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PCG-QR1/BP

PCG-QR1/BP

2000年11月20日 11時10分更新

文● 山崎

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PCG-QR1/BP

ソニー

オープンプライス
17万4800円(Sony Styleダイレクト価格)

9月に行われたVAIOの展示会,VAIO EXPO 2000でコンセプトモデルとして参考出品されていたVAIO QRが正式リリースされた。曲面を多用したデザインで柔らかなイメージのノートPCだが,Office 2000 Personalがプリンストールされネットワーク端子を標準で装備するなど,ビジネスの場でも活躍できるマシンである。

外見にも内面にもとことんこだわった
見せびらかしたくなるA4ノート

 「コンセプトはパイプ椅子」と紹介されたPCG-QR1/BP(以下QR)は,その言葉どおり液晶パネルの周囲をぐるっとシルバーのパイプが縁取っている。さらにそのパイプの一部は持ち運ぶときに便利なキャリングハンドルとして利用でき、まさにパイプ椅子を想像させるデザインだ。しかもハンドル部分はQRを使用するときには、チルトスタンドとしても利用できる。単なる飾りとしてのパイプではなく、持ち運ぶときはハンドルとして、使うときはスタンドとして機能する意味のあるパイプなのである。

本体斜め上から見下ろしの写真
本体をぐるっと縁取るシルバーのパイプは継ぎ目のない構造。PCG-QR1/BPは曲面を多用したデザインのせいで、実際のサイズと重さのわりにボリューム感がある。
使用中のQR本体、背面からの写真
QRを使うときはキャリングハンドル部分がチルトスタンドの役目を果たす。VAIOのロゴはこれまでのVAIOノートとは向きが逆になり、持ち運ぶときを重視したデザインに変更された。

 ボディ外装はこれまでのVAIOのイメージとはうって変わり、シルバーのパイプと強いコントラストをなすブラックのポリカーボネートを採用している。内部が透けて見える、サングラスのレンズをイメージさせるつやつやのボディは、高級感溢れるというほどではないけれど、安っぽくもないという微妙な存在感を持っている。ポリカーボネート製ということで、ボディ天面を押してみると簡単にたわみ、金属や強化プラスチック製のボディに比べると頼りない感じだが、ポリカーボネートはラジコンカーのボディに採用されているなど、ショック吸収性には定評のある素材なので、少しぶつけたぐらいでは、へこんだり割れたりということはない。またQRは、ボディ側がマグネシウム製のダイキャストフレーム、液晶パネル側はアルミニウム製のディスプレイカバーといった具合に内部に堅い構造物を持つインナーシャーシ構造を採用し十分な強度が確保されているので、キャリングハンドルを持って気軽に持ち歩いて使えるノートPCである。

ダイキャストフレーム
インナーシャーシ構造を採用するQRのマグネシウム製ダイキャストフレーム。中央部の2つの穴からシャーシ下側に搭載するメイン基盤上のメモリスロットへアクセス可能。左手前の空間にCD-ROMドライブ、右手前の空間はバッテリを搭載する。
ディスプレイカバー
樹脂製のパイプの内側には液晶パネルを保護するためのアルミニウム製ディスプレイカバーが装備されている。アルミニウム製のハンドル部分はボディ側に固定される。

 すでにA4サイズのノートPCを2種類ラインナップしているVAIOの中では、QRはスペック的にはローエンドに位置する。チップセットこそ最新のi815EMを採用しているが、CPUはCeleron-500MHz、メインメモリは標準で64MBを装備し、HDDは10GBを搭載する。光メディアも最近流行りのDVD-ROMやCD-RWではなく、最大24倍速のCD-ROMドライブを選択している。画面表示はチップセットに内蔵のビデオ機能を利用しており、13.3インチTFT液晶に1024×768ドット表示が可能だ。パフォーマンスはスペックに相応といった印象で、3Dゲームではもたつく場面もあるが、Word 2000/Excel 2000など実用ソフトを使う限りはストレスは感じない。ただしキーボードは強く打鍵するとたわみが気になり、またタッチもクリックに乏しく最近のVAIOノートに比べるともの足りない。とはいえVAIOノートお得意の、ジョグダイヤルには新たにバックボタンが装備されたことにより、ボタンを押すだけで階層を逆にたどることができ、非常に使い勝手が向上している。

 QRは型番の末尾のBPの文字が示すようにビジネスパッケージモデルであり、DV編集の「DVgate Ver.2.2」や「MovieShaker Ver.1.2」をはじめとするVAIOオリジナルソフトに加え、Office 2000 Personalもプリインストールされており、セカンドマシンとしてはもちろん1台目のマシンとしても活用できる実力を持ったマシンだ。

 実売価格の予想は20万円前後と、エントリPCとしては高価な部類に入るが、持っているだけで注目を集められるという点ではQRに並ぶものはないだろう。

キーボード部分、俯瞰
初代VAIOノートほどではないが、はっきりしたクリック感がなく、剛性感にも欠けるキーボードはいただけない。ただし試作機での評価なので、製品版ではもう少しチューニングが進んでいる可能性も。
ジョグダイヤルとバックボタンのアップ
バックボタンの採用で、ジョグダイヤルの操作性はさらに向上した。ただし搭載位置がキーボードより奥になり、アクセスするために手を伸ばさなければならなくなったのは×。
付属のFDDケースとマウスカバー
QRには本体と共通デザインのFDDケースとマウスカバーが標準で付属する。VAIOシリーズ共通オプションであるシルバーのFDD(PCGA-UFD5)と紫色のマウス(PCGA-UMS1/A)も被せるだけでたちまちQRの専用オプションに。
CPU Mobile Celeron-500MHz
メモリ 64MB
液晶 13.3インチ
解像度 1024×768ドット/26万色
HDD 10GB
CD-ROM 24倍速
通信 モデム/LAN
サイズ 330.6(W)×261.1(D)×40.7~47.2(H)mm
重量 約3.2kg
OS Windows Millennium Edition
Officeアプリ Microsoft Office 2000 Personal(SR-1)

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