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キヤノン、CANON EXPO 2000開催――超小型BJプリンター内蔵デジカメや毎分60枚のプリンターを展示

2000年11月20日 22時53分更新

文● 編集部 佐々木千之

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キヤノン(株)とキヤノン販売(株)は20日、東京・港区の新高輪プリンスホテルにおいて、同社の製品やサービス、技術展示を行なうプライベートショー“CANON EXPO 2000@TOKYO”を開催した。22日までの3日間にキヤノングループの販売代理店、ディーラー、大手ユーザーなど2万5000人の来場者を見込むとしている。

テーマは“feel alive DIGITAL MAGIC CANON”
“CANON EXPO 2000@TOKYO”のテーマは“feel alive DIGITAL MAGIC CANON”

CANON EXPOはキヤノン(株)とキヤノン販売(株)が共催するイベントで、“21世紀へ向けたキヤノンのビジョンを示す技術・製品展”と位置づけている。会場は、キヤノンが開発中の技術を公開する“明日のキヤノン”、現在の製品やサービスを紹介する“今日のキヤノン”の2つに分かれて展示が行なわれているほか、21、22日にはコピーライターの糸井重里氏、スポーツジャーナリストの二宮清順氏、狂言師の野村萬斎氏、柔道選手の田村亮子氏など各界著名人の講演が行なわれる“VISION FORUM”が開かれる(事前登録制で、すべて満席)。CANON EXPOは、今回の東京に先立って9月には米ニューヨーク、10月には仏パリでそれぞれ代理店やディーラーを招いて開催され、2会場で2万2000人を集めたとしている。

キヤノン販売の村瀬社長キヤノン販売、代表取締役社長の村瀬治男氏

開会前の記者会見で、キヤノン販売代表取締役社長の村瀬治男氏は「このCANON EXPOの目的は、当社の21世紀へのビジョンを示すこと、インターネットとイメージング技術の融合を目指す“Canon Over IP”コンセプトを示すこと、商品やソリューションのプロモーションを行なうことの3つ。キヤノングループは21世紀のネットワークイメージングのリーディングカンパニーを目指す」と述べた。また続いて“21世紀に向けたキヤノンの技術の方向性”というテーマでスピーチしたキヤノンの専務取締役遠藤一郎氏は「ネットワークを通じて機器と機器が接続される時代では、コンピューターやネットワークなどはいわば黒子になり、ユーザーに直接接する機器が主役になる。そこでキヤノンがいままで蓄積したイメージング技術、ユーザーインターフェース技術、環境技術が生きてくる。機器同士がつながることで生まれる価値を創造していきたい」と、来世紀へ向けた抱負を述べた。

展示会場には、キヤノングループの現行製品がずらりと並べられたのはもちろんだが、参考出品として発売を待つばかりといったものも見られた。また、“明日のキヤノン”の展示では、3Dディスプレー技術、超小型BJプリンター技術、フィルムのようなディスプレー技術など、製品化にはまだ時間がかかるものの、非常に興味深い展示が行なわれていた。

マイクロBJカメラ
多くの来場者が足を止めて見入っていた、マイクロBJカメラ。超小型プリンターをカメラの背面に備え、撮影した画像から好きなものを印刷することができる。製品化の時期や価格については公開されなかった
マイクロBJカメラとペーパーカートリッジ
左にあるのがマイクロBJカメラのペーパーカートリッジ。クレジットカードサイズの用紙と3色のカラーインクが収められている
印刷中のマイクロBJカメラ
印刷中のマイクロBJカメラ。本体背面手前側の白い半透明のカバーを通してうっすらと白く見えるのがBJプリンタヘッド。イエロー、シアン、マゼンタ各色64ノズルを備えるという
印刷サンプル
印刷サンプル。1200×600dpiで専用の用紙に縁なし印刷が可能。3色インクだが、発色、コントラスト共になかなかのもの。画質はまだチューニング中としている
デジタルカメラ用Bluetoothユニット
PowerShot S10の横についているのはBluetoothユニット。これ以外にもBluetoothアダプター製品は多数が参考展示されていた
モバイルプリンター『BJ M40』にも同様のBluetoothユニットが装着されていた
こちらは新潟キヤノテック(株)のレーザープリンター内蔵型のBluetooth対応プリンターサーバー(手前)と、BluetoothとEthernetをつなぐアクセスポイント(奥)
Page-Wide BJプリンター
A4横いっぱいの幅を持つBJプリンターヘッドを4色分並べた印刷エンジンを備えた、Page-Wide BJプリンター。毎分60枚のスピードでカラー印刷をするデモを行なった。BJヘッドのノズル数は1色分で7000以上になるという。印刷解像度は600×600dpi。右下に表示されているのは印刷時の消費電力で、レーザー方式のカラープリンターに比べ低消費電力であることもアピールしていた
“ペーパーライク・ディスプレー(PLD)”
わずか200μmの厚みしかないディスプレー技術“ペーパーライク・ディスプレー(PLD)”。プリンターのトナーのような微細な分子を電気泳動の原理で移動させて、ピクセルのオン/オフを行なうとしている。将来丸めることのできる新聞のようなディスプレーの開発を目指しているという
表示中のPLDを横から見たところ。薄さが実感できる
印字幅42インチ(約107cm)の『BJ-WX』
印字幅42インチ(約107cm)で、6色インクを使って1200dpiのカラー印刷が可能な『BJ-WX』。A0用紙に14分で印刷が可能としている(参考出品)

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