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リンコム、ウェブサイトを点数化して評価するコンサルティングサービス

2000年11月08日 19時38分更新

文● 編集部 佐々木千之

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インターネットコンサルティング事業を展開する(株)リンコムは8日、都内で記者発表会を開催し、米GIGA Information Group社のウェブサイト診断サービス“ウェブサイト・スコアカード”を日本で開始すると発表した。

このサービスはウェブサイトを改善するための指針を見いだすために考え出されたもので、ウェブサイトの構成要素を細かく分解して点数化することで、客観的に評価するという。点数化の後、改善点をまとめたレポートを提出する。ウェブサイトがその改善点に対応した後で再度効果の検証も行なうとしている。サービス料金は、サイトの規模にもよるが数百万円程度としている。

藤原信二代表取締役社長リンコム代表取締役社長の藤原信二氏

米GIGA Information Group社(GIGA)は、'95年3月に、米調査会社ガートナーグループの創始者であるギデオン・ガートナー(Gideon Gartner)氏が設立した企業。インターネットビジネスにおけるコンサルティング事業を展開している。2000年度第3四半期の売り上げは5200万ドル(約56億円)。今年8月21日にリンコムと戦略的提携を発表しており、今回のウェブサイト・スコアカードのサービス開始はその提携の最初の事業となる。

ウェブサイト・スコアカードサービスは、1)事業内容やウェブサイトの方針、競合会社について担当者から聴取、2)顧客のサイトと競合会社のサイトや参考となるサイトについてアナリストが分析(点数化)、3)スコアカードをもとに顧客企業に対して診断結果をプレゼンテーションする、4)診断結果から改善すべき点を提案する、5)6ヵ月後に改善が終わったウェブサイトを再度診断し結果を報告する、という流れで行なわれる。3)のプレゼンテーションでは、30~40ページのスコアレポート、サイトの欠点や他社サイトトの比較レポート、アドバイスが行なわれるとしている。

スティーブ・テリーン博士GIGA Information Groupの副社長兼ウェブサイト・スコアカード担当責任者のスティーブ・テリーン博士

ウェブサイト・スコアカードのポイントであるウェブサイトの客観的な点数化は、GIGA副社長のスティーブ・テリーン(Steve Telleen)博士によって考案されたもの。テリーン博士はGIGA入社前に、米アムダール社('97年に富士通(株)によって買収)において、“イントラネット”という用語を発案したインターネット戦略の専門家。

ウェブの点数化は、ウェブサイトを、カテゴリー、フィーチャー、エレメント、コンポーネントの4つの階層がある。カテゴリーはもっとも大きな分類で“使いやすさ”、“一般的な情報”、“カスタマーサポート”など8つに分けられ、その下にフィーチャー(例:ナビゲーション)、その下にエレメント(例:テキストによるナビゲーションバー)、さらにコンポーネント(例:テキストナビゲーションバーが用意されているか)という構成となっている。約300あるというコンポーネントの点数の合計が、そのサイトの点数(例:テキストナビゲーションバーがあれば1点、なければ0点)となる仕組み。

米国ではすでにGIGAがサービスを行なっており、英ブリティッシュ・テレコム社、米コンパックコンピュータ社、米ロータス社、米JPモルガン社などが利用しているという。例として、米国でBtoBのEコマース事業を展開する米Metiom社があげられた。それによると、このウェブサイト・スコアカードサービスによる改善後、サイトの訪問者数で30パーセント、アクセス数は2倍に増加したとしている。

ウェブコンサルティング事業を行なう企業は日本にも多く存在するが、実際に有効なコンサルティングが行なえるのはそれらの企業にいる一部のアナリストで、名前が知られたコンサルティング会社といっても必ず効果が上がるとは言えないという批判も聞く。リンコムが展開するこのサービスでは、ウェブサイトにあるチェック項目(コンポーネント)があるかどうかで点数化されるため、担当者の能力差による提案のばらつきが抑えられるほか、顧客企業も他サイトと比較しやすいという利点があると考えられる。

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