパクトフラッシュスロットにPHSアダプターを装着し、下部のキーボードカバーを開いている

縦型ディスプレーで生まれ変わった新世代ザウルス

今までのザウルスは長方形の筐体/画面を横長にして利用するのが標準のスタイルだったが、MI-E1では縦型が標準となった。ディスプレーは、6万5000色表示が可能な3.5インチフロントライト付き反射型カラーTFT液晶(240×320ドット)。もう1つの大きな特徴として、従来のスタイラスペンによる手書き入力に加え、本体下部に超小型の英語キーボードを備えたことがあげられる。このキーボードは通常はボタン類のついたカバーに隠れており、使用時にカバーを引き下げることで現れる。両手で下部を小型ゲーム機のように持って、両手の親指で入力する。キートップが非常に小さいため、打ちづらそうだが、滑りにくい素材でできていることと、適度なクリック感があり打ちやすいと感じた。かな漢字変換も改良され、従来の単文節変換から、連文節変換が行なえるようになった。

本体のCPUは32bitのRISCプロセッサーを採用、16MBのRAM(DRAM8MB、フラッシュメモリー8MB。ユーザー使用エリアはフラッシュメモリー内の約7MB)を内蔵する。インターフェースはコンパクトフラッシュスロット(Type II)、SDカードスロット、16ピンシリアル端子、赤外線通信ポート(IrDA)、ステレオヘッドホン端子各1を備える。コンパクトフラッシュスロットはType IIに対応するため、(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモのPHSカード『P-in Comp@ct』の利用が可能としている。本体のサイズは幅81.5×奥行き20×高さ139.5mmで、重さは約220g(リチウムイオン充電池、液晶カバー含む)。使用可能時間はフロントライト消灯時連続画面表示で約10時間、P-in Comp@ctによる通信時は約2時間、動画連続再生時が約1時間40分としている。

ソフトウェア機能としては、アドレス帳やスケジュール管理などのPIM機能のほか、MPEG-4ファイルの音声付き動画像再生が可能なムービープレーヤー、MP3ファイルの再生を行なうミュージックプレーヤーを備えている。ウェブブラウザーはHTML3.2準拠で、フレームの表示やアニメーションGIF、JavaScript 1.1(サブセット)、128bit SSL、Cookieに対応しており、ショッピングサイトの利用も問題ないとしている。メール機能では、P-in Comp@ctの利用時には一定の間隔でインターネットに接続してメールを受信する“タイマーメール”機能を備える。

MPEG-4ビデオエンコーダー『CE-VR1』
MPEG-4ビデオエンコーダー『CE-VR1』

MI-E1でサポートされた動画再生機能は、同社が行なった電車通勤するサラリーマンからのアンケート結果で、8割以上がテレビやインターネットを電車で利用したいと答えたことにより搭載されたもの。同時に発表されたMPEG-4ビデオレコーダー『CE-VR1』(3万5000円)を利用すると、ビデオ(コンポジットビデオ出力)の画像をパソコン無しでMPEG-4ファイルに変換することができる。CE-VR1はPCカードスロットを備えており、PCカードタイプのSDカードアダプターを使って、SDカードによりMI-E1にデータを転送できる。

スペースタウンで動画コンテンツの配信サービスもスタート

なお同日、シャープが運営し、ザウルスユーザーなどを中心にサービスを提供している情報サービスサイト“シャープスペースタウン”に、映画をキーワードにした“Cinema Town”を開設し、映画の新作情報や作品集をMPEG-4ファイルの予告編を交えて配信すると発表した。この映画情報配信は、シャープが(株)カミングスーン・ティービーと共同で行なうとしている。

森弘専務取締役シャープの森弘専務取締役

発表会で挨拶した、シャープの専務取締役で通信事業統括部の森弘氏は、「この新しいMI-E1では、既存のザウルスのお客様を大切にしつつ、新しいユーザーを獲得できるようエンターテイメント性を持たせた。この新ザウルスで、ザウルスは新しいステージに向かう」と新世代のザウルスであることを強調した。

シャープでは、キーボード装備によるメール機能の強化や、MPEG-4ファイルを使ったテレビ画像の再生機能の搭載により既存のザウルスの中心であるビジネスマンのニーズに応えて、既存ユーザーの囲い込みを図りながら、映画や音楽、ゲームといったエンターテイメントコンテンツを充実させて、ユーザー層の拡大をねらう作戦だ。

トップメニュー画面
MI-E1のトップメニュー画面。液晶は非常に鮮やかで視認性は高い
ムービープレーヤーの画面
ムービープレーヤーの画面。音はステレオヘッドホンで聞く。最大表示の際には画面を横にして見ることになる

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