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【MST2000 Vol.2】QNXソフトウェアとナショナルセミコン、QNX搭載の“WebPad”を初公開

2000年11月15日 18時55分更新

文● 編集部 佐々木千之

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QNXソフトウェア システムズ(株)(QNXソフト)とナショナル セミコンダクター ジャパン(株)(NS)は15日、開催中のMST2000において、ナショナル セミコンダクターのインターネット端末『Geode WebPAD』にQNXソフトウェアのリアルタイムOS環境『QNXリアルタイム・プラットフォーム』を搭載し、初公開したと発表した。

Geode WebPAD
『Geode WebPAD』MST2000においてナショナル セミコンダクター ジャパンのブースで展示されている

NSのGeode WebPADは、同社の組み込み向けx86互換プロセッサー『Geode(ジオード)』を搭載し、インターネットに接続してウェブのブラウジングやメールの送受信が行なえるインターネット端末。10インチの800×600ドットDSTN液晶ディスプレー、32MB RAM、16MBのフラッシュROMを備える。外部インターフェースとしてはUSBポート1を持ち、筐体内にPCカードスロット1つを備える。このPCカードスロットにはIEEE802.11の無線LANカード、またはPHSカードをサポートする。Geode WebPADはシステムメーカーがこうしたインターネット端末を販売する上での基本となるリファレンスプラットフォームであり、NSがこのまま販売するといった製品ではない。

Geode WebPAD内部のボード

QNXソフトウェア システムズ株式会社は、カナダのQNXソフトウェア システムズ社の日本法人で6月に設立されたばかりの企業。親会社のQNXソフトは、マイクロカーネルを採用したリアルタイムOSを20年以上手がけており、100ヵ国以上で200万ライセンス以上の販売実績があるとしている。

QNXソフトウェア システムズ、代表取締役社長のジェフ・ベアー(Jeff Baer)氏

WebPADに搭載されたQNX OSは、最新バージョンの“QNX Neutrino(ニュートリノ)”。WebPADはx86互換のGeodeを採用しているが、QNX Neutrino自身はx86のほかにPowerPC、MIPS、SH4、ARMをサポートしている。WebPADにはQNX Neutrinoと、その上で動くGUIの“Photon(フォトン) microGUI”とウェブブラウザー“Voyager(ボイジャー)”、メールソフト“V-mail”、ストリーミングデータ再生プラグイン“RealPlayer”、“FlashPlayer”、MPEG-1デコーダーソフト、MP3デコーダーソフトが提供されている。WebPAD内部のPCカードスロットで利用するIEEE802.11の無線LANカードとPHSカード用ドライバーソフトも用意されている。PHSカードのサポートは日本市場をふまえて行なわれたもので、NSの協力を得て開発したとしている。また、QNXはJavaの実行環境を持たないが、このWebPADでは米IBM社の子会社である米Object Technology社からWebPAD向けに最適化されたJava実行環境の提供を受けたという。

また、QNXソフトはこのWebPADに搭載したQNXを、個人使用に限り無償でウェブサイトを通じて提供している。無償提供は9月26日(米国時間)に開始されたが、すでに50万本がダウンロード(うち日本サイトからは1000本)されたという。

QNXソフトウェア システムズのブースに展示されていた、米スリーコム社の家庭用インターネット端末『Audrey(オードリー)』。このCPUもGeodeが使われているという

NSとQNXソフトは今後、日本市場においてWebPADのプロモーションとマーケティング活動を、協力して行なっていくとしている。

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