PMシリーズの最上位機にあたる「PM-900C」は、業界最小の2pl(ピコリットル、1兆分の1リットル)という微小ドロップを実現し、4辺ふちなし印刷や従来機比2倍の印刷速度を実現している高機能プリンタだ。
写真高画質を謳う同社のPMシリーズの最上位モデルだけに、PM-900Cは高画質化技術が盛り込まれている。ひとつは業界最小の2plの微小ドロップ化だ。従来機(PM-800シリーズ)の半分に抑えられたインク量はドットの視認性を下げ、肉眼ではまったくドットを視認できず、ルーペでようやく確認できる程度だ。
もうひとつの高画質化技術は新インク「ダークイエロー」を追加し、7色印刷となった点だ。低濃度インク(ライトシアン/ライトマゼンタ)は、明るい部分に打たれるシアンやマゼンタのドットを目立たなくするために使用されているが、ダークイエローの場合には暗い部分から明るくなる部分の粒状感を減少させることができる。また、高速化に関しても工夫されており、印刷ヘッドのノズル数を従来機の倍にあたる各色96ノズルとして幅広のヘッドとなったことで、1回のヘッド移動で印刷する幅が2倍になり、印刷速度が従来機の約2倍に向上されている。
PM-900Cはさまざまな新機能を備えているのも特徴だ。同時発表の製品群(PM-880C/3500C/780C)同様に、上下左右いずれも余白なしでカット紙に印刷できる4辺ふちなし印刷(解説)、モニタ以上の色表現が可能なナチュラルフォトカラー印刷(解説)などの機能を持つ。
さらに、PM-900Cは本体後部の給紙スロットを装備し、ここから用紙手差しすれば、ほとんど紙が曲がることなく印刷と排紙が行われる。最大2.5mmまでの厚みまで対応するため、曲がらない厚紙に印刷できるほか、CD-Rをはめ込んで手差し給紙スロットに装着するためのトレイと印刷ソフトウェアがセットになった「CD-Rプリントキット」(オプション:2000円)を使えばCD-Rのレーベル面に直接印刷を行える。表面が白く、サインペンなどで書けるタイプのCD-Rならばほとんど問題なく印刷できるようだ。
各社のインクジェットプリンタの上位機種では、すでに昨年あたりから画質に関しては肉眼では区別がつきにくくなりつつあるが、さらに画質が向上されたのは驚きだ。微小ドロップやダークイエロー、ナチュラルフォトカラーなどによる画質向上自体は従来の印刷結果と並べて見比べなければ区別できないかもしれないが、ふちなし印刷やCDラベル印刷など新機能が贅沢に投入されており、最高の画質を求めるユーザーや、彩な印刷を楽しみたい人にお勧めしたい。
従来型の6色インクタンク(左)と、PM-900C用の新インクタンク(右)。 |
PM-900C用の新インク(右)はカラータンクは6つの孔がある。 |
印刷サンプル。ハガキサイズに印刷したものをフラットベットスキャナにて400dpiでスキャンした結果。元画像サイズは82×82mm。クリックすると拡大画像(スキャンしたままの画像データ、338KB)が表示されます。 |
※ベンチマークテスト | |||
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モノクロ文書(A4、MicrosoftWord、10Page) | ノーマル(推奨設定はやい) | 3分37秒 | |
ドラフト(詳細設定エコノミー) | 1分46秒 | ||
カラー画像(ハガキ) | オートフォトファイン4 | 1分29秒 |