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DynaBook DB55C/4DA

DynaBook DB55C/4DA

2000年11月20日 11時09分更新

文● 佐久間

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DynaBook DB55C/4DA

東芝

オープンプライス

東芝「DynaBookシリーズ」のA4オールインワンには、型番がPAで始まる上位モデルとPXで始まる普及モデルの2種類がある。PXシリーズはポインティングデバイスにトラックパッドを採用しているので一見して区別できるが、最新モデルはPAシリーズに迫るほどの高機能を誇る。

DVD-Videoも見られるが
得手不得手をしっかり見極めよう

 2000年5月末発表の前モデル(PXシリーズ)ではCPUにK6-2+を載せていたが、10月に発表された冬モデル「DynaBook DB55C/4DA」ではMobile Celeron-550MHzに変更され、マシンスペックは一挙にジャンプアップした。

背面には、カバーなしで各種端子がずらりと並ぶ。TV出力端子はS-VIDEOのみ対応で、コンポジット(RCA端子)で接続するには別途市販の変換ケーブルを用意する必要がある(ただしメーカーでは動作未保証)。

 メモリは従来と変わらず64MB標準搭載で、最大192MBまで増設可能。内蔵HDDは10GBで従来モデルより2GB減っているが、初期出荷状態で空き容量が6GB以上あるので実用上困ることはないだろう。一方、CPU以外でスペックアップしたところではLANとモデムを同時装備し、USB×2(従来は1つ、代わりにシリアル端子が省略された)とi.LINK端子(4ピン)、TV出力端子(S-VIDEO)が標準装備になったことが挙げられる。さらに、CPUの高速化に伴い、従来のPXシリーズにはなかったDVD-ROMドライブ搭載モデル(本機)が追加されたことも大きな特徴だ。



DVD-VideoをTV出力するには、少々手間がかかる。ディスプレイのプロパティでTV Outを選択し、さらにTV側をプライマリモニタに設定しなければならない。

 実機でDVD-Videoのタイトルをいくつか再生してみたが、データレートの高いアニメでは動きの激しいシーンでコーミング(エッジが櫛状に波打って見える現象)が気になったものの、実写映像のタイトルではさほど気にはならない。ただ、TVにDVD-Videoの画面を表示するにはひと手間かかる。TV表示は最大1024×768ドット/6万色までなら同一の画面、もしくは別画面を表示するデュアルビューが可能だが(表参照)、同一画面の表示でDVD-Videoを再生した場合、TVにはオーバーレイウィンドウの地色のみが表示され、実際のDVD画面は液晶モニタにのみ表示される。TVでDVD画面を楽しむには、(1)液晶とTVを別画面表示に切り替え、(2)TV側をプライマリディスプレイに設定、という操作を行った上でDVD再生ソフト(「WinDVD 2000」がプリインストール)を起動する必要がある。TVでWindowsの細かい画面を操作するのは少々骨が折れるので、できればこれは改善してほしいポイントだが、TVに再生表示してみると液晶モニタで気になったコーミングも適度なにじみ具合で補正される。機会があればぜひご自身で見比べてみてほしい。

 また、実際に使っていて気になったのがスピーカの再生音質だ。上位モデル(PAシリーズ)が低音を強調するバスレフシステムを採用しているのに対し、普及モデルのPXシリーズではコスト削減のため通常の小型ステレオスピーカを採用している。これがキーボード側の前面ぎりぎりに上向きで配置されているため、リスニングポイントがキーボードのほぼ真上になり覗き込むような体制でないと良い音で楽しめないのは少々ツライ。リラックスして楽しむならヘッドフォンを利用したほうがいいだろう。

 価格はオープンプライスで、店頭での実売価格は23万円前後。CPUがMobile Celeron-600MHzで、DVD-ROMドライブの代わりに4倍速CD-RWドライブを内蔵したモデル「PX-DB60C4RA」は+5000~1万円程度(実売価格)となっており、用途に応じて選択するといいだろう。

 DV編集ソフト「Ulead Video Studio4」、海外のWebサイトの閲覧や英文メールの作成に役立つ英日/日英翻訳ソフト「The翻訳インターネット Ver.5.0」、ビジネスソフト「Office 2000 Personal」など、プリインストールソフトが豊富に揃い、ビデオマニュアル「すいすいセットアップビデオ」も添付されているので、初心者から買い替えユーザーまで幅広くお勧めしたいお買い得モデルだ。

表 DynaBook PX-DB55C/4DAのテレビ表示機能
解像度/色数 液晶 (またはテレビのみ表示) 液晶&テレビ同一画面 液晶/テレビ別画面
XGA/32bitフルカラー 液晶○ テレビVGA/フルカラー※ 液晶○ テレビ×
XGA/24bitフルカラー 液晶○ テレビSVGA/フルカラー※ 液晶○ テレビSVGA/6万色※
XGA/6万色
  • SVGA以下はいずれの組み合わせでも利用可能。
  • ※は1024×768ドットの仮想スクリーンとなり、実際に表示される領域がSVGAやVGAとなる。
  • また、1024×768ドット以上の解像度を選択した場合も仮想スクリーン表示となる。
本体前面は下部が少し前に迫り出すタイプで、ここにDVD-ROMドライブの操作ボタンが並ぶ。電源OFFでも音楽CDの操作が可能なほか、メールの着信を知らせるランプもある。
DVD-ROMドライブを内蔵し、DVD再生ソフトもプリインストールされているが、オーディオのデジタル出力端子は省略している。搭載するサウンドチップ「CS4281」自体もドルビーデジタル(5.1ch)再生に対応していないため、コスト削減を図ったものと思われる。
本体底面のカバーを外す(ネジ1本)と、簡単にメモリの増設が可能だ。バッテリはニッケル水素タイプで、駆動時間は編集部のテストによると1時間22分程度。現実には非動作時間に省電力機能が働くので、より長時間のバッテリ駆動が期待できる。
CPU Mobile Celeron-550MHz
メモリ 64MB
液晶 14.1インチ
解像度 1024×768ドット/フルカラー
HDD 10GB
DVD-ROM DVD8倍速/CD24倍速
通信 モデム/LAN
サイズ 322(W)×277(D)×36(H)mm
重量 約3.2kg
OS Windows Millennium Edition
Officeアプリ Microsoft Office 2000 Personal(SR-1)

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