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研究中の先端ロボットを公開“先端ロボットの世界”

2000年10月30日 20時49分更新

文● 浅野純也

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28日と29日の両日、東京目黒の東京工業大学大岡山キャンパスにおいて“先端ロボットの世界”が開催された。ヘビ型ロボットや4足歩行ロボットの研究で有名な同大学の広瀬・米田研究室が主催し、日頃の研究成果を一般公開したもの。

会場にはこれまでの研究成果をはじめ、現在研究が進められているものまで20体近いロボットが展示され、また実際に動かしてみせるデモも行なわれた。この“先端ロボットの世界”は同大大学祭のイベントのひとつでもあり、会場には家族連れをはじめ大勢の観客が集まり、珍しいロボットの数々に興味深く見入っていた。

“先端ロボットの世界”会場風景。大学祭の1イベントとして行なわれたため、一般の人たちが大勢集まった

主催の広瀬・米田研究室は、生物をモデルにした歩行ロボットや惑星探査ロボット、地雷探査を行なうロボットなどで知られる研究室。広瀬茂男教授が開発したヘビの動きをシミュレートしたヘビ型ロボットがそのはじまりで、これまでに数多くのユニークなロボットを開発してきている。各ロボットの詳細は同研究室のホームページにある。

ヘビ型ロボット。実際のヘビの動きをシミュレートしたもの。車輪が駆動するのではなく、連結したユニット間を左右に振って全体で正弦波状の動きをすることで移動できる
4足歩行と車輪による動きをハイブリッド化した『RollerWalkerロボット』。通常は4本の脚で移動。また、脚の先端に取り付けたローラーを立てて平泳ぎのように前後の脚を動かすことで、アメンボのように滑らかに移動でき、4足歩行時の2倍以上のスピードが出せる。荒れた路面でも確実に歩き、平地ではできるだけ早く移動できるメリットがあるという。実際に目にするとかなりのインパクトがある
一部メディアでは『座布団ロボット』として紹介された全方向移動車両。4辺に配置された車輪やベルトの動きによって前後左右斜めと全方向へのスムーズな移動が可能。人が上に乗ることも可能
6本の脚を使って階段の上り下りができる移動ロボット。3本ずつ制御することで、安定した移動が可能。アームが長いため、大きな段差もクリアできる
6足ロボットの説明をしている広瀬教授(中央横向きの人物)
4足歩行ロボットを地雷処理に適応させたもの。写真の左手には土をかき出す工具を、右手には草を刈り取るカッターを装備している。構想としてはツールボックスを持って、装備を取り替えながらの作業を考えているという
写真は人間の腕の動きをトレースしてロボットに伝えるためのもの。腕を重ねるようにして操作する。右側の黒い服装が米田教授
階段を昇降できるクローラーロボット。キャタピラ部分にグリップ力を高めるために、小麦粉を入れたパックをつなげたものが使われているのが特徴。また、前後輪の間にあるアームが動くことで階段とキャタピラが常に接地するように押し付けている。こうした工夫によって30度の登坂を実現している。人を乗せての昇降も可能
シンプルなメカによる4足歩行を目指した実験機『3自由度歩行ロボット』。搭載しているモーターは、前後の脚を駆動する2つと胴体中央部分をねじるために1つの計3つで、他の4足メカに比べると4分の1になっている。2本の脚は前後に動くだけでこれだけでは歩行できないが、胴体中央をねじることで文字どおり“トコトコ”と移動することが可能
惑星探査をターゲットにしたローバーロボット。探査機内部では折り畳まれた状態で格納されているが、3脚を展開して移動状態になる。惑星の気圧の状態によってゴムタイヤが使えない可能性もあるため、車輪には金属を蛇腹風に工作したものが使われている。方向転換は3つのアームを回転させて行なう
3本の脚で垂直の壁面を移動できるロボット『忍者II号機』。吸盤で壁に貼り付き、3本の脚を交互に動かして移動する
研究中の恐竜型ロボットの脚部分。前傾姿勢で歩く恐竜の歩行をモデルにしたもの

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